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あなたの古代を懐かしむ心が
あなたと仲間たちの事件を
なかったことにするかもしれない
無償の饒舌に担われたあらゆるコムパは
なぐさめとひきかえに
一人一人の事件を供犠に捧げるように
そのことを望んでいるかもしれなかった
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遠くを見やるそのまなざしが
孤独と希望の形態なら
あなたのまなざしは世界を
心臓深く突き刺すものであるのか
それとも古代への追憶にみちびかれ
忍辱の歌謡と葬送の儀式がくりかえされ
忘却という対価が支払われるのか
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訣別と追憶を語りあうことが
虚偽に転移する境界があって
この境界に出会うとき
一つのシグナルの明滅する
忍辱の歌謡が響き出すとき
悲しみを噛み殺しながら
埋葬を許さないものがいる
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訣別によって滅んでいくものを
なんどでも奪い返す
奪い返して「いまここ」に集わせる
過去-現在-未来
この時間の線形的配列に亀裂を入れ
粉砕し、全時間で「いまここ」を構成する
すべてをほんとうに懐かしむために
未知へ接続するために
おれたちは
永遠に訣別を知らない者にならなければならなかった
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