ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「ことば──関係項」   20200216

2020-02-16 | Weblog

 

世界を記述する──
たとえば、気温20℃。気圧1000ヘクトパスカル。1+1=2。水曜日、午前3時。

多層な構成をもつ世界の各層に対応する多様な記述形式があり、
そのすべては広義の「ことば」のさまざまな展開形式が対応する。

ことば──関係世界という関係のゲームを可能にする「関係項」としての本質。
いいかえると個と個を結び合わせる集合的な〝用在〟として生成した「ことば」。

関係のゲームにおいて、個(実存)の世界経験は「ことば」に媒介され、
共有可能な「ことば」の構成=関係項の実現をめがけるように変換される。

世界の多層性はそのまま、個(実存)における世界経験の多層性に対応している。
個(実存)の世界経験の固有性、私性、多様性、多層性を、
いかに個(実存)と個(実存)において交換可能、合意可能な記述形式にもたらすか──
あらゆる関係企投(関係プレー)はつねにこの課題をたずさえ遂行されていく。

個(実存)の世界経験を、交換可能なもの共有可能なものにするいとなみは、
その過程から「ことばの歴史」を積み上げ、再編され、更新されながら、
いまもそのプロセスの歩みのなかにある。

世界の多層性すなわち個(実存)の世界経験の多層性に対応する記述形式の多様性。
それぞれの層における記述形式の追求と展開からさまざまな記述の系が生成する。
──科学・数学・医学・法・宗教・芸術。

すべての系をつらぬく世界記述の本質──「関係項であり、生成である」という本質。

 

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