鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

本の魔術

2011-05-10 22:52:28 | Weblog
くもりがち。夕方から雨。
5月は、爽やかだけれど、妙に肌寒かったり、夏を思わせる気温だったりで、着るものが難しい。

このところ、新刊で欲しい本もあまりなくて、整理した本の中から、古い本と引っ張り出して呼んでいる。
15年分くらいだろうか・・・。
保存状態が最悪(押入れの中だとか・・・)だったので、紙魚(シミ)が、天地・側面のページに浮いている。本も歳を取るものらしい。
埃も薄っすら・・・。

新しい本も楽しいけれども、古い本っていうものなかなか良いものだ・・・なんて思ったりしている。
太陽光老化というのか・・・妙に茶渋に染まったページの具合だとか、点点とある紙魚具合だとか・・・。
特に、高額だった本程、よい老け具合・・・というか、味があるような気がする。
きちんと本棚に仕舞うなり、著者別とかジャンル別にしておくなり・・・ということが出来ないので、乱雑なままだけれど。

2、3ページ読んで、つまらなくて、そのままにしておいたもの・・・。
時間が経って読んでみると・・・あらら・・・今度は、よくわかるわ(・・・実際何もわかってはいないのだけれども・・・)。
そんな時の経過が、本の魔力かもしれない。

反対に、何でこんなものに興味を持ったんだろう・・・という場合もあるし、また数年か、数十年後に読み直してみると、また違った感慨があるのかもしれない。

本自体が変わらなくとも、読み手の変化が投影されるんだろうと思う。
こういう感覚って、若い頃は、なかなか持ち得ないし、現代の若者は、あまり本を読まないと聞く。

内容だけなら、電子書籍でも充分だろうけれど、紙の老化具合、紙魚具合だとか、そういったノスタルジックな物理的(・・・物理でいいんだろうか?生物的かも・・・)な時間作用を感じ取れるのが、本・・・であって、電子ブックとは、一線を画すのでは、ないかとも思える。

現在、全て、電子書籍という若者も、いづれ歳をとったとき、あの液晶画面を懐かしく思い出すのだろうか・・・そんなことは、ないような気がする。
思い出すのは、たぶん読んでいた当時の背景のみだろう・・・。

時の流れの中に、古い本・・・数冊・・・。

ずいぶんと楽しい休暇になった。


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