鼎子堂(Teishi-Do)

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『おのれナポレオン』~最後の最後の逆転劇

2013-05-03 01:40:46 | Weblog
昨日(5月2日)は、薫風の中、午後から都内へ、観劇に。

連休谷間の平日の公演で、超良席なのに、空席が、チラホラ。
都内で、仕事をしていらっしゃる方は、平日の観劇が可能で、羨ましいと思う。
チケットも取りやすいだろうし、良席も土日に比べれば、確率が高いのではないかと思う。

さて、本日のお題は、『おのれナポレオン』。
三谷幸喜氏の脚本・演出で、野田秀樹氏が俳優として出演!という今まで、ちょっと、あり得ない作品。
私は、三谷氏の脚本・演出というのが、どうにも合わなくて、演劇も映画もスルーしていた。
何処が合わないかと言うと、場面がなかなか展開しない・・・というよりは、芸風というか作風なのだろうか・・・ひっぱって、ひっぱって、笑いを取る・・・という手法に、イライラしてしまうのだった。
今回も、そんな演出もあったけれど、配役が、凄い。
芸達者ばかり・・・これでもか・・・っていうくらい集めている。

ナポレオンの死後、20年を経て、その死の真相を語り始める5人の登場人物。

まず、ナポレオン役の普段は、演出がメインの野田秀樹さん。
セント・ヘレナ島に流刑にされて、自分の世界の妄想に生きるかつての皇帝を、パワフルに演じている・・・なんか・・・欽ちゃん(萩本欽一さん)かと思ってしまった。
舞台で、因数分解するあたり、さすが東大ご出身の方である。無理がない。
因みに X2-a2=(X+a)(X-a)を解いていらしたようだ。

セント・ヘレナ島で、ナポレオンの愛人となるアルヴィーヌ役には、天海祐希さん。
この方の美貌は端正だといつも思う。媚びたところが全くない正統派の美しさがある。
そして、そのアルヴィーヌの夫であり、ナポレオンの側近でもあるシャルル・モントロン役に山本耕史さん。
主治医・アントンマルキ役の今井朋彦さん。
ナポレオンの監視役・英国のハドソン・ロウ提督に内野聖陽さん。
ナポレオンの充実な召使いマルシャン役に、浅利陽介さん。

かつての皇帝ナポレオンに振り回されて、物語は、死の真相に迫っていく。

ドタバタとコメディ・タッチで進む物語の中で、登場人物たちのナポレオンに対する相反する感情が演じられて行き、全ての真相が、明かされた・・・と思いきや・・・ラストの30分で、語られる大逆転劇に、天才・ナポレオンの書いたシナリオが、更に明確になっていく。

エピローグは、量子物理学?を彷彿とさせるような或る意味、哲学的な言葉が、選ばれる。

ナポレオンの手のひらの傀儡達は、
『おのれナポレオン!』
と臍を噛むしかない秀逸なラスト。



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