古民家を改修したそばの人気店
先週、世羅高原農場に行く前に、知り合いから聞いたそばの人気店で食事をして行こうということになりました。お店の名前は「わらべ」、福山市神辺町方面からナビをセットし、上下に入ったころから、だんだん山道となり、ついに車が一台やっと通れるような、木立の中の極細の道となりました。とにかく脱輪をしないようにとゆっくり進み、対向車が来ないかとひやひやすること約10分、やっと大きな道に出ることができました。いつものことながら、もっと他のコースがあったのではと、ちょっぴりナビを疑います。少ししてお店の看板が見え、田んぼの向こうの山裾に、それらしき建物が確認できました。あとは、目的地に向かって一直線。お店は小さな集落の中にありました。
途中、第2駐車場と書かれた案内板もあり、人気店とうかがい知ることができます。そしてお店に到着。店の前の砂利が敷かれた駐車場には、車が3台停まっていました。建物の屋根はトタン葺きですが、下は茅葺きなのでしょう。いかにも田舎の古い民家、そのままという感じです。
手前がコスモスの天ぷら
建物の中に入ると広い土間があり、「いらっしゃいませ」と声がかかります。間取りもすぐにわかるような昔ながらの造り。案内されたのは、囲炉裏の向こうのテレビの前のテーブルでした。案内したのは、このお店の女主人でしょうか。ふっくらとされた元気そうな年配の方です。「何にいたしましょう」と訊かれたので、壁に貼られたメニューを見ていると「そば定食がおすすめですよ!」とのこと。「じゃ、それ、温かい方で!」と注文すると、すぐに若い男性の店員さんが、目の前のテーブルにセットするように、茶花でも用いるホトトギスを縦に置きました。これは何のためと思案顔をしていると、女主人「それは箸置きの代りですよ」とのこと。なるほど納得。でもめずらしい使い方です。最初におむすびや小鉢、少ししてお目当てのそばが出てきました。そして、野菜の天ぷらの盛り合わせと、最後に白玉ぜんざい。肝心のそばですが、味はいいものの、少し量が少ない感じがしました。ぜんざいは最高でした。いちばん驚いたのが、天ぷらの盛り合わせの中に入っていた、形そのままのコスモス。味はよくわかりませんでしたが、コスモスも天ぷらにすれば、食べられるということですね。全体的にお値段は少し高めかなという気はしましたが、田舎の古民家の雰囲気味わい料も入っていると思えば、仕方ないでしょう。
土間の上り口の間に、並べられていた雑貨類や難解な本を眺めていると、もういい時間に。次々とお客さんが切れ目なくやってきます。あまり、ゆっくりもできないので目的地世羅高原農場に向かって出発しました。
プードルのきなこ駅長
世羅高原農場でダリア園を堪能した後、世羅ワイナリーに寄ってみました。今日のお天気は最高で、ワイナリーの白い建物と、ブルーの空の取り合わせが、とても美しく感じました。ワインショップや地元の産物を販売しているお店をのぞいたあと、そういえば最近足湯ができたことを思い出し、一度そちらを見ておこうと行ってみることに。すると、さらにその奥に、ミニSLの蒸気機関車が見えました。汽笛や蒸気も小さいながら本格的です。親子が何人か乗車し、とても楽しそうです。オーバーオールを着た運転手の見事な白いあごひげが、とてもいい雰囲気でマッチしています。そして小型のウッドハウス調の建物の受付に目をやると、なんときっちり駅長の帽子をかぶった、プードルがいるではありませんか。その姿がとてもかわいいので近くに行ってみることに。首輪にはカラフルな文字で「きなこ」と書いてあります。そういえば、和歌山電鉄の貴志駅に三毛猫の「たま」駅長というのがいましたね。それから、警察犬で実話がモデルになった映画の主人公ラブラドール・レトリバーの「きな子」もいました。アイデアは「たま」に、名前は「きな子」にあやかったのでしょう。犬種的にじっとしていなくて、つながっている小屋とベランダ、受付をいったりきたり。どう見ても、お客さんの応対で忙しくしているお姉さんの邪魔をしているとしか思えません。でもその様子が愛らしくとてもかわいいのです。これからきっと人気者になるでしょう。もし世羅ワイナリーに行かれたら是非、のぞいてみてくださいね。
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