兵庫県立美術館 建築家安藤忠雄氏の設計によるもので2002年に開館
10月20日の日曜日、華鴒大塚美術館友の会・秋の美術展観賞旅行があり参加しました。当日は雨の予報でしたが、予報通りしっかり朝から雨でした。こうなると雨かどうか心配することもなく、あきらめがつくというものです。ただ、カメラの被写体という点ではあきらめざるを得ませんね。
本日の訪問先は神戸市で、兵庫県立美術館と神戸市立博物館を訪ねます。高屋を定刻の7時半に出発、総勢39名の参加者がありました。
兵庫県立美術館は、あの安藤忠雄氏の設計によるもので、独特のコンクリートの打ちっぱなしの建物です。素晴らしいデザインで、屋上から大きなカエル(?)が顔を出しているのもご愛嬌です。ただ、デザインを優先しているのか、館内がわかりにくい、という印象もありました。当日は、「橋本関雪・生誕130年記念特別展」が開催されており、最終日ということもあって多くの入館者で混雑していました。若い人が多いというのも印象に残りました。
まず、ミュージアムホールで学芸員さんから、特別展の概要の説明がありました。概略だけとのことでしたが、結局15分ほどかかりました。映像を使用しての説明で内容はよく理解ができました。我が華鴒大塚美術館からも数点貸し出していて、他の大きな美術館と肩を並べて展示されているのを見て少しだけ誇らしく思いました。お話の中で特に印象に残っているのが、「文展に1点入選すると家が建つ」というものでした。文展にたびたび入選したからでしょうか、京都銀閣寺近隣の白沙村荘の紹介では、その立派さにただ驚くばかりです。
学芸員さんの話で、「これだけ橋本関雪の作品が一堂に集うのは他にない」との話のとおり、各年代、テーマ別にところ狭しと並べられている作品には圧倒されました。関雪の力量を改めて感じました。残された時間内で紹介文まで読んで歩くにはとても時間が足りなくて、結局、作品だけ見て歩くことになりました。華鴒大塚美術館所蔵の「琴高騎鯉図」は特に異彩をはなっていました。あの躍動感はまさに一級品だと改めて思いました。こうしてあっという間に終わった兵庫県立美術館の観賞でした。鑑賞の時間設定には、バス到着が約30分遅れたせいもありますが、今回のように説明があるときには別枠で設ける必要があると感じました。さて次はお楽しみの昼食です。場所は、神戸メリケン食堂とありました。
ポートタワーに併設されたメリケン食堂別館(中突堤中央ビル)、整然と人数分並べられた料理には、威圧感さえあります。まさに団体様用の食事場所という感じでした。土地柄、中国語?韓国語?の団体さんの話し声も聞こえ、さすが観光都市神戸という印象でした。食後、折角なので港周辺を散策してみました。実は数週間前にも来たばかりで、勝手知ったる何とか、で撮影のポイントを歩いてみました。当日は、イベントが開催されていてたくさんのテントが並んでいました。素晴らしい歌唱力のタカラズカ歌手のワンマンショー、B級グルメ、カーニバルの踊りなどなど。しかし雨の中での開催で、誠に気の毒でした。
昼食後は、最後の目的地、神戸市立博物館です、旧外国人居留地の中にあって、建物自体も明治に建築されたものであり、登録文化財となっています。このあたりの町並みは、とてもきれいに整備されています。当日は、「プーシキン美術館展・フランス絵画300年」が開催されていました。関雪を見た後の西洋画は、また違った見ごたえがありました。学芸員さんの紹介もなく、入館するとすぐに絵の観賞となりました。モネ、アングル、ドガ、ゴーギャン、ルソーやゴッホなどの世界的な画家たちの作品を直に見ることができて感激でした。中でも展覧会の巨大パネルにも使用されたルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」、モデルの愛らしい表情は何とも言えません。また、他の作者の作品の中に描かれた白いドレスなども、いくら近くで見ても写真のようにしか見えません。その描写力にはただ驚くばかりです。
ひと通り見ると、予定の時間にはあと1時間もありました。1回のロビー脇の常設展で神戸の歴史や外国人居留地の紹介コーナーを見たあと、館外に出て町並みを散策しました。どこか西洋的な趣きもあって、とてもきれい、町を歩く人々もとてもおしゃれに感じました。さすが神戸だと思いました。
こうして、本日の予定は終了しバスは帰途に。それにしても今日の井笠観光の添乗員さん、中年の男性の方でしたが、まさに完璧な案内。ことばもはっきりして聞きやすく話もお上手。また事務局、役員の皆さまにも、いろいろとお世話になりました。楽しい一日を過ごさせていただきました。
旧外国人居留地跡の一角にある神戸市立博物館。明治時代に建てられ、登録文化財となっています。