未熟なカメラマン さてものひとりごと

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室津にカキを求めて

2012-12-13 00:01:04 | 旅行

真新しい「道の駅みつ」は新鮮な魚介類がいっぱい

12月8日、贈答用殻付カキを求めて日生(ひなせ=備前市)に行ってきました。備前ICから南下し日生港を目指します。B1グランプリ出場の「カキオコ」は毎回好成績を残し、すっかり有名になりました。町の中にはカキオコの幟がたくさん立っています。目指すのは、五味の市という組合直営の魚市場。新鮮な魚介類が並んでいます。目的地に着くと、あれ?と思いました。駐車している車の数が少ないのです。昨年もこの頃来ましたが駐車場は満車の状態だったことをよく覚えています。そして市場の中に入ると、「あれ、牡蠣を売っていない!?」これはいったいどうしたことでしょう。あるお店のおかみさんに尋ねると、「申し訳ないけど、カキのことは私にはわかりません!」との返事。他でも聞いてみましたが、なかなか明瞭な返答はありません。どうやら、今年は生育が遅れているようです。販売はいつからになるか未定のようでした。

あてがすっかりはずれてがっかりしましたが、せっかくここまで来たからには(私の住む井原市と、この備前市は岡山県の両端となりかなり遠いのです)どこか他のところを探してみようと思ったわけです。
以前、兵庫県赤穂市の東の方の海沿いの道に多くのカキ販売の看板があったことを思い出しました。そこで、ナビを国民宿舎新舞子荘にセットし、そこから国道250線を通って海沿いに西へと帰って行くことにしました。新舞子は、美しい海岸で、遠浅の海は、夏のシーズン、大いに賑わうようですが、当然のことながらこの日、人影はありません。そこから世界の梅公園の横を通ると、しばらくして海岸線に出ます。海を横目にしばらく走ると、「道の駅みつ」がありました。最近できたのでしょう、少なくとも一昨年まではありませんでした。
せっかくなので、寄ってみることにしました。高台にあり、眺めも抜群です。岸辺に近いところに、水鳥の群れが風を避けるようにゆらゆらと羽を休めていました。道の駅ですから地元の特産品が並んでいるわけですが、やはり魚介類が多いようでした。店頭で室津産のカキの蒸し焼きを売っていました。5個500円でした。早速、買って食べてみると、お腹もすいていたこともあり、なんとおいしいことか。この日は風が強く販売する店員さんが気の毒に感じました。それから、館内に入りお勧めのカキを我が家用に1キロだけ買って帰りました。(1キロ800円でした。)

次に食事をしようと、立ち寄ったのが海鮮バーベキューのお店。この店は以前、一度だけ利用したことがありました。新鮮な魚介類を焼くわけですが、焼く場所(コーナー)が決まっており、そこで焼きあげて席に戻って食べるというシステムです。カキやサザエ、ホタテ、イカやワタリガニなどに人気があるようでした。播磨灘の大パノラマが見渡せるテラスは、見晴らし抜群ですが、季節的に、ちょっと寒々しい感じがしました。お腹が膨れたところで最後に立ち寄ったのが室津漁港です。古い町並みと漁船が係留された漁港を写真に撮っておきたかったからです。当日は青空が広がり、漁船の白とのコントラストは、まぶしいぐらいに美しく感じました。それにしても湾内にずらりと並ぶ漁船の数に驚きます。何枚か写真に撮ったあと、町並みを散策しました。奈良時代「室津千件」と云われ繁栄を極め、江戸時代には、参勤交代の西国大名の殆どが海路で室津港に上陸して陸路を進んだため、港の周辺は日本最大級の宿場となりました。朝鮮通信使も、備後鞆、備前牛窓、そして播磨室津と立ち寄り、大いに交流もあったことでしょう。しかし、明治に入ると参勤交代の制度が無くなり、鉄道・道路が内陸部に敷かれたため急速に衰退しました。
町並みはきれいに舗装され、建物の切れ間に見える港を眺めながら散策するのも楽しいものです。2軒の旧本陣(海駅館と民族館)とカーブした細い道、旧様式をとどめた民家に往時の面影をなんとか見ることができます。

写真を撮り町並みを散策したあと、車を走らせると港の一角に、「カキ網元直売」の看板を掲げるいくつかのお店を発見しました。お店の前には、大きくカキ試食と書かれたコーナーがあり、「いらっしゃいませ!カキいかがですか!おいしいですよ!」とカキを焼きながら、繰り返し呼び掛ける中国人実習生(イントネーションからそう思いました)と思われる若い女性店員。5・6人が並んで順番を待っていました。中には、あちこちの試食コーナーに何度も並ぶつわもののご婦人の姿もありました。
早速、とあるお店でカキを買い、宅急便での手続きをしました。その日に捕れたカキを翌日に届けることができ、新鮮なカキは喜ばれるでしょう。

ところで、日本のカキの水揚げ量で多い都道府県ですが、東日本大震災前のデータによりますと、広島県が50%、宮城県が23%、ついで岡山県が8%となっており、以下、岩手、兵庫と続いています。岡山県は日生諸島、虫明湾、寄島町、兵庫県は播磨灘がそれぞれ産地となっています。
今日のコース、「道の駅みつ」でお買い物をし、お昼は海鮮バーベキュー、室津の町並みを散策し、カキを買う、なかなかいい観光コースと思いました。



室津港に隙間なく係留された漁船
コメント
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