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未熟なカメラマン さてものひとりごと

ようこそ、おいでくださいました。

意外なところで意外な人物に出会った。

2010-12-14 20:32:26 | 美術館・博物館

天王寺公園のハト

日曜日、用事で大阪に行ったときのことです。本町で、「なんば」に行くため、地下鉄の中央線から、御堂筋線の電車に乗り換えたとき、ドアの前付近の車内に大原美術館の大原理事長が女性(秘書)の方と立ってこちらを見ていました。別に面識があるわけではありませんが、反射的に思わず軽く会釈をしてしまいました。理事長もすこし頭を下げられたようでした。
大原理事長は、大原美術館の理事長にして倉敷中央病院の理事長でもあり、最近まで倉敷商工会議所の会頭の要職についておられました。岡山県のみならず日本を代表する財界人のおひとりに違いありません。
 この大原理事長で思い出すのが、平成17年に井笠地域地場産業振興センターで開催された華鴒大塚美術館友の会の創立10周年で講演をしていただいたときのことです。あとの懇親会にも参加いただけるという日程で、講演のあと、合間の少しの時間を利用して華鴒大塚美術館をご覧になるということでした。
 当日の応援スタッフとして玄関付近にいた私は、理事長の運転手の方とお話をしていました。その車は、意外とクラシックでナビなどはついていませんでした。次に華鴒大塚美術館を訪ねられるというので、「すぐ近くですけど、場所はおわかりですか?」「何でしたらご案内しましょうか!」というと、「時間はまだありそうなので、それではお願いできますか!」とのことでした。それではと、ずうずうしくも後部座席に乗せていただいて美術館まで道順を案内しました。そのあとすぐにUターンして引き返しましたが、その途中で理事長から、運転手の方の携帯に電話が入ったようで、「君は、今どこにいるのかね?」という内容だったと思います。運転手の方は「はい、すぐに帰りますので」と恐縮して応えられていました。
 会場まで戻ると、理事長以下、面々が玄関先に今か今かとお待ちで、後部座席から出てきた私はとてもバツが悪かったことを、昨日のように思い出します。あとで聞くと、某衆議院議員の奥様が美術館までご案内する予定になっていたようです。これぞまさに、いらぬお世話ということでしたね。

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ギネスに認定されない世界一の筆

2010-10-19 21:42:08 | 美術館・博物館


10月11日(祝日)、私が所属している茶道・上田宗箇流井原遠鐘クラブの研修旅行があり、初めて参加いたしました。井原文化教室、岡本社中との合同企画で、参加者は総勢20名でした。事務局に確認したところ、井原遠鐘クラブとしての研修旅行は、平成11年以来、実に11年ぶりとのこと。前回は、宗箇山登山だったそうです。
今回の研修旅行の最初の訪問先は、現在、陽明文庫・国宝展が開催されている広島県熊野町の「筆の里工房」でした。入口を入るとフロアーには、受付、ミュージアムショップなどがあり、展示場はその下、1階になっています。傾斜地を利用して建てられているため、入口は2階になっているようです。
学芸員の方に案内されて1階に降りると、まず迎えてくれるのが、世界一大きな筆、ギネスに申請したそうですが、どうも筆とほうきの区別がつかないらしく、認めてもらえなかったそうです。材料は馬の尻尾だそうですが、実際、筆として人間が使えなければ筆とはいえない、私にはそういう気がしました。
 特別展では、陽明文庫収蔵品の中から、藤原定家の書など国宝8件、重要文化財9点を含む計50点が展示されていました。書にはまったく、うとい私には、達筆がどういうものかまったくわからなくなりました。
 しかし、江戸の時代からどうして、山間部の熊野町に筆という産業が発展してきたのか、興味あるところです。筆の材料はイタチ、タヌキ、馬、ヤギ、鹿、リスなど獣の毛を使用していますが、そのほとんどを中国やアメリカ、軸は岡山県や島根県から仕入れているそうです。つまり熊野産のものは何もないということです。農繁期に大阪・奈良などで筆や硯を買って売って歩く、これが熊野と筆とのかかわり合いです。このあたりは、近江商人と似ていると思いました。それから、藩や県が振興を推し進め産業として根付いたということでしょう。 種類も、毛筆用から、画筆、化粧筆と種類は様々です。今では全国の80%から90%を熊野産が占めているそうです。たかが筆といっても高価なものは数十万もするそうですから驚きですね。

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水に浮かぶ茶室

2009-05-27 23:44:14 | 美術館・博物館


日曜日に美術館友の会の鑑賞旅行で滋賀県の佐川美術館に行ってきました。何と受付の方は皆さんマスクをしていました。そう云えば滋賀県でも新型インフルエンザの患者が出たのでしたね。
でも私たち一行は、平均年齢も随分高いので、かかる率も極めて低いと思われますし、いちいち気にしてはおれません。
この茶室は、佐川急便創業50周年を記念して開館となった楽吉佐衛門館の水面に浮かぶ茶室です。(実際には浮かんでいません!そのようにみえるということです。)見学には事前の予約と別途1,000円が必要なのだそうです。
目の前に水面とヨシが広がる景色。ガラス窓を開け放つと一層自然と一体感を感じることでしょう!風でヨシが揺れ頬をかすめる、その中で抹茶でもいただけたら最高ですよね。


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すごい美人です。

2008-05-28 22:26:22 | 美術館・博物館


 またまた先日の美術館友の会で大阪を訪ねたときのお話です。
 大阪市立東洋陶磁美術館で見た写真の婦女俑、高さ40㎝ほどのさほど大きくないものですが、ちらちらと何回も見ているうち、だんだんその魅力の虜になってしまいました。
 俑とは、中国で、死者とともに埋葬した人形のことです。死者の臣下・妻妾・衛兵・愛玩動物などをかたどっています。材質により、陶俑・木俑・金属俑などに分けられます。しかるにこれは陶俑ですね。この婦女俑(婦人俑ともいいます)丸い回転盤の上に乗りぐるぐる回転しています。
 ゆったりとした衣をまとって、随分太めの体型(失礼!)です。「この人は妊婦ですか?」と聞いた人もいたくらいです。顔はしもぶくれ、目は細めで少々吊りあがっています。鼻も唇もなんとも小さめです。
 ボランティアガイドさんによると、唐代の美人の典型とか。時代も変われば要件も随分違うんですね。
 以下、美術館の説明書きです。
 「大きく結いあげた髷の切れこみにはかんざしが、胸の前にかかげた手の指先には小鳥がとまっていたらしい。素焼の塑像の表面に胡粉(ごふん)を塗りつめ、その上から泥絵具で彩色してあったが、土中で色はほとんど剥落している。唐時代にはこのような加彩のほか三彩による俑も多い。若い女性の初初しさが余すところなく捉えられ、数ある婦女俑のなかでも屈指の名作として知られている。」



コメント (3)
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