たまたまというか偶然というか、かさなりました。
返却期日の近づいている又吉くんの本を読んでいたんです。
これです、第2図書係補佐/又吉直樹。
この中で太宰治の『親友交歓(ヴィヨンの妻』より)』を取り上げているのですが、
その65ページにこう書いてある。
十年以上前の話だが、当時お付き合いしていた女性から「今日は何の日?」と聞かれた
ことがあった。六月十三日だった。
え、それって今日?慌ててカレンダーで確認すると、やっぱり今日は6月13日。
彼女は「初めてキスした日だ」と僕に告げた。そうだ、僕が生まれて初めてキスを
した日だった。
ふむふむ、それはよござんしたね。でも話はこれで終わらない。
しかし何故か太宰のことが気に掛かり頭から離れないので本を開いてみる
と、六月十三日は太宰治が玉川上水に入水した日であった。
「ファーストキスが太宰の命日」
え?なんだか万華鏡覗いた気分。
まとめてみよう。
・ファーストキスをした日が六月十三日
・その翌年かはわからないけれど、今日は何の日と訊かれた六月十三日
・太宰治が入水自殺したのが六月十三日
・一連の、又吉くんにかかわる六月十三日を私が読んでいるのがその6月13日
おお、時空を超えた6月13日がたった一冊の本でかさなりあってしまった。
ちなみに、又吉くんは太宰治に縁があるのか自意識過剰の奇妙な偶然と表現しているけど、
ちょっと面白いことが書いてありました。
太宰治が最後に住んでいた三鷹の住所が又吉くんの住んでいたアパートの住所だったそうで。
何も知らずに太宰が作品を執筆していた場所で毎日太宰作品を読みながら過ごしていたそうだ。
さらに、「沖縄の又吉家」が飲料水のCMの撮影に使われ
(選ばれた理由はその辺りで一軒だけ都会風の造りだったから)、
メロスに扮した人物が走って家を飛び出すシーンで表札の「又吉」が「太宰」に変わっていて、
又吉くんが書いているから本当で使われているのは紛れもなく又吉家だそうです。
ちなみに…、好奇心で検索したら、ありました。
興味のある方はどうぞ。