17ページ6行目といっても今回も6行目は抜きですが…。
先日寄った書店の平積み本の表紙にエリザベス・チューダー(テューダー)を見つけた。
エリザベス・チューダー(テューダー)とはヘンリー8世の次女、母はアン・ブーリンで、
のちのエリザベス1世である。
このヘンリー8世の父7世の頃からジェイムズ6世(イングランド王としてジェイムズ1世)までの話に興味があって、
一時のめり込んで関連本を読んでいたことがあった。
スコットランドのメアリ・スチュアートの本も読みたいのだけれど、
(ドラマ化されたのを数本観たがあれはなんだだった。映画も何本か観ている)
複雑なのとメアリ・スチュアートの行動がどうも理解を越えていて、
いつも図書館の分厚い本の前でダルマさん化してばかり。
で、この書店で見つけた「火の柱」は上中下と3巻もあるのだけれど(しかも厚い)、
そこにエリザベス・チューダーとメアリ・スチュアートが登場するらしい。
あの時代が舞台になっているらしく、
「買って帰るか」と思ったものの外したら3冊は痛いし、
帯に「大聖堂の正当なる続編」と書かれてあり、
これはその大聖堂なるものを読んでから挑んだほうがいいのかと買わずに帰宅。
図書館に「火の柱」3冊予約をいれ、大聖堂3冊を借りてみた。堅実派だ。
この大聖堂は1991年に日本でも出版されており、全世界でベストセラー、ドラマ化もされている小説なのだそうだが、
ケン・フォレットという作家も大聖堂という小説も私には初耳。
大聖堂 上 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳
大聖堂 中 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳
大聖堂 下 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳
いやぁ長い厚い。3冊で計1812ページ。
12世紀のイングランドのキングズブリッジという架空の都市(といっても小さな村)に大聖堂を建設するという話。
もっと取っつき難い話かと思っていたのになんのその、
実に読みやすくわかりやすく、エロス! バイオレンス! サスペンス! と飽きさせない。
そう、最初に書いておきますが、エロい場面が多々多々でこれは官能小説かと思ってしまった(笑)。
私の読む本にはあまりこういうシーンが出てこないので、なんだか臨時収入か。
エロは置きまして、
宗教・キリスト教の教えとか考えとか絡んでくるとどうもよくわからないことが多い。
それはそうと感じて読むしかない。
地図にしても、今はドーバー海峡挟んでフランスと分かれているけれど、
昔はノルマンディーもブルターニュも領土だったわけだし、歴史の復習にもなった。
しかし、作者があとに書いているのだけれど、
当時の建築家は鉛筆も紙もなく、モルタルを引っ掻いて図面を書き、
職人は平方根の何たるかを知らず(私もすっかり覚えていない)、
経験からその割り出し方を会得し、使う道具はせいぜい木槌や玄能などのハンマー類、
のみとたがね、斧、のこぎりぐらいで作ってしまっていたのだから、もうあんぐりしてしまう。
パソコンもなければ精密器具などもなく、
それであんな大聖堂(サンドニ大聖堂やカンタベリー大聖堂)をつくってしまうのだから、
人間の知恵や知識・経験というものはすごいぞと感嘆してしまう。
エロ、建築、そして人間ドラマがやってくれる。
悪い人、嫌や奴、クソ(失礼)な人は徹底的にクソで、
これが最後にひっくり返るところが池井戸潤氏っぽいかな。
こんなに分厚いのだけれど、がっつくように読んでいました。
古い新潮文庫本でしたが、ソフトバンク文庫で新しく出ているようです。
ちなみにこの本の原題は訳すと地の柱だそうで、火の柱と呼応しているか。
この「大聖堂」がなかなか面白かったので、
勢いで「大聖堂 果てしなき世界 上中下」に手を出してしまったのだけれど、
上巻の序盤で躓いてしまっている。
なかなかどうもノリが悪いのだ。進まない。
大聖堂から約200年後のキングズブリッジが舞台、
きっとこのケン・フォレット氏はやってくれるのだろうけれど、
回転しはじめるまでに結構労力いりそうな。
さぁ、今夜も眠る気まんまん。
以上17ページシリーズでした。