毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

17ページ 6行目 299

2021-03-19 23:16:16 | 本 3

 

前回からちょうど1か月ぶりのようです。

あまり放置しすぎると面倒になるので(1か月でも十分面倒だけど)、

読んだ本をメモ程度に書き留めます。

 

 

 バンビものがたり/ザルテン原作

 

昨日登場したバンビものがたり。

私の持っている本はカバー紛失しているけれどアマゾンで調べたらこれがでてきた。

偕成社なかよし絵文庫、時代感、おそらくこれでしょう。

こんな愛らしいカバーがかかっていたのか。

しかしまったく覚えていない。

で、奥付に定価220円と記されていましたが、

アマゾンでは中古品841円よりとなっていました。

 

 

 

 

 私的読食録/堀江敏幸 角田光代

 

「dancyu」に掲載された、記憶に残っている「食」が書かれた本をとりあげた連載エッセイ。

で私も考えてみた。印象深い食べ物に関する何かが書かれていた本。

ぱっと浮かぶのは幸田文のあれは何の本だったろう、

戦時中父幸田露伴のお膳を揃える意気込みというか意地というか、

そこまでしなくてもいいでしょ父も父なら娘も娘だという覚えと、

内田百閒の「ノラや」ででてくる百閒のお膳かな。

そこいらのスーパーで買ってきたような食材ではない上質なものが毎食並んでいて、

そんなに美味しいものを毎日毎日食べているのかと。

ミステリとかの残虐シーン同様食べ物に関してもあまり想像せず字面だけ読んでいるので、

いろいろ出てきているはずなのにぱっと浮かんだのが上の2作。

単にひがんでいるだけなのか(笑)。

 

 

 

 

 カレーソーセージをめぐるレーナの物語/ウーヴェ・ティム 浅井晶子訳

 

さきほどの「私的読食録」で角田光代さんが取り上げていたので読んでみた。

これ私が若い頃に読んだのなら途中で投げ出したと思う。

この歳だからわかることってあるよなと。

ちょっとズレたら悲恋メロドラマになってしまいそうだけど、そうはならず。

結構好きかもしれない、この本。

 

 

 

 オルガ/ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳

 

「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」と似た表紙。

「朗読者」のハンナが最後にとった行動は今でも考えることがあるけれど、

この本のオルガが最後にとった行動はどう解釈すればいいのだろう。

上の本もそうだけど今回は戦争や極地がかかわる本が集まっていた。

訳者あとがきにもう一人の主人公、

極地に挑みそのまま帰らぬ人となったヘルベルトは架空の人物ではなく、

実在の人物をモデルにしてあり検索すると写真をネット上でみることができると書いていて、

極地探検といえば見ないわけにはいかないでしょうといろいろ検索を試し、

やっと見つけました。

ピッケルヘルメットに軍服姿や防寒服を着て犬を従えたヘルベルトの写真が見られます。

興味のある方はどうぞご覧ください。

 

Herbert Schröder-Stranz

 

 

 

 

 その犬の名を誰も知らない/嘉悦洋

 

昭和基地で生き抜いた犬はタロとジロの他にもう一頭いたという話。

いたのだけれど、福島隊員の遺体発見と重なったこと、

置き去りに関して激しいブーイングがあったことなどからきっちりとした記録が残っていないのだが、

タロジロとともに行動していたであろう生き残りの犬の遺骸(首輪抜けした犬)が発見されている。

 

 

 

長くなってきたのであとはざざっと。

 

 

 べらぼうくん/万城目学

 

 

 

 山怪/田中康弘

 

 

 

 世界の美しくてミステリアスな場所

 

想像していたのとちょっとどころかだいぶ違っていた。

 

 

 

 開かれた瞳孔/カリン・スローター 大槻寿美枝訳

 

「カリンスローターは面白い」というのでデビュー作を読んでみた。

私結構残虐なシーンが出てくる本をたくさん読んできたけれど、これはえぐい。

犯人は早くにわかってしまったのだけれど、

わからないこと満載なのはサイコパスだからなのか、私の力不足なのか。

ぽつぽつ穴がある気もするけれど、もう少し続けて読んでみよう。

 

 

 

 新テーピングの基本/芥田晃司

今大好きなのが芥田さんのトーク。

 

 

 

 体幹X呼吸トレーニング/村上貴弘

もっと酸素が欲しいので(笑)。

肺をあとふたつどっかに内蔵できないものか。

 

 

以上でした。

 

 

 


17ページ 6行目 298 どっとまとめて

2021-02-19 23:02:02 | 本 3

 

さぼりにさぼり続けていると、やらなくてもいいかという気持ちが普通になってしまい、

ふと気が付いたら3か月以上もこのシリーズを放置していました。

前回は昨年の11月9日となっていた。

そこまで放置していたとは。

 

熱心に本ばかり読んでいたわけではないですが、

それでもぽちぽち毎日読み続けていたのでそれなりの冊数になっている。

丁寧に分類して出せばいいのでしょうけれど、

ざっと大雑把に関連しているものをグループ化して、

一挙大放出します。

 

 

 

海外もの

 

 

  催眠上/ラーシュ・ケプレル ヘレンハルメ美穂訳

 

 催眠 下/ラーシュ・ケプレル ヘレンハルメ美穂訳

 

 

 

 風の影 上/カルロス・ルイス・サフォン 木村裕美訳

 

 風の影 下/カルロス・ルイス・サフォン 木村裕美訳

 

 

 

 無痛の子/リサ・ガードナー 満園真木訳

 

 

 棺の女/リサ・ガードナー 満園真木訳

 

 

 償いの雪が降る/アレン・エスケンス 務台夏子訳

再読

 

 

 イタリアン・シューズ/ヘニング・マンケル 柳沢由美子訳

 

 

 

 

 

英国(ヘンリー八世etc.)もの

 

 

 王妃の闘い―ヘンリー八世と六人の妻たち/ダイクストラ好子

これは一押し。欲しい。

六人の妻の泥沼話ではなく、王妃VSヘンリー八世。

巻末の文献が全部英語だった。知らないこと満載。欲しい、これ。

 

 

 芸術新潮 2020年 10月号

 

 

  芸術新潮 2019年 11月号

 

 

  時空旅人 2021年 1月号

 

 

 

旅もの

 

 

  旅が好きだ!21人が見つけた新たな世界への扉

 

 

 いきたくないのに出かけていく/角田光代

 

 

 

 

カラダもの

 

 

 どんなに体が硬い人でもやわらかくなるラク伸びストレッチ/なあさん

 

なあさん動画はわりと観ています。

 

 

 究極の歩き方 アシックススポーツ工学研究所

 

 

 

 

日本の小説・エッセイ・アンソロジー

 

 

 競歩王/額賀澪

 

札幌で東京五輪競歩が行われるのなら見に行きたい。

ああ、北海道マラソンまた今年も中止。

 

 

 

 昨夜のカレー、明日のパン/木皿泉

 

 

 

 紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官/川瀬七緒

 

2021年1冊目は人が死なず血も飛び散らず腐敗や凶器から無縁な心がぽっとあたたかくなるような本を読もうと決めていたのに、これだった。

シリーズ6作目。変わらぬ面白さ。

 

 

 あの家に暮らす四人の女/三浦しをん

 

後半まで一度読んでいたことを思い出せずにいた。

似たような本読んだよなと思いつつ決定打に欠け、河童のミイラ出現で記憶が蘇り、

結局ここまで読んだらラストまで読み切るほかないでしょと読了。

恐るべし、しをんさん。

 

 

  にゃんこ天国 ごきげん文藝

猫のアンソロジー

 

 

 

 1日10分のしあわせ NHK国際放送が選んだ日本の名作

 

 

 

これで大丈夫かな? 途中でやめた本があと2冊。

次回はまた三か月後でしょか。

 

 

 


リーチと雪と17ページ 6行目 297

2020-11-09 23:37:37 | 本 3

 

雪に霙に雹に霰、雷まで登場の今日の天気。

 

 

 

 

ブーツにするか迷ったけれど長靴で正解。

道路は融けかかったシャーベット状の雪でわや。

 

 

 

 

リーチの背中にも雪。

顔は融けた雪で汗なのか涙なのか鼻水なのか垂れていた。

真冬になったらどうするのだろう。

このまま頑張り通すのだろか。

 

 

 


 

今回も6行目の書き写しは省略。

読み終えた本の記録ということで。

 

 

 

 プライドが高くて迷惑な人/片田珠美

 

まわりにちょっとイヤな人がいてなんとなく読んでみたのだけれど、

自分にも思い当たることが書いてあったりで恐ろしい。

1 自慢称賛型

2 特権意識型

3 操作支配型

幼児期のナルシズムの残滓、自己愛、万能感。

ラ・ロシュフコーの言葉がなんともピンポイントで17世紀の言葉に感銘を受けるのもすごい。

嫉妬のほとんどは愛からではなく自己愛からだみたいなことも書いてあって、いい。

 

 

 

 

 

 ブーリン家の姉妹2 愛憎の王冠  上/フィリッパ・グレゴリー 加藤洋子訳

 

 

 ブーリン家の姉妹2 愛憎の王冠  下/フィリッパ・グレゴリー 加藤洋子訳

 

 

 

数年前にブーリン家の姉妹を読んでおり、

これがなかなか面白かったのでブーリン家の姉妹2、ブーリン家の姉妹3と勢いで買い、

積みっぱなしだった愛憎の王冠上下を「火の柱」の記憶が薄れぬうちに(同時代の話だったので)崩し読んでみた。

ブーリン家の姉妹がアン・ブーリンの処刑までの話で、

この愛憎の王冠はその後のメアリーとエリザベスの対立の話。

そのままもっていってほしかったのに語り部となっているハンナがどうも邪魔で、

下巻になるとなんだか泥沼化してもったいないやら残念やら。

メアリーもエリザベスもキャラ設定やフィクション部分はよっこして、

こういう流れでこうなったという世界史的な部分に関しては勉強になったなった。

メアリーのことをとことん運に見放された女性と書いてあり、

今まで彼女に関しては恨みとか憎しみとかマイナーなイメージしかなかったけれど、

なんていってもブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)、

けれど彼女の人生にスポットを当てると孤独で悪いことばかりの一生で同情してしまう。

こんなに不幸を担ぐ人も少ないのではなかろうか。

この人に関する本ってあったら(難解でなかったらが条件だけど)読んでみたい。

メアリー・スチュアート、メアリー・チューダー、アン オブ クレーヴス。

興味津々。

 

 

 

 

 犬心/伊藤比呂美

今日はこんな天気なので一気にこの本を読み終えてしまった。

 

老いた愛犬タケの命が尽きるまでの日々をつづったエッセイ。

タケのほかにニコとルイも飼っている。

タケのことを書いているのだけれど年老いた父の様子やその死もはさまれており、

とてつもなく大変だったことをさらっと書いてしまっている心の裏を思いやってしまう。

背表紙を見た直感で借りてきたのだけれど、この直感力えらかった。

伊藤さんの本はこれで3冊目。これが一番届いた。次へ。

 

 

前にも書いたけれど図書館にまたメアリー・スチュアートの分厚い本はなかった。

どうしたのだろう。

再度棚に並んだ時にはもう熱が冷めてしまっていたらどうしよう。

また数年寝かせることになる可能性大。

 

 

 

 

 


17ページ 6行目 296

2020-10-29 23:17:17 | 本 3

 

図書館に本を借りに行ってきた。

私がよく利用する図書館にメアリー・スチュアートに関する分厚い本があり、

著者は外国の人なのはわかるけれど名前までは憶えておらず、

前々から読みたい熱い思いはたっぷりあるのだけれど、

その厚さと開けば上下二段というのがプレッシャーで、

もう何年も手に取っては棚に戻す、一歩踏み込めずにいる本なのです。

 

「火の柱」を読んだのを機にこの勢いで例のメアリー・スチュアートの本を読んでみようと図書館に行ったのですが、

なんと、ない。

まさかの貸し出し中。

あの本を読もうとする人が私のほかにも居るとは。

2,3年前にも一度同じことがあった。

意を決し棚の前まで行ったら貸し出し中でなくなっていたのだ。

延滞遅滞があったのか行方不明になったのかしばらく帰ってこなかったことがあった。

どうして本気で借りる気になったときには貸し出し中になっているのだろう。

ああ悔しい。

図書館に本が戻ってきたときにどれだけの温度(気持ちの)になっているのか。

ちなみにタイトルもうろ覚え。困ったもんだ。固有名詞頑張らなくては。

 

 

 

 

 火の柱 中/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 

 

 火の柱 下/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 

 

なんとか読了。

2作目の「大聖堂━果てしなき世界」を読んだ時も感じたのだけれど、

架空の登場人物のキャラ設定がたいして変わっていないのだ。

名前は違っていてもキャラA、キャラB、キャラC、悪役、結ばれない恋愛、どんでん返しと、

ああこのパターンなのねと思う反面、人生なんて人間なんて結局みんなこういうキャラなのかとも。

ただ、実在した歴史上の人物に関しては面白かったし勉強になった。

私に欠けていた歴史観、プロテスタントとカトリックの争い、

信仰の自由のない時代、王がかわると一夜で異端者扱いになってしまうなんて考えたことなかった。

それとメアリー・スチュアートだ。

わからない。

この時代の英国の歴史話が好きだと前に書いたことがありますがその通りで、

必ず登場するのがメアリー・スチュアート。

悲劇の女王とかいわれているけれど、どうもそうには思えなくて、

どちらかというと愚かすぎる女王に思えてしまって、

なんというか新書のタイトルになりそうな人だったのではないかと。

著しくなにかが偏ってしまっている人。

ものすごく興味を持ってしまいます。

 

ケン・フォレットさんは9月に新作を英国で発表したそうで、

大聖堂より前の時代の話だそうだ。

また上中下巻なのか。

う~ん、今度はもう読まないような予感。

 

 

 

 ゆるめる力 骨ストレッチ/松村卓

 

 

松村さん本は3冊目になるのかな。

久しぶりにカラダ関連の本を読んでみた。

いつもこういうカラダ関連の本を読んで思うのは、

みなそれぞれ自分の信念をもって書いていらっしゃるので、

誰をどれを信じるかは自分次第。

選択肢ありすぎで迷うか、一つをこれだと信じるか。

私はいいとこどりのつまみぐいでやってきています。

 

 

と、貸し出し中のメアリー・スチュアートの本はなんというタイトルだったか調べていたら、

 

 

 

こんな面白そうな本を見つけてしまった(笑)。

かるく再燃しかけています。

 

 

 


17ページ 6行目 295

2020-10-19 23:42:42 | 本 3

 

前回「ヤドカリの鳴くところ」から頭と心の切り替えに西部劇を観るという、

なんだかとんでもない荒療治を行ったのですが、

効き目ありすぎでそっちにどっぷりはまってしまった。

 

 

 

 

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これがその映画、ゴールデン・リバー。

山師と殺し屋の兄弟と連絡係の4人が絡む話なのだけど、

なんていうんだろ、ひょいと肩透かしを食らうというか、

なんだこの映画と見入ってしまい、

原作を調べ、図書館へ借りに走り、一気に読んでしまった。

 

 

 

 

 シスターズ・ブラザーズ/パトリック・デウィット 茂木健訳

 

 

小説では兄弟が逆の設定になっていて初めとまどったけれど、

数ページ読めば問題なしで慣れた。

どうしても映画と小説の違いを探す読み方になってしまい、

あら探しではなく、これはこれで面白くてあっという間に読了。

さらにそのあともう一回映画を観直すという凝りよう。

何かいいことを語りたいのだけれど、

今現在映画と小説がアタマの中でごっちゃになってしまっていて、

言えるのは好きな類にランクインだよなということ。

この本は買う予定。

 

で、どうでもいいことのようだけどこだわってしまうことについて書きますが、

映画やドラマで主要出演人物が髪を自分でばっさり切るシーンってあるじゃないですか。

長い髪をむんずと掴み、裁ちばさみでじゃりっじょりっと切る。

切り終わった直後のシーンではまさにざんばら、ぶつ切りの状態なのに、

次に登場するときは、あら、どうしたんですかというくらいきれいに整っている。

あれ好きじゃないんだなぁ。

リアリティ追いすぎでしょか。

ところが、このゴールデン・リバーは違っていた!

最初の頃にイーライ役のジョン・C・ライリーが、

妙に似合ってないロン毛をハサミでじょきじょき切るシーンがある。

弟(小説では兄)チャーリーに後ろの部分を手伝ってもらうのだけれど、

虎刈り状態の仕上がり。

が、この虎刈りが自由気ままに伸びていく状態でラストを迎えるのだ。

後頭部ばかり注視していたのかと訊かれたらそうですと答えるしかない。

映画のなかのイーライも小説の中のイーライもいい。

小説ではイーライの語りで成っているのだけれど、

なんともこのイーライの持ち味がいい。

なんで創元推理文庫からでているのか謎だけど、

映画も小説もどちらもこれはめっけものだと思います。

 

 

以上、17ページの6行目はついに消えた295回目でした。

 

 


17ページ 6行目 294

2020-10-09 23:57:57 | 本 3

 

年に一度あるかないかのことだけど、

図書館から借りた本を買いに走ることがある。

それも読み終わってからではなく、出だし数ページで。

なんだろう、波長があうというか(おそらく)これは好きな類で手元に置きたい本になる直感、

あらゆる書店の在庫検索をしまくり、買いに走る。

アマゾンは最終手段。

でも大概そういう本って近場の書店にはなく、

市中心部のジュンク堂とか紀伊国屋まで出かけなければ対面できない。

今回は運よくイオンに入っている未来堂書店に在庫があり、

根性で歩いて買いに行ってきた。10㎞コース(笑)。

その本がこちら。

 

 

 

 ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ 友廣純訳

 

 

2019年全米で1番売れた本(500万部突破)だそうで、

結構軽く見ていたのだけれどいざ読んでみたら上記のような事態に。

親から見捨てられた少女が湿地の動植物のなかで生き抜いてゆく。

サバイバルでもあるし少女の成長記でもあるし犯人捜しでもあり恋愛ものでもあり、

出だしの数ページで「こりゃだめだ」と買いに走ってしまった。

 

私は滅多なことでは本を読んで泣くことはないのだけれど、

これは何度も何度も「ふんご」の手前になり、

それも他愛のない会話や泣かせるぞではないところで不覚にもきてしまうのである。

このまま結局チェイスは事故死なのか殺人なのかわからないまま終わるのかと思いきや、

ちょと受け入れがたいラストが待っていたのだけれど、

これは二度三度読み返すうちに受け止め方が変わってくるのかもしれない。

とはいえ、テイトと暮らした年月は計算するとカイアがなくなるまで39年にもなり、

独りぼっちじゃなくて、一緒にいてくれる人がテイトで心底よかったなと。

 

オーエンズさんは動物学者で、そこらへんもこの本にのめりこんだ理由の一つ。

ハクガンのシーンが好きだ。今そこだけ読み返してもじゅわっときてしまう。

ただ結構きつい話でもあるのもたしか。

なかなかの読書体験でした。

2020年マイベスト10入り。

 

 

 

 

 

 ストーンサークルの殺人/M・W・クレイヴン 東野さやか訳

 

これも面白かった!

いくぶん後出しジャンケン的なところも感じられたけれど(ワシントン・ポーの名に関して)、

さあもう一度頭を整理させて犯人がわかったうえで確認&復習で読み込むつもりだったのに、

図書館から予約本が届いたと通知が入り、

その届いた予約本というのが前出の「ザリガニの鳴くところ」で、

いやぁ、滅多にない強作2連続で出会いの形としてはとてももったいない。

最後の最後まで犯人に気づかなかった!

生きているような気がする。

今後どこかで登場するようなことになるのか。

しっかしみんな頭いいなぁ。どうしてこんな話書けるんだろ。

 

 

 

 

 断片的なものの社会学/岸政彦

 

「図書室」があまりにも好みだったので(これも続けざまに読み返し、図書館に返却後書店で購入した)、

こちらの本を借りてみた。

読んでみて、ああ、「図書室」のラストを自分なりに理解できた。

次もなにか一冊読んでみたい。

 

 

「ザリガニの鳴くところ」にすっかりやられてしまって、

続けざまに読み返すのにはちょっと心の休憩が必要だなと、

まるっきり違う世界の風を頭に入れようと、

「ゴールデン・リバー」・という映画を観てしまった。

 

 

 

ゴールデン・リバー

西部劇である。全くをもって畑違い、未知との遭遇。

左上の俳優を知っているというだけで。

ジョン・C・ライリーというそうで(本当固有名詞は気にしない性格です)、

「マグノリア」で警官役で出演していた。

が、これがこの映画面白くて、そっち行くだろと誰もが思う方向に話は進まないのだ。

で、原作ってあるのかと調べてみたら「シスターズ・ブラザーズ」という小説で、

いくつもの賞をとっているらしい。

さあ、流れとして私はどうするでしょう。

お察しの通り、すでにこの「シスターズ・ブラザーズ」を読み始めていますが、面白くて止まらない。

ああ節操のない読み方。

ザリガニの鳴くところのあの感情と違うポケットでいくしかない。

どの本をとっても大正解の面白さです(あくまでも個人の感想です)。

 

以上、今回も17ページの6行目は登場しなかった294回目でした。

 

 


17ページ 6行目 293

2020-09-29 23:53:53 | 本 3

 

予備知識なしに書店で新刊本をぱっと買うことは滅多にないのだけれど、

一昨日迷って買わずに帰ってきた本が気になって、

今日別の書店で在庫を確認してから買いに行ってきた。

立ち読みをした、出だし、本編突入前の3ページがやけにインパクトがあり、

でもちょっと凄惨な場面が生々しくて尻込みしてしまったのだ。

が、気になる。

外していませんように。

早く読みたいのだけれど図書館本が控えていて、

まずはそちらを読んで返却しないと次へ進めない。

ストーンサークルの殺人/M・W・クレイヴン 

ああ、面白い本でありますように。

 

今日も17ページの6行目は省略してぱぱぱっと。

 

 

 

 兄の終い/村井理子

 

どこかで紹介していた文を読み借りてみたのだけれど、

小説かと思いきや著者村井さんのほぼノンフィクション。

疎遠というよりほぼ絶縁状態のお兄さんが亡くなったと警察から深夜連絡がはいる。

身内と呼べるのは村井理子さんだけ。

宮城県の警察に元妻の加奈子ちゃんと一緒に遺体の引き取りと火葬、諸々の手続き、住居の始末をしに行く。

なぜ元妻が登場するかというと、上の女の子は元妻のもとに、下の小学生の男の子の親権は亡くなった兄になっていて、そちらの問題も解決しなければならない。

湿っぽい話でも恨みつらみの話でもなく、

いかに数日の間にすべてをやり終えたかの記録とともに、

これは村井さんの後悔の浄化というか、村井さんにとってはとてもプライベートなことだけど、

書くことによって弔い、前を向けたのではないかと読後感はよかったです。

で、もっと率直な感想はというと、私も荷物整理をしなければならないなと。

夫の実家の後始末を数年前にしたけれど、

それはそれは、あれは経験者はわかると思いますが、

老夫婦が何十年にもわたってため込んだものというのは凄まじく、

同じことを私の娘にさせたくはない。

せめて自分のもの家のものは自分の手でできる限り減らしておかなければ。

と、今、家にあるものを三分の一は捨てるぞ計画邁進中です。

 

 

 

 

 火の柱 上/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 

きた、ついにきた。

事の始まりは書店で目にしたこのエリザベス・チューダーの表紙。

エリザベス・チューダー、つまりエリザベス女王で、今の女王はエリザベス2世。

上中下3冊だったので尻込みし図書館本を予約、

順番がまわってくる間に、大聖堂三冊、大聖堂果てしなき世界三冊を読み終えた。

この火の柱は「続編」となるらしいので、とりあえず読んでおけば間違いないかと。

 

で、なぜエリザベス・チューダーの表紙に飛びついたかというと、

私この時代の話が好きなんですね(笑)。

歴史は全く詳しくないのだけれど、

リチャード三世からこのエリザベスまでの流れだけは珍しく知っていて、

エリザベスの父ヘンリー8世は6人王妃のうち二人を斬首(一人はエリザベスの母アン・ブーリン)、

三人を離縁、6番目の妻キャサリン・パーだけは生き残ったというより先にヘンリーが亡くなった。長生きしていたらこれまたどうなったのか。

ちなみに6人のうち3人がキャサリン、二人がアンという名前となっていて、

いやぁ、そこらへんもヘンリー8世にインタビューしてみたい。

ちなみにヘンリー8世は身長188cmほどあったそうで、

あの蛇のような目にあの大きな体、目の前に立たれると迫力というか恐怖だったろうな。

 

 

 

 

Henry-VIII-kingofengland 1491-1547.jpg

ハンス・ホルバインが描いたヘンリー8世の肖像画。

これが描かれた時期を調べてみたら1536年~1537年で、

エリザベスの母アン・ブーリンが斬首されたのが1536年。

ちょうど時期が重なります。

なんだかリアルだ。

 

この頃はすっかり肥ってしまってますが、若き日のヘンリーはスポーツ万能、頭脳明晰、

音楽も踊りも得意、ちなみにいまでもヘンリー作曲といわれる曲が残っています。

 

 

 

話の先がどの方向に進んでいるんだ?

軌道修正して本の話に戻らなければ。

で、火の柱の上巻だけをまず読み終えたのですが、

グループ分けというか、話の進行が国ごとに分かれていて、

イングランドではエリザベス・チューダーが女王になるところで終了、

フランスではメアリー・ステュアート(表記そのまま)が結婚&アンリ2世の死去、

スペインでも話は同時進行で、歴史上の登場人物の名前を把握していないとこの本はきつい。

いやぁ、過去に読み漁っていたのが今となって役に立ったとは(笑)。

ただ宗教、カトリックとプロテスタントとなると困ってしまう。

どこまで食らいついていけるか。

中巻はいつ届くのだろう。

 

 

 

遅くなったのであとは読み終えた本だけ載せておきます。

 

 

 火を喰うものたち/ティヴィット・アーモンド 金原瑞人訳

 

 

 神に頼って走れ!/高野秀行

 

 

 

 泥酔懺悔/朝倉かすみ、中島たい子、瀧波ユカリ、平松洋子、室井滋、中野翠、西加奈子、山崎ナオコーラ、三浦しをん、大道珠貴、角田光代、藤野可織

 

 

以上、なんだか書き足りない欲求不満の残る293回目でした。

 

 


17ページ 6行目 292

2020-09-09 23:55:55 | 本 3

 

今日も暑い一日でした。

ただ座って本を読んでいるだけなのに汗だくになるのは何故なんだろう。

この夏の私の汗量はすごいことになっていると思う。

あ、なんかパソコン挙動不審。

パソコンも暑さでまいってしまっているのか(笑)。

効果あるのかないのかわからないけれど、

パソコン(ノートパソコン)の左右上部の裏にドアストッパー(三角形の)を置き、

机との間に隙間というか熱逃がしを施していますが、どうなんでしょね。

キーボードの奥が持ちあがり斜めに傾斜するので打ちやすくはなりましたが。

 

では今回も6行目は抜きで読んだ本を簡単に。

 

 

 

 

 特捜部Q━知りすぎたマルコ━上/ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫訳

 

 

 特捜部Q━知りすぎたマルコ━下/ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫訳

 

シリーズ5作目。

ああ、ついに読んでしまった。

相性というものがあるとすれば、私とこの特捜部Qシリーズはすっごくいいのだと思う。

シリーズものを続けて読んでいると、中だるみ(私の中で)や飽きみたいなものが生まれてくるのだけれど、

このシリーズに関してはそれがないし、

カール、アサド、ローセがどんどん好きになってくる。

もったいないのはわかっているけれど、今回は先を知りたくてがんがん猛スピードで上下巻よみまくった。

大丈夫、この先2回3回読み返して楽しめるし。

なかなか何度も繰り返し読んで楽しめる味わえる本って私の場合少ないし、

そういう本が手元にあるということはこれは財産だと思う。

ある程度の年齢になるまでにそういう本をどれだけ増やせるか。

棺桶本と呼んでいますが、あの世に持って行きたいほど好きな本。

あ、でも納棺するとき本ってダメみたいですね。

あの世に持っていく本を10冊選べといわれたら、このシリーズは絶対はいります。

 

 

 

 

 二流小説家/ディヴィッド・ゴードン 青木千鶴訳

 

 

 

 クリスマスに少女は還る/キャロル・オコンネル 務台夏子訳

 

 

相性がいい本に対し上の二冊は相性が悪いというか読み進めるのが大変で、

何日も何日も進まず斜め読みに飛ばし読み、

要所要所を拾い読みでどうにか読了。

評判が良いらしい本に苦戦すると、自分の読解力とか感受性大丈夫かと不安になります。

文体とか進め方とかに関係なくなんでも受け入れられる読み手になれればいいのだけれど。

 

 

 

 美しいものを見に行くツアーひとり参加/益田ミリ

 

書店で一発一目惚れのタイトル買い(笑)。

だってそのものじゃない、私のために書かれた本よ(笑)。

って、そう思ってこの本を買う女性が日本中にどれだけいることか。

「美しいもの」「見に行くツアー」「ひとり参加」だもの(笑)。

そうか、いいんだ、ひとりでツアーに行ってもみたいな後ろから背中を押すというより、

うんうん頷いてくれるような本。

だからここに書かれている場所に出かけていきたいとかのガイドではなく、

行きたいところへひとりで行ってもいいんだと、当たり前のことなのだけれど再認識。

早速私の行ってみたい美しいもののツアーを検索してみたけれど、

あ、コロナだったわ、時遅し。

フィヨルドでしょ、スコットランドの荒涼とした丘でしょ、東欧も美しそうだし。

あと身近なところで山のツアーもいいかも。

私運転しないので登山口までたどりつくことがまずは難関なのだ。

以前なら年配女性と一緒に団体行動をするなんて(何を話していいのやら)考えられなかったけど、

今では私も立派な年配女性の一員だ!

雰囲気を悪くしない範囲であれば無理に人と話さなくてもいいのでは?

事前に考え込むよりまずは一度体験してから考えればいいんでない?

足腰いけるうちに探してみるのか。

ってこちらもコロナがどう影響しているのか調べてみないとわからないけれど。

たった一冊でどばーっと目先が広がった感じ。

 

 

 

 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと/花田菜々子

 

タイトル借り。

出会い系サイトといってもH系なサイトではなくて、

どんな本がでてくるのか興味をもって借りてみたのだけれどちょっと違っていた。

菜々子さんは私にはどんな本をすすめてくれるのだろう。

なんて。

 

 

以上、292回目でした。

 

 

 

 


17ページ 6行目 291

2020-08-19 23:32:32 | 本 3

 

今日は暑かった。

34.3℃まで上がったそうで、札幌としてはすごい気温かと。

 

さて17ページシリーズの日ですが、17ページの6行目は今回も省略。

読んだ本をざざっと載せていきます。

 

 

まずは前回読んだ大聖堂の続編3冊。

 

 

 大聖堂 果てしなき世界 上/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 大聖堂 果てしなき世界 中/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 大聖堂 果てしなき世界 下/ケン・フォレット 戸田裕之訳

 

 

前作大聖堂から200年後のキングズブリッジが舞台。

前作の登場人物の子孫が登場するも、前作未読でここから読み始めてもOK。

エドワード2世の時代の話だというので結構期待していたのだけれど、

その時代の話というだけでエドワード2世が直接話に絡むことなくちょっと残念。

エドワード2世って違う方面でちょっと有名な王で、

見かねたイザベラ王妃が愛人とクーデターを起こし王を幽閉、

ここからが嘘なのか本当なのかあれですが、

肛門(わお)に焼火箸を突っ込まれ拷問死。

昔読んだ英国歴史本でエドワード2世肛門と強烈にインプットされてしまい、

今回どう出てくるかと、前回がエロス、バイオレンス、サスペンスでしたから、

ケン・フォレットさんどうするのだろと読み進めたのですが、出てこず残念。

長く分厚い3冊でしたが、前作と似たパターンで新鮮味に欠けたかな。

悪人は徹底的に悪く、最後に善は勝つ大団円。

次作火の柱3冊予約いれてあるけれど、さらに新鮮味に欠けていたらどうしよう。

 

 

 

 

 朗読者/ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳

 

寝付けない夜、今まで読んだ本を頭の中で思い起こしたり、あらすじを辿ったり、

あれはどういうことなのだろうと振り返り考えたりするのですが、

そういう夜にこの本は何度も登場する本で、

一度読み、映画も観(邦題はがっくしな題だったけど)、今回再読。

あらすじが気になる方は検索するとたくさん出てきますのでそちらを参考に。

今回は丁寧に読み進めたつもりだけど、これだという答えが見つからず。

どこまでも迷路のような本です。

きっといつかまた読み返すと思う。

 

 

 

 ブックショップ/ペネロピ・フィッツジェラルド 山本やよい訳

 

先に映画を観て、その色彩があまりにも美しかったので原作を読んでみた。

映画でもその不条理さにやるせなさや怒りや憤りを覚えるのですが、

原作は映像がない分さらに不条理度アップというか、映画よりひどい結末。

大聖堂のような勧善懲悪にはならず。

もう一度読んでみる気になっている本。

 

 

 

 

 クージョ/スティーヴン・キング/永井淳訳

 

キングだキング!

ずっと昔に買ったはいいけど最初の数ページで気乗りせず置いてしまった本を読了。

奥付を見ると、平成三年四月五日 六刷となっている。

そのころに買ったのだから、28~29年近く眠っていたということか。

キング特集の雑誌で浦沢直樹氏がこのクージョのことを取り上げていて、

それで長い眠りから現生に呼び戻したのだけど、

いやぁ、久しぶりに恐怖のキング作品でした。

真夏の40℃の炎天下に故障した車に閉じ込められた母と幼い息子を襲う狂犬病のセントバーナードのクージョ。

オカルトもホラーもスーパーナチュラルもでてこないキング本は久しぶりのような気がする。

二人は助かるのか。助けが来るのか、立ち向かうのか。

ラストはそっちに行くのかと少しの驚き。

この夫婦はどうなるのだろ。

狂犬病にかかった犬に襲われるということに目が行ってしまうけれど、

主要登場人物の設定心理描写はうまいなぁ。

 

 

 

 

 ライディング・ザ・ブレット/スティーヴン・キング 白石朗訳

 

クージョでキング波がざぶん。

実はこれでこの本は三度読んだことになる。

キングの小説のベストとか傑作選とかおすすめとか閲覧しても、

この「ライディング・ザ・ブレット」はまず出てこないし、

ブック〇フで100円で棚の隅にあるのを見かけると、ううっと悲しくなってしまうほど、

どういうわけか好きなんです、この本。

クージョとは違う、なんというか読後にやってくる肯定感。

決してハッピーエンドというわけではないのだけれど。

キングの子供時代がきっとベースになっているのだと思う。

次もキング本を読みそうだ。

 

 

ああ今日は長い。

 

 

 

 図書室/岸政彦

 

これは好きだ。図書館本なのだけれど、繰り返し2度も読んでしまった。

買うな、文庫化まで待つか、単行本を買うか思案中。

かなり好きな手ごたえなので、岸政彦氏をいろいろ検索しているうちに、

キングのITが暗記するほど大好きだという記事を見つけてしまった。

納得。なんだかこの本を読んですごくわかる気がする。

これも終わりはそっちに行くのかという、

そっちにいったからあの独特な読後感を得られるのかと。

なんかすんごく好きだな、この話。

 

 

この他にあと2冊読んでいるのだけれど、もうやめにします。

ああ書いた書いた、久々に長々と勝手に書かせてもらいました。

 

 

 

 


17ページ 6行目 290

2020-07-19 23:10:10 | 本 3

 

17ページ6行目といっても今回も6行目は抜きですが…。

 

先日寄った書店の平積み本の表紙にエリザベス・チューダー(テューダー)を見つけた。

 

 

 

火の柱 上

エリザベス・チューダー(テューダー)とはヘンリー8世の次女、母はアン・ブーリンで、

のちのエリザベス1世である。

このヘンリー8世の父7世の頃からジェイムズ6世(イングランド王としてジェイムズ1世)までの話に興味があって、

一時のめり込んで関連本を読んでいたことがあった。

スコットランドのメアリ・スチュアートの本も読みたいのだけれど、

(ドラマ化されたのを数本観たがあれはなんだだった。映画も何本か観ている)

複雑なのとメアリ・スチュアートの行動がどうも理解を越えていて、

いつも図書館の分厚い本の前でダルマさん化してばかり。

 

で、この書店で見つけた「火の柱」は上中下と3巻もあるのだけれど(しかも厚い)、

そこにエリザベス・チューダーとメアリ・スチュアートが登場するらしい。

あの時代が舞台になっているらしく、

「買って帰るか」と思ったものの外したら3冊は痛いし、

帯に「大聖堂の正当なる続編」と書かれてあり、

これはその大聖堂なるものを読んでから挑んだほうがいいのかと買わずに帰宅。

図書館に「火の柱」3冊予約をいれ、大聖堂3冊を借りてみた。堅実派だ。

この大聖堂は1991年に日本でも出版されており、全世界でベストセラー、ドラマ化もされている小説なのだそうだが、

ケン・フォレットという作家も大聖堂という小説も私には初耳。

 

 

 

 大聖堂 上 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳

 大聖堂 中 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳

 大聖堂 下 /ケン・フォレット 矢野浩三郎訳

 

 

いやぁ長い厚い。3冊で計1812ページ。

12世紀のイングランドのキングズブリッジという架空の都市(といっても小さな村)に大聖堂を建設するという話。

もっと取っつき難い話かと思っていたのになんのその、

実に読みやすくわかりやすく、エロス! バイオレンス! サスペンス! と飽きさせない。

そう、最初に書いておきますが、エロい場面が多々多々でこれは官能小説かと思ってしまった(笑)。

私の読む本にはあまりこういうシーンが出てこないので、なんだか臨時収入か。

 

エロは置きまして、

宗教・キリスト教の教えとか考えとか絡んでくるとどうもよくわからないことが多い。

それはそうと感じて読むしかない。

地図にしても、今はドーバー海峡挟んでフランスと分かれているけれど、

昔はノルマンディーもブルターニュも領土だったわけだし、歴史の復習にもなった。

 

しかし、作者があとに書いているのだけれど、

当時の建築家は鉛筆も紙もなく、モルタルを引っ掻いて図面を書き、

職人は平方根の何たるかを知らず(私もすっかり覚えていない)、

経験からその割り出し方を会得し、使う道具はせいぜい木槌や玄能などのハンマー類、

のみとたがね、斧、のこぎりぐらいで作ってしまっていたのだから、もうあんぐりしてしまう。

パソコンもなければ精密器具などもなく、

それであんな大聖堂(サンドニ大聖堂やカンタベリー大聖堂)をつくってしまうのだから、

人間の知恵や知識・経験というものはすごいぞと感嘆してしまう。

エロ、建築、そして人間ドラマがやってくれる。

悪い人、嫌や奴、クソ(失礼)な人は徹底的にクソで、

これが最後にひっくり返るところが池井戸潤氏っぽいかな。

こんなに分厚いのだけれど、がっつくように読んでいました。

古い新潮文庫本でしたが、ソフトバンク文庫で新しく出ているようです。

ちなみにこの本の原題は訳すと地の柱だそうで、火の柱と呼応しているか。

 

この「大聖堂」がなかなか面白かったので、

勢いで「大聖堂 果てしなき世界 上中下」に手を出してしまったのだけれど、

上巻の序盤で躓いてしまっている。

なかなかどうもノリが悪いのだ。進まない。

大聖堂から約200年後のキングズブリッジが舞台、

きっとこのケン・フォレット氏はやってくれるのだろうけれど、

回転しはじめるまでに結構労力いりそうな。

 

さぁ、今夜も眠る気まんまん。

以上17ページシリーズでした。

 

 


17ページ 6行目 289

2020-06-29 23:59:59 | 本 3

 

不条理とは

【不条理】 すじみちがきちんと立たないようす。道理にあわないようす。「━な言い分」

手元にある新選国語辞典にこのような説明がのっていました。

ここ最近、不条理な本や映画にあたってしまう回数が多く、

もやもやというよりやるせなさというか、

パンチ食らわせてやれーと思うことが多く、

私としては読後感はすきっとするほうが好みです。

 

 

では簡単に前回から今日までの間に読んだ本を。

 

 

 

 探検家とペネロペちゃん/角幡唯介

 

角幡さんの本が好きでエッセイもノンフィクションもほとんど読んでいるのですが、

角幡さん徹底的に親バカ全力で親バカ、一冊仕上げてしまっている。

図書館本だから笑えたけれど自分で買った本ならどうだったろ。

 

 

 

 記憶の盆をどり/町田康

 

 

久しぶりに読む町田さんの短編集、不条理本でした。

付喪神をまた読めたのは嬉しかったけれど、あれはやはり絵のある絵本版のほうがいいかと。

 

 

 

 

 骨を弔う/宇佐美まこと

 

犯罪の裏に不条理あり? タイトルの骨に反応して読んでしまったけど。

 

 

 

 

 オスロ警察説人捜査課特別班 フクロウの囁き/サムエル・ビョルク 中谷友紀子訳

 

前作アイム・トラベリング・アローンのときも感じたのだけれど、

詰めが甘いというかすべて回収されておらず、

大半が主人公のトラウマと会話で都合よく一冊終わってしまった感じ。

残酷さ猟奇的かつ派手な展開にすればすべての読み手が喜というわけではない。

オランダの書評サイトで賞をとっているそうで、

OKな人も多いということなんでしょが、私は躊躇うな。

そこまで緻密にできているわけでもないし。

第三作も昨年上梓されたということで、次作に進むか考えるな。

イラつきながらとどめの一冊を求めて読んでしまいそうでもあり。

一作目は班長ムンクの孫が誘拐され、

二作目は班長ムンクの娘が被害者に、これだけでもありえんだけど、

そういうことをフィクションの世界で突っ込んではいかんのかな。

三作目はムンクの元妻か。あ、いけない、いけない。

 

 

 

 

 償いの雪が降る/アレン・エスケンス 務台夏子訳

 

タイトル買いはしないな、このタイトルだと。

でも中は面白かった。私のなかではかなりのヒット本。もう一度読み返したい。

不条理なことがどーんと詰まっているのだけれど、最後はよかったねと心の靄が晴れる本。

奇抜なことはなく、登場人物のキャラや人間関係の物語でもあり、

大した予備知識もなくこういう本にぽーんと当たるのはかなりラッキーなのでは。

 

 

 

 

以上、6行目が一度も出てこなかった289回でした。


17ページの忘れもの

2020-06-19 23:46:46 | 本 3

 

もう少し早い時間にパソコンを起動し、

時間に余裕を持って投稿すればいいのはわかっているのだけれど、

いつもぎりぎり焦って事を進めるから後からあちゃーと気が付くことが多々あります。

 

前回の17ページシリーズで登場した武田百合子さんの本。

 

 犬が星見た ロシア旅行/武田百合子

 

このとき書きたいことが二つあったのにすっかり忘れてしまっていて、

さきほど「あちゃー」と気が付いたわけです。

今回はその二つを書き記しておこうと思います。

 

この本は武田さんご夫妻が昭和44年6月10日~7月4日までのロシア旅行記。

ヤルタに向かう途中マイクロバスの運転手が話した話の部分を読み、

まさかの泣きがはいってしまった。

その部分をそのまま抜粋して書き写すと、

 

 ━━三頭の熊が、棄てられた小さな女の子を育てていた。娘に成長しても仲よく暮らしていたが、或る日、人間の青年に出会った娘は、熊のもとから青年と逃げ出し、この海岸から船に乗った。追いかけてきた熊は海の水を飲み干して娘を取り戻そうとした。神様がいいきかせると、二頭の熊はやめたが、一頭だけは、どうしてもあきらめず、いうことをきかないで海水を飲みつづけているから、神様は怒って山に変えてしまった。あの岬がそれだ。

 見晴らしのいい草むらの前でバスを停め「ここから見ると熊の形に見える」と運転手はみなを降ろす。

 

うちの娘が結婚したばかりで、おお、その熊って私じゃないか、

うちの娘は逃げ出したわけではないけれど、熊の気持ちは痛いほどわかる。

熊もつらいよな、人間もつらいよな、せつないよね。

私もいうことをきかないで海水を飲みつづけていた派かもしれない。

 

気になったのでこの岬のことを調べてみると見事に熊が海に顔をつけ海水を飲んでいる形の山というか岬の画像を見つけました。

おそらくこれだと思います。

 

 

もうひとつはというと、

グルジア(ジョージア)の女性はとても美しく、みんなエリザベス・テイラーみたいだと書いてあり、

ここでも「おおっ、そうだエリザベス・テイラーに似ている」とおもったのが、

カティア・ブニアティシヴィリ

数年前にシューマンの幻想曲を動画で聴き比べをしていた時結構感激し、

以来ファンとなっております。

シューマンの幻想曲のころはまだそこまで肉感的ではなかったけれど、

今は聴くより目が目が目がという感じで、

これはどこを見ていればいいのやら。

またそこのところを彼女もしっかり心得ていると見え、

そこのところを楽しんでもいるようなスタンスも結構私は好き。

そんな彼女の小曲を。

 

 

 

Vagiorko mai _ Don't You Love Me あなたは私を愛していないの?

 

旧グルジア(ジョージア)の民族音楽をカティアさんが編曲。

ピアノは電子楽器と違い、打鍵のしかたで音色がいろいろ変わるわけです。

彼女は真綿に包まれたような繊細な音もゴディバのチョコレートのような濃厚さも自由自在。

見事に制御しつつあの表情にあの肉体にお召し物。

確かにエリザベス・テイラー、眉と赤い唇、黒いカールした髪が酷似かと。

 

ちなみにこの本の中でワインが何度も出てきます。

ジョージアワイン、飲んでみたかった。

いつの日かワイン・イン・サッポロが開催されますように。

 


17ページ 6行目 288

2020-06-09 23:04:04 | 本 3

 

タイトルとまったく関係のない話ですが、

1日に数回チェックしているサイトがあります。

 

100㎞歩こうよ大会in摩周湖・屈斜路湖

 

今年出場するつもりでいたマラソン大会&長距離ウォークの大会はコロナの影響をうけ、

早々に中止を発表していますが、

この100㎞歩こうよ大会だけは中止を表明していないのです。

本来の開催予定日7月3日~5日は延期。

この日はやらないけれど、状況を見てできるならば後日やろうよというスタンス。

大会を開催するか、今年は中止とするか、はっきり決定となるのが6月上旬の目処。

まさに今日明日明後日が線引きかと。

出たい。歩きたい。皆さんにお会いしたい。

気持ちだけの私と違い主催者側にはいろいろ考え配慮しなければならない事柄が山ほどあるでしょう。

日に何度も心拍数上げながらクリックしています。

中止だったらどうしよう、開催だったらどうしよう。

とりあえず鍛えるだけは怠らず、三角山をぐるぐる上り下りし発寒川を走っています。

すでに膝から下はいい色に焼けているし(笑)。

 

ついでにもうひとつタイトルとは関係のない話を。

先週の金曜日は娘の挙式予定の日でした。

コロナでキャンセル。

沖縄だったのよ。消えてしまった。かわいそうに。

まあ娘たちだけではなく、日本全国世界各地でいろいろなことがおこっているけれど。

ああどんどん話が逸れていくので止めた。

 

では本来の17ページシリーズをざざっと。

 

 

 

 特捜部Q-檻の中の女ー/ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田奈保子訳

の役職を与えるんだね?」

 

再再再読。3回目だけどまだ味わえるスルメのような本。

ウラ・イェンスンの住居を突き止めてから先は読後さらに読み返した。

で、3度目にしてわかったのが課長のヤコブスンがそこまで嫌な奴ではなかったということ。

思い込みですっかり嫌な奴に決めつけていた。ヤコブスンさん、悪かった。

 

で、私そんなにテレビを観るほうではなくて、でもコロナ禍テレビを観る機会がどんと増え、

流れたCMを見てぐへっと驚いたのが「特捜9」!

特捜9と特捜部Q。その因果関係は、影響力は。

これってまったくの偶然、無関係なの?

 

 

 

 犬が星見た ロシア旅行 武田百合子

 甲板に出ると、赤い上衣のユニフォーム姿の日本人男女が双眼鏡で陸地らしい方角を眺めてい

 

だいぶ前に読み上げていて載せるのをすっかり忘れていました。

ベトナム人に何度も間違えられていたのがやけに心に残ってしまった。

そういえば私の友達にもベトナム人っぽい感じの人がいるし、

夫も東南アジアの人っぽいか。

 

 

 

 

 足と靴の科学/(株)アシックス スポーツ工学研究所

 

なんとなく読んでみた。

 

 

 

 惚れるマナー/大下一真 小島ゆかり 柴崎友香 島本理生 松井孝典 松任谷正隆 ねじめ正一 野沢直子 湯山玲子

 

アンソロジー本は意外な人との出会いを与えてくれる。

野沢直子さん。

私の世代の人ならば、過激とかあまり品がない(失礼)とかサル姿とか思い浮かぶのでは。

今回初めて彼女の書いた文章を読んだのですが、意外。

偉ぶるでもなく悪ぶるでもなく賢ぶるのでもない。

あの野沢さんがこんなこと書くのかと、さっそく彼女の著書はなにがあるのか調べてしまった。

この惚れるマナーのなかで一番気になったので、もう一冊読んでみよう。

 

 

以上、雑でごめんな288回でした。


17ページ 6行目 287

2020-05-19 23:18:18 | 本 3

 

ああ本を買いに行きたい。

古本屋さんへブック〇フへ行って、ひたすら背表紙と見つめあいたい。

掘り出し物の一冊をゲットしたい。

ああもう何か月古本屋さんやブック〇フへ行ってないのだろう。

空調悪そうでセキが出るのが怖いし(わたしはセキがすぐでる体質だ)、

行って5分で出てこられるわけがない。

書店なら何回か行ったけれど、欲しい本があるとは限らない。

古本屋さんで「おお!」な一冊を発掘するのがなにより楽しいのだ。

 

図書館もいまだ休館中。

過去に予約していた本が続々と届いているようだけど、

休館中なので取り置きのまま。

休館解除後いったい何冊の本を一気に抱えこむことになるのだろう。

図書館の電子図書という手もある。

これなら休館中でもPCで読むことができるけれど、

書籍数が少ないのと、本はやはり紙が好き派なので手を出さずにいる。

アマゾンでぽちっとしようかと何度も思ったけれど、

いや、自粛生活が解除されるその日まで待とうではないかと人差し指にストッパーをかけている。

解除されてもあの空間は場所によっては密だし空気悪そうだしだれが触ったかわからないし、

今までのようにほいほい気軽に行けるかというと、ちょっとためらってしまうかな。

 

 

では読んだ本をざざっと簡単に。

 

 

 

 

 翼がなくても/中山七里

「嫌!」

 

タイトルがベタだなと思ったけれど義足ランナーの話だというので借りてみた。

で、どうして走りの話に殺人事件を絡ませなければならないのかイラついたのだけど、

そういう経緯で義足の代金がでたわけだと最後にわかった時、

帯に「どんでん返しの先に涙のラストが待つ切なさあふれる傑作長編ミステリー」と書いてあるけれど、

私としては逆に嫌な思いがじわーっときたのだけれど、

これって私の性格が歪んでいるのでしょか。

(感動の声続々!とも書いてある。同じに感じなければまずいか!)

 

 

 

 

 特捜部Qーカルテ番号64-上/ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫訳

「自分であいつに訊いてみるといい」カールはそう言うと、空港で”爆弾”という言葉を口

 

 

 特捜部Qーカルテ番号64-下/ユッシ・エーズラ・オールスン 吉田薫訳

か?

 

いやぁ面白かった。下巻はほぼ一気読み。

ラスト100ページはスピード出しすぎでもったいない読み方をしてしまい、

あとからもう一度自制しながら読み直し楽しもうと考えています。

内容は今回も酷なのだけれど本って面白いぜと推したくなる一冊です。

 

さらに熱く語りは続くのですが、

ーカルテ番号64-は私にとって特捜部Qシリーズ突破口的な作品なのです。

北欧ミステリで「特捜部Qは面白い」という口コミをいくつも読み、

数年前に書店でシリーズ1作目のー檻の中の女ーを買ったのですが、

これが合わなかった。

カールのアクの強すぎる度大なキャラとアサドのセリフの言い回し、

事件の複雑さと緻密さにアタマも気持ちもついてゆけず、

正直買って損をしたと投げ出してしまったわけです。

その後見向きもせず、

古本屋へ持っていくか図書館へ寄贈するか処分するかしか道は残っていなかったのですが、

数年後、ひょっこりWOWOWでシリーズ4作目ーカルテ番号64-(映画)をやっているのをみつけ、

何の気なしに観てみたら、これが滅茶滅茶面白かった。

 

 

 

いい。アサドがいい。カールがいい。嘘だ、面白いではないかと。

で、アタマのなかでこの二人を動かしながらー檻の中の女ーを読み直してみたら。

許せる、カールのあのアクの強さもアサドの妙な言葉使いも全くOK、

いやだ、どうして私この面白さを理解できなかったんだろう、

この先えらい損をするところだったと、ころっと考えが一転。

 

で、今回は映画の原作であるーカルテ番号64-の小説を読んだのですが、

これまた映画と話が違っていて、なにこれ一度で二度美味しい仕組みじゃないと感激。

おすすめします、特捜部Qシリーズ。

タイトルベタだけど心配なし。

シリーズ4作品読み終えたけれど、

ー檻の中の女ーとーカルテ番号64-が1位2位を争うかな。

5作目を早く読みたいのだけれど、手元にない。

ちょっとカールが下品になってきたのが気になるけれどキングほどではない(笑)。

 

 

 

 

 グアテマラの弟/片桐はいり

た。

 

再読。

これは穴本というかいい本です。

手元にある本を10冊だけ残しその10冊だけしか死ぬまでの間読めないとしたならば、

この本は10冊の中の1冊に選ぶな。

5冊くらいはぱぱっと浮かぶからきっと私はこの5冊は断トツ好きなんだと思う。

あとの5冊はというと直感ではなく後悔しないようにとことん考え込みそうな。

そういえば片桐さんは先日観た番組で「今直感を鍛える訓練をしている」と言っていた。

真似をしよう。

セブンでパンはもう迷わない。

彼女は本当味のある素敵な人でいいなぁと思う。

で、前回読んだ時には特に感じなかったラストの1ページに今回は胸が崩壊してしまった。

おすすめします。

その後片桐さんの4冊目の本は出ていないようだけれど、もっともっと書いて欲しい。

どうやったらこの気持ち伝わるんだろ。

 

いやぁ、片桐さんといい特捜部Qといい、なんだか熱く語ってしまった。

 

以上、熱いときもたまにはある287回目でした。

 

 


17ページ 6行目 286

2020-04-29 23:43:43 | 本 3

 

しばらく放置していたこのシリーズ。

家にいる時間が長く本を読む時間がいっぱいあった。

いっぱいあったのに冊数はほんの少し。

なぜならば、キングにえらい時間がかかってしまったのだ。

待望のキングだったのに進まない進まない。

投げ出してしまうと私とキングとの関係が崩れてしまいそうだし、

ファンとしての意地というか抱く想いもあるわけだし、

ああ、慢性肩こりみたいなキング本でした。

 

 

 心霊電流 上/スティーヴン・キング 峯村利哉訳

「そうそう。ボールを転がしてバットに当てないと、攻守を交代できないんだよ。少年、君の名

 

 

 

 心霊電流  下/スティーヴン・キング 峯村利哉訳

ようとする小学生みたいだった」

 

いつものキング本のような二段組ではないのだけれど長い長い。

ぐだぐだのキング節は少ないのだけれど、それでも長かった。

帯にかかれているような絶対恐怖もそれほどでもないし(私の感受性の問題かもしれないが)、

悲しみと恐怖で心は破けなかったし。

ところどころにやっぱりこれはキングだなはあったけれど、

昔の、以前のようなキングを読むときのわくわく感がどんどん薄れていくのは私のせい、

それともキングと時代のマッチングのせい?

ただ今回は邦題が個人的に気に入りました。

心霊電流。中田ヤスタカっぽいぞ。

原題はREVIVAL、復活ですね。

このごろREのつく言葉を目にする機会が多い。

ちなみに恒例というか、

 

 

 

 

キング本をつなげてみるとこうなりました。

図書館本。

図書館がコロナ感染防止のため休館中で、返却期日が来月で助かりました。

 

 

 

 

 国語教師/ユーディット・W・タシュラー 浅井晶子訳

っと昔のことじゃないか。君に再会するのが本当に楽しみだよ!!

 

ドイツ推理作家協会賞受賞作。

ダークホースというか、これはミステリとよんでいいのか?

残虐性も殺しも暴力もないけどミステリなのね。

構成が面白いし、語られる物語も面白い。小川洋子さんを連想してしまった。

結末はどうなるのかと期待したけれど、私としてはそっちに行くのかが感想。

これは恋愛小説だったのか?

にしても、なかなか読ませてくれる一冊でした。

 

 

 

 日日雑記/武田百合子

 子供のころ、雪が霏々と降る、という言いあらわし方を、雪がヒイヒイ声をあげて

 

何年越しだろ。数年前に買い数ページで移り気になり、そのままになってしまっていた。

この機会にと棚から取り出し読み始めたのだけれど驚いた。

ひとつは、絵画というか写真というか、見えているもの風景情景をすぱっと切り取り言語化している。

その巧みさは只者ではない。これが有名な武田百合子さんの文章なのかと感嘆。

驚き二点目は、これはどこかで読んだことがある、川上弘美さんの書く文にそっくりなのだ。

そうか、私の大好きな川上弘美さんの「東京日記」は武田さんの「富士日記」のオマージュだったのかと気が付いた。

 

 ある日。

 一億円を拾った大貫さんが、久しぶりにテレビに出た。大貫さんの家には、大貫さ

んの家にありそうだなと納得のいくもの(大貫さんが好きそうなもの飾りそうなもの)が、

全部飾ってあった。例えば、イタリア産の酒(藁のハカマをはいている。空の瓶)。

大理石風のテーブル。革風のソファ。金色の位牌。魚拓。私は何故か、

よその家に行って魚拓が飾ってあるのを見ると、その家の主人がいい人のような気がする。

と同時に、ちょっと、がっくりとなる。

                            日日雑記より一部抜粋

 

東京日記をご存じの方にはわかると思います。

こういうからくりだったのか。さすが川上さん。

ちなみにこちらが川上弘美さんの東京日記。お試しあれ。

本家富士日記もいずれ読んでみたい。

 

 

以上、286回目でした。