あっぷあっぷ期に突入しています。
予約を入れていた本(予約した日も順位も離れていた)がどういうわけか次から次へと順番が回ってきて、
取りに来てくださいと図書館からメールが来るわ来るわ、波状攻撃。
それもどういうわけか分厚い上下巻2組含むだし。
自分で読みたくて買った本も10冊以上横に積んであるし、
もうこんなに溜まってくると逃げというか自分で自分を追い詰めるというか、
さらに図書館で借りてきてしまう始末で、どういう神経してるやら。
川上弘美さんの東京日記に魂の救済を求めてしまってます。
いつものようにこの10日間に読んだ本(すべてではないけれど)の17ページの6行目をアタマから書き写しています。
あとは雑文です。
東京日記4 不良になりました/川上弘美
すべて真夜中の恋人たち/川上未映子
らしばらくふたりとも黙っていた。聖は何かを考えているみたいな表情をして黙ったまま何も
探検家の日々本本/角幡唯介
きる言葉なんて見つかるわけがない。駄々をこねて育児を放棄したら、それはもう家庭崩
第2図書係補佐/又吉直樹
上京して間もない頃、僕は陰気な雰囲気のためか死神や殺人者という穏やかではないニ
ハリー・クバート事件 上/ジョエル・ディケール 橘明美訳
ハリー・クバート事件 下/ジョエル・ディケール 橘明美訳
じられますか? いや、実は自分でも信じられなくて。人生は素晴らしいですよ、ハリー。で、あな
一路 上/浅田次郎
将監様が膝を回して一路に向き合った。
魂の救済、川上弘美さん。
面白い。再読? 再再読? 上手いのよ、感覚なのか緻密に考えているのか、
2時間もあれば1冊読み終えちゃうんだけれど、
息抜きの一冊にするのはもったいない粒ぞろい質のよい面白さ。
リズムがあって井伏鱒二さんの詩を思わせるほど。
でも中はもうあれですけど。
シリーズ4作すべて買い揃えたい気持ちはあるのだけれど、この2倍の容量だったら買ったかな。
文庫化されていないし、ブック○フでもお目にかかったことはない。
どうやらわたしの心の穴は、爬虫類、両生類、昆虫、などによって埋めることができるもよう。いったいいつから、こういう体質になったのだろうか……。
私の心の穴は川上さんの東京日記で埋めることができるもよう。ほんと、いつからこういう体質になったんだろ。
恋愛小説には手を出さないほうですが、川上未映子さんの恋愛小説ということで読んでみた。
ドロドロとか喧嘩とか殴り合いに嫉妬、DV満載の生々しい男女の話が登場するかと思いきや、
まるっきり逆で、語りも関西弁ではなく(主人公は長野出身だし)静かで控えめで、
『三束さん』の話し方が私の知っている人にとても良く似ていて、なんだかどきどきしながら読んでしまった(笑)。
「選ばなかったから失うのだ」とユーミンが歌っていたことを思いだしたりして、
未映子さんの書く文章はどこかなにかあったよなと思うことが多いのは何故なんでしょう。
ちょっと意外な展開が待っていて、やっぱり恋愛ものは普段とは違う心の動き方を体験するものですね。
川上弘美さんの「センセイの鞄」のような雰囲気かなと思いつつ、実はまだ読んでいなくて、
私が読んできた未映子さん本はなんだか両極端だなぁ、
激しい(テンション高いというか)のとおとなしい(静かというか)のと。
心の傷口、痛みはどちらも鋭いんだけれど。
角幡さんも又吉くんも、これも別々のリクエストだったのに同時に届いた本なのよね、
それもどちらとも、読んだ本を紹介する本で。
で、角幡さんは探検家、又吉くんはお笑い芸人とジャンルは全然違うのに、
お二人の本の中で同じ人、同じ本を絶賛していた。
それは町田康さん。わぉ!本は「告白」と「パンク侍、斬られて候」。
カブっていたのは町田さんだけだった。
あー、読みたい、早く読みたいけど我慢だな。
で、この本だったか別の本だったか記憶が曖昧なんだけど、
町田康さんがなぜノーベル文学賞にならないのか不思議だという話があって、
でもあの日本語、文体は他国の言語では表現できないから無理でしょという内容で、
えらく納得したのと、日本語って主語がなくてもいっちゃっうし、日本人ってするどいよなぁと。
あ、話が全然関係のない方向を向いてしまってますが、
こういう、本を紹介している本を読むと、さらにさらに読みたい本が増えて、
実際に買ってきてしまったし、図書館予約もぽちっと入れてしまって、あっぷあっぷはさらに続くのでした。
あ、又吉くんの「火花」が芥川賞の候補になったようで。
私は3月に予約を入れていて、今見たら順位は133番。
あと何か月かかる?
で、昨日の発表で予約が殺到したのではないかとそこらへんも見てみたら、なんと最後尾は1028番。
うわぁ。
月に1,2冊読むぐらいなら新刊で購入するんだけれどね、
私みたいに手当り次第月に2ケタ読みしていると、本代だけでどれだけいってしまうのか。
といいつつ、読みたい本を好きなだけ買い漁ってみたい。
怒涛の上下巻一組目は「ハリー・クバート事件」。
でね、上巻を読み始めて感じたのが「あれ? あれれ?」だったのね。これってとんでもない駄作?
もっと緻密で脳が絞られるようなミステリーだと思って予約を入れたのよ、私は。
でもミステリーというより、なんだかスキャンダル満載、コメディー担当もいるし、
そういえば昔ビデオで観たツインピークスを思い浮かべてしまうありさまで。
こんなに話を広げて、あちこち種をまいて収穫できるのか? もう上巻でやめてしまうかとも思ったけど、
犯人、私の読みが当たるか外れるか、そのことが気になって下巻を読み始めたら、
これが止まらなくなっちゃって、面白いというより、まぁどいつもこいつも問題ありで、
結局ご飯を食べながらも読み続け、ついさきほど読み終えたばかり。
う~ん、やられてしまったか(笑)。
ノラにしてもハリーにしても、登場人物みな強引にゴールさせちゃった気もしないでもないけれど。
連休とか夏休みとか、特に下巻は平日以外にぶつかることをおすすめします。
あ、犯人違ってた(笑)。外しました(笑)。
すっごい久しぶりの浅田さん。
ご存知の方は少ないと思いますが、私は初期の、直木賞受賞前の熱烈な浅田次郎ファンでありました。
極道ものや自衛隊ものギャンブルもの、サイン本までもっています。
で、受賞後のエッセイを読んで、ぱっと心が離れてしまった。
それでも受賞後も何冊かは読んでいますけど。
今回は時代物ということと参勤交代の話ということで、だいぶ前に予約を入れておいたのが、
さきほどの「ハリー・クバート事件」とおいかけっこのごとく図書館から届いたと連絡があり、
こんなwで上下本抱えて私の脳限界かと思いきや、
意外というかなんというか、想像していたよりも易しい本で大助かり。
だいたい時代小説というと、名前や役職、上下関係などなど、まずそこのとこから困難極まりなく、
私はメモ帳を横に、名前などルビをふって、かなり緊張して読み進めるのですが、
この「一路」では途中でメモ帳放棄、放棄というよりなくても全然いけるし、
こう書いてはなんですが、どこから読んでも話が通じる、内容がわかる、登場人物もすぐわかるで、
さらに浅田さん特有の人情話、イイモン・ワルモンがはっきりしていて、
必ず最後に愛は勝つ、正義は勝つ、藤山寛美を思い出したりもして、
いやぁ、浅田さんは心のツボ押しがうまい!
こういうのを娯楽小説っていうんでしょか。
といいつつ、実は下巻で最後に愛は勝つではなく、とんでもない残酷な結末が待っているのではないかと、
ついつい心配性な私は気持ち先走りで、あるかもしれないショックに今から心の防御態勢をとっています。
って、最後までうはうは笑って読み終えてたらこの心の防御はどうしてくれる。
下巻、すぐ突入したいけど、ちょっとハリー・クバート疲れです。
こういう時に川上弘美さんの東京日記がいいのよね。
って、本当東京日記シリーズ4冊買ったほうがいいかもしれない。
以上、126回でした。
あ~、長かった。ここまで読んでくれたかた、お疲れ様でした。ありがとう。おやすみなさい。