築地まぐろ屋3代目 豊洲市場場内からのマグロ新鮮情報

築地市場場内で40年以上のマグロ仲卸をしている、『松井水産』より、豊洲に移動しマグロの仕入れ情報、お得情報を毎日に配信

アメリカ強し!

2021-09-24 09:03:35 | Weblog
今朝のニュースで松屋の牛丼の値段が値上げになるとやっておりました。
理由はアメリカ国内の牛肉の需要が増え、原材料が高騰しているとのこと。
マグロも然り・・・

現に今が最盛期の大西洋、ボストン・カナダ産の天然本マグロ。
ほんの数年前まではそのほとんどが日本に輸入され、近海物に脂がのる前の今の時期に
脂の乗った天然本マグロとして随分と助けられたものです。
その大西洋「ジャンボ」も今年はコロナ禍の自粛生活から経済活動に舵を切り
すでに景気が戻りつつあるアメリカ市場に値で勝てず、結構な量を自国で消費していると聞いております。
同じくアメリカと国境を接し、カリフォルニア近くで養殖されているメキシコ産の養殖本マグロも
アメリカ市場の値段に日本が付いていけなくなりつつある状態。
すでに単価で500円以上、値上げされております。
コロナが脅威なのは間違いないと思いますが、こうして物流の現場にいると、この日本経済の
世界からの「置いていかれ感」をものすごく感じますね。
しかもただでさえ30年も続くデフレの真っ最中。
バブル期は日本から見て「物価が安い!!」と言っていた東南アジア諸国のように、
気が付けば欧米からは「物価の安い国」と認識され、国民の平均所得は全く上がらぬまま。
このままでは本当に、いずれ食料も海外に値段で勝てず輸入すら厳しくなる時代がきてしまうのでは??
と危惧してしまう今日この頃です。

そんな感じで今日のボストン産ジャンボは下の抑え値(最低値)も若干高めでしたが、
物が良い品物は問題なくそれ以上。
ですがちょっと魚体が大きくて脂薄めなところは残ってましたね~
「まぁそんなに悪くも無いんだけど、その値段だとお得意様に値段で紹介できないなぁ~~」
という感じ。
その平均的な下値が向こうの方が強いんでしょうね。

近海物は津軽海峡ばかりで相変わらず良い物とそうでない(脂の薄い)もの、はっきりしてます。
特に魚体の小さめなところは脂無いですね~

塩釜の旋網は今日はバチとキハダばかり。
バチもキハダも品物は良さそうでしたが、そこは旋網なんで・・・ヤケが怖いですね(^^;)





ウニの相場なんかも聞くところでは中国への輸出が値段一番出せるので、そこの値段次第で
相場が決まっていくそうです。
日本の良い海産物は海外へ。
海外の安価な食料は日本へ。。。

そんな時代が来るのも遠くないかもしれませんね・・・(T0T)