トレドで宿泊したセルコテル・アルフォンソ6世(Hotel Sercotel Alfonso VI)。トレドの世界遺産の地区のど真ん中にあり、アルカサル(軍事博物館)も近い。4つ星だが、プランを選べば、宿泊料も抑えられる上、部屋も整っていて空間にも余裕があった。
【ふらりと入った店で】
トレドの見どころの次は、食事処についてご紹介しましょう。
ミシュランのシールもいたるところに貼られていて、味よし、サービスよしの店にも行ったのですが(値段は観光地ど真ん中だけあって、ややお高め)、トレドの初日は、疲れのせいか、立て続けに不思議な店に当たってしまったので、まずはその話から。
トレドが最終目的地だと思うと、疲れがどっと出てしまい、食事をとる店を考えることも面倒くさくなりました。そこでふらりとホテルを出てすぐに看板がみえたレストランに入りました(普段だと、たとえば、地元の人でにぎわう店を探します)
店は道に面して窓が長ーく付いているにもかかわらず、ほのぐらく感じます。外側には料理名つきの料理の写真が所狭しと貼られていて、疲れた観光客の心にわかりやすく提示してくれるのです。店の入り口の囲う木枠の彫刻も雰囲気を醸し、老舗感もただよいます。
メニューは地元の特色料理のオンパレード。店の名前にある「Parrilla」はスペイン語のグリルのこと。その名の通り子豚やウサギのロースト、ウズラの焼き物など、炭火でじっくり焼いたグリルを心ゆくまでいただきました。塩気がきいてハーブとのバランスも良く、おいしいのですが、なにか落ち着きません。
たまたまだったのかもしれないのですが、やとわれた店員ががんこそうで、せっかちで戦闘的なのです。
たとえば客が帰ったあとのテーブルの片づけの最中に、店員がワイングラスを落として割ってしまいました。
日本だったら「失礼しましたー。」などといって、ささっと躊躇なく片づけるところなのですが、この店では落とした店員が、その状態になんのアクションもないまま、厨房に入っていき、次の瞬間、何食わぬ顔で別のテーブルの客のための料理を持ってきて、サーブしているのです。
割れたワイングラスはというと、しばらくたってから別のおばさんがあらわれて片づけていったのですが、それもなんだか雑。
翌日、別の店でのこと。メニューを頼むと、「本当にそれだけ?」という圧を目ににじませ、顔をくしゃっとされ申し訳ない気持ちに。たしかに旅の疲れで、食事量は減っていたのですが。
お隣のテーブルで「デザートは?」と訊かれたお客さん、明らかに最初、断りを入れていたのですが、店員に下から這うような声で「NO?」とダメ押しされ、勢いに負けてデザートを頼んでいました。料理の値段は少しお高めでした。
やっぱりマドリードから電車で30分の古都は、観光客が殺到するせいか、サービスが雑になるのか? 普段はおいしい店を見分ける私自身のセンサーが鈍っているのか?
といいつつ、トレド最終日にも最初にいった郷土料理店に行きました。ホテルからのアクセスのよさと味には、捨てがたい魅力があったのでした。
(つづく)
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