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雲南の豆腐⑥

2010-05-08 22:34:59 | Weblog
 写真は市場に並べられた「腐乳」(2008年、蒙自にて撮影)。黄色みがかった熟成「豆腐」に、唐辛子をたっぷりとまぶしてある。赤い部分をこそげ落とすと、それほど辛くない。店頭に並ぶ直前に唐辛子などはまぶされているためだ。

【豆腐乳】
 前回、ご紹介した豆腐に毛カビをつけて発酵させた「毛豆腐」を調味料に漬け込んで熟成させたものが、これ。四川、北京などで作られたブランドものから、雲南産まで、バリエーション豊富に出回っている。この章の最初にご紹介した豆腐屋では「乳腐」の名で売られていた。豆乳で作られた「チーズ」といった味わいだ。

 さて、沖縄の豆腐ようは、紅コウジで発酵させ泡盛に漬け込んで防腐しているが、雲南では毛カビ、上海などの高温の地域ではクモノスカビで発酵させた後、濃い塩分を含んだ調味液に漬け込んで、雑菌の繁殖を抑えている。

 この味わい深い食品は、雲南では、唐辛子をまぶしたり、八角、山椒、茴香などの漢方系の香辛料をたっぷりと混ぜて味付けしたりして売られていた。スーパーでは調味料コーナーに瓶詰めされて売られている。100グラムほどで4元(80円弱)ほど。豆腐より高いが、中国の人にとっては、日本の「梅干し」のような存在らしい。

 北京の「王致和」は唐辛子などは一切使用しないため、青みがかった色をし(清末の西太后のお気に入りだったらしい)、四川産のものは唐辛子が効いていて、さらに紅コウジも使うのか、赤みがかった色をしていた。市場なら豆腐屋か、味噌屋で買うことができた。

(インターネットで引くと、「腐乳」の本場は桂林や広西とある。原料は大豆、米の酒、塩、唐辛子、胡椒、ショウガ、八角、茴香、丁字<クローブ>で作られているので、雲南で見かけるものより、酒の香りが強いのかもしれない。だが、雲南で見られるのは地場産か四川産、もしくは「王致和」ぐらい。桂林産は、見かけなかった。好みの味とは違うのか、それとも販売網に雲南が入っていないだけなのかは、わからない。)                  つづく
コメント (11)
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