アオモンイトトンボは体長32mm前後、オスの腹部第8、9節が鮮やかな空色をしていることが和名の由来ですが、メスは濃い褐色をしたタイプ(下の写真の下側)と、
オスに良く似た体色(腹部第8、9節が鮮やかな空色)をした(下の写真の左側)二つのタイプがいます。・・・イトトンボは小さいのでマクロレンズで大きく撮影してみました。
千葉大学の高橋佑磨氏の研究によれば、メスの中に複数の色彩型が混在し多様性が保持されていればいるほど、オスは効率的に雌を探すことができなくなるそうです。
その結果、メスがオスから執拗に交尾を迫られるセクシャルハラスメントのリスクが低下することが確認されたといいます。
手当たり次第に交尾を迫る(セクシャルハラスメント)は、オスが持つ遺伝子の特徴でしょうが、メスが少なければ他のオスとの競争上、メスに嫌われないよう優しく慎重に迫る必要があるということでしょう。
こうしてメスに対するセクシャルハラスメントが軽減すると、交尾が安定化して集団の絶滅リスクが減少することがデータからも示されたそうです。
アオモンイトトンボは、集団の増殖性や安定性を高めるため、メスの体色が2タイプになるよう進化したのです。・・・眼にピントを合わせて。
自然界では、メスの体色が多様化することで結果的に集団が繁栄するという驚くべき進化が起こっています。・・・眼を出来るだけ大きく撮してみました。
さて、人類がさらに繁栄するために必要な進化は何なのでしょうか?・・・マクロレンズなら複眼のセルが何とか写るようです。