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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



島根県には、天然記念物で環境省絶滅危惧Ⅱ類に指定されているヒシクイが毎年100羽前後渡来します。その数は、同じ天然記念物で環境省準絶滅危惧に指定されているマガン(4000羽)よりもはるかに少ないので、見つけるには根気が必要です。

マガン(72cm)よりもやや大型のヒシクイ(全長85cm)はマガンとそっくりですが、嘴の形と色に違いがあり嘴をしっかりと見ることができれば識別できそうです。・・・正面がヒシクイ、右はマガン

ところが飛行中のヒシクイを下から見た場合、この黄色い帯を見分けるのは至難の業となります。・・・4羽ともヒシクイ

食性は植物食で、中でも菱の果実を好んで食べることからヒシクイ(菱食い)と呼ばれるようになったと考えられています。

開発や乱獲でヒシクイの日本への飛来数は減少、1971年に国の天然記念物に指定されています。また、ヒシクイよりも嘴が長く下嘴の厚さが薄いオオヒシクイという仲間がいることが知られています。

オオヒシクイは、東日本、特に新潟県の福島潟に最も多く毎年5000羽以上、西日本では琵琶湖に200羽前後が渡来してきます。

実は、島根県で越冬したヒシクイの1羽が直線距離850kmある日本海を8時間かけノンストップでロシアに渡ったことが、2010年の山階鳥類研究所の分析で明らかになっていて、オオヒシクイや他の地域のヒシクイの渡るルートと大きく外れているようです。

このことを根拠に島根県のヒシクイは、他のヒシクイやオオヒシクイとも違う、朝鮮半島に飛来する亜種ヒシクイと同種に分類されるべきという説もあるようです。

ところでガンとカモとは、英語で(Goose)と(Duck)と表記されているように、明らかに違いがあります。その違いとはカモよりもガンのほうが大きいこと、カモは魚など動物も食べますがガンは植物だけということ、カモは雌雄で羽色が違うものが多いのにガンは殆んど違わないということ、カモは年2回換羽しますが、ガンは1回しか換羽しないことなどだそうです。・・・ヒシクイが着地する下にいるのはすべてヒシクイ

参考文献:日本の野鳥590 真木広造 大西敏一著



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