大阪港の日の出と、大阪の商家での女の呼び名について、昨日の記事からのつづきです。
いとはんから御寮人(ごりょん)さんとなった女性は、<親が隠居して主人が旦那(だん)さんともなれば、御寮人さんは、ここに「お家(いえ)さん」と呼ばれる>といいます。
朝焼けの弁天町超高層ビル
<「おえはん」は、「おいえはん」のつまった(身内同士などのくだけた)呼び方で、正しくは「おいえさん」である。場合によっては「お家(いえ)」でも敬語として通じる>そうです。
大阪港と日の出
<芝居茶屋の案内に立つお茶子が、おいえさんに対して、「お家。・・・・」というと「これ、とっときなはれ」と、ポチも余分に握らすが、「おえはん。・・・・」では(失礼なやっちゃと)返事もしなかった>そうです。
<女の一生の最後にくるのは「おこひっつあん」で、文字に書けば「御後室様」、店を息子夫婦に譲って隠居するか、大旦那が死んで未亡人となった場合に呼ばれる>そうです。
<ここまでくると、いとはんから御寮人さん、お家さんを経てきた家の隠居所からじっと母屋を眺め、重箱の隅をせせるような口を利いていた>といいます。
大阪の商家の最高実力者は、だんさん(「○兵衛」さん)の御母堂、「おこひっつあん」だったのではないでしょうか。
参考文献:長谷川幸延 「大阪歳時記」