知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

希土類 レアアース…中国国家戦略の資源

2010-10-23 08:52:45 | 経済・財政・金融
希土類
読んで字の如くまれなものである。
しかし、実際はまれではなく結構土中に存在している。
ただ、抽出するのが難しいのである。

元素周期表に従って数字が増えるほど質量が重くなる。
中国では、主に2箇所で産出される。

北部、内モンゴル自治区をメイン軽希土類…ランタン、セリウム、プラセリウム、ネオジム
南部 江西省、広東省、湖南省メインに中重希土類…プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ジスプロシウム

要するに何に使われるかというと、「磁石」である。

近年のハイブリッドカーのモーターには磁石が必要不可欠。
希土類を差し止められるとこの磁石が造れなくなる訳…

中国が戦略的に出荷を差し止めて脅しを掛けてきているのだが、
中国南部の希土類は、山に硫酸を掛けて取り出しているとかで環境破壊が酷いらしい。
これについては同情の余地がありそう。
しかし、北部の方は、単純に鉱山で掘っているらしいので、こちらは明らかに意図的で国家戦略。


まぁ、アメリカでもオーストラリアでもとれるのだが
中国が1990年代から戦略的に安い価格で出荷して
他所をコスト面で凌駕してしまったのが問題であって、
コストばかりを追求した我が国にも責任があるといえるだろう。