知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

円安の必然

2022-11-25 17:45:18 | 経済・財政・金融
バブル崩壊後、長らく円高が続き、我が国の産業構造は変わらざるを得なかったわけです。
産業構造が変わったというか、円高に対応できなかった産業が淘汰されたという結果です。
高収益を維持できる企業が減り、それに寄生していた産業も維持できなくなったので、日本人全体の所得も世界水準との相対的位置が低落しました。
円高で何とか維持できたのは食材を安く輸入でき、かつ賃金水準を上げずに済んだ外食産業というところでしょうか?
平成の間でいつの間にか年収200万から400万円に喘ぐ日本人が大半になった?
アメリカニューヨークなら皿洗いでも時給2500円ですよ。
一日8時間を365日働けば700万円超えちゃいます。

賃金の話は置いといて、産業構造の変革期に倒産を極力減らすため低(ゼロ)金利政策を取り、挙げ句は量的緩和策を採用しました。民間銀行の保有する国債を日銀が買って、市中に出回るマネーを増やすというわけです。
私的には国債の日銀引受と大きく変わらないと思いますがね。
金が多く出回るんだからインフレになるでしょうという疑問があるんですが、どういうわけかインフレにならずに澄んだ。少なくとも最近まで…
ただ気付いている人はどうして株高なのかに答えを持っているでしょう。
預金しても債券買ってもリターンないし、現金で持つより株のほうが得だと思うわけです。
だからマネーは株に向いたんでしょうね。ダブついたマネーを株高が吸収したんだと考えます。
円の絶対的価値は落ちていると考えざるを得ません。

加えて、アメリカなどは景気が良くて、FRBが景気にブレーキをかけるために金利を上げて年率3%くらいになってますかね。
あのユーロ預金でさえ1%、AUD預金やNZD預金でさえも2%超えてますから、円で持っているより外貨の方がマシですよね。
しかし、日銀は金利を上げるわけにはいきません。だって金利を上げることは国債の価値を下落させるのですからね。大量の国債を保有している日銀にはできません。また、多くの企業が低金利政策に慣れきっていますから、有利子負債を抱えている企業を脅かします。利益剰余金が有利子負債を上まっている企業はなんとかなりますが、そうじゃないところは債務超過に陥る可能性もあります。

当然円は売られる訳です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿