知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

崖の上のポニョ…今回は長いよ

2008-08-31 08:17:10 | Weblog
崖の上のポニョ
(8月の終わりは、長いブログで締めます。長いので読み疲れないように…)

「観た感想」
結論としては
自分の理解の能力を超えていた。
人魚姫にモチーフがあるんだろうし
環境問題を啓発していたことは確かなのだろうが…

ストーリーを追うというよりも
視覚的に楽しむ作品。

とりあえずストーリー

(あらすじ)
初めに藤本というおじさんが海底で登場。
何か妙な実験をやっており
海を三葉虫のいた頃の状態に戻すことをたくらんでいるらしい。

ちなみに藤本は今作の主人公、ポニョの父ということが後で分かる。
藤本は、海を汚す人間を嫌っている。
「私も昔は人間だった…」という。
藤本は人間だった。
ということは今は人間じゃないということになる。

ポニョは父、藤本の言うことを聞かない。

ポニョには別の名前があり、ドイツの貴族風の感じ…でも忘れました。

それで、ポニョは藤本のそばを飛び出し
ポニョががけの上に家がある岬に漂流する。

底引き網に引き込まれ、
ポニョはゴミに飲まれ、ビンの中にすっぽりと嵌ってしまう。

そして、網を逃れ、そうすけのもとへ。

そうすけは金魚みたいな生き物、ポニョを
ビンから取り出そうとするが、
なかなか取れない。

そこでそうすけは、
石でビンを割る。

そうすけは、割れたビンの破片で怪我をする。
そこで出た血をポニョがなめて怪我を治す。
そうすけはポニョをバケツに入れる。
そして、ポニョという名前を付ける。

そこへ藤本がポニョの救出に登場。

しかし、そうすけが幼稚園と養老院が兼用の場所にポニョを連れて行ってしまう。

母と車で走行中、そうすけはポニョに餌をやる。
なんとここではサンドイッチのハムだけを食べる。
パンの部分をあげると無視するのに
ハムだけをかぶりつく。
この辺は、どんな意味があるのか分からないが
肉食であることが分かる。

幼稚園&養老院では
ポニョが空気を呼んで自分に大して批判的な女の子と意地の悪いばあさんに口から水鉄砲を噴射。ずぶ濡れにさせる。
特にこの意地の悪い婆さんは、やはり特殊な能力を持っているのか
人面魚が顕れると津波が起こると予言してポニョを気味悪がるのである。
この点は、ポイントだと思うのだが軽視されやすい気がする。

その後、そうすけは、ポニョが意地悪婆さんをずぶ濡れにさせたので、とりあえず緊急避難。ポニョを海沿いの岩陰っぽいところに連れていく。
そこで、ポニョが喋ることを知る。
「そうすけ大好き」という。

その後、藤本がまた登場。
大きな波とともにポニョを連れ去ってしまう。

そうすけは大いに悲しむ・・・
しばらくの間、ポニョが居ない生活を強いられる。

海底の藤本の所へ戻る。
ポニョはそうすけの血を舐めたので、そうすけのDNAが血流に流れ込んでしまい、人間に化体し始める。
「人間になりたい」…ポニョ自身の意思でもある。

そうすけに対するほのかな恋心が知れる。
この辺で人魚姫の話を彷彿させるのだが…
設定は、人魚姫が王子を助けるのではなく、助けられるのである。
逆の設定。
意地悪婆さんは、魔女に位置づけられるのかもしれない。


しかし、父親は大いに反対する。

足が生えたのですぐに薬で抑えようとするが…
でも長くは続かない。
だから、時間の問題でまた足が生えると。


そのうち強い台風が来る。

嵐の中、そうすけは養老院から母と車で自宅へ向かう。
途中、そうすけが海の中を走る女の子を発見。
これがポニョなんだが
そうすけに逢いたくて来たわけである。

大嵐の中、再開を果たす。
ポニョは自らポニョと紹介してそうすけはポニョと理解。

その後、ポニョがそうすけの実家で人間として時を過ごすのだが、大嵐の余波が話を展開させて
反対側の岬の明かりを観て養老院の安否が気になったのか
そうすけの母親が嵐の中、出かけるのである。

そうすけは母から『私は養老院に戻るからあなたはここで待ってなさい。いいね。』といわれる。

そうすけはポニョと一緒に養老院へ行こうとするが、
母はそれを許さない。
母「ここに居たら安全だからね。」
普通はない展開。
外はもちろんのこと台風で荒れている中を母は子を置き去りにする。

ポニョとそうすけは二人きり。

さて、別な場所では妙な展開が…
藤本の奥さん、観音様(ポニョの母親)が登場。
個人的には、この観音様は、「人魚姫」なんじゃないかという感想を持った。

藤本も登場。
ポニョは魔法が使えるのだが、まだ5歳。自制抑止ができない。
このままでは問題が起こると、人間と一緒に居るポニョを引き戻そうとする。
すると、観音様が父藤本に優しいお言葉を発する。
「いっそのこと人間してしまおう」という。
人間になれば魔法が使えなくなるのだそうだ。
ただし、人間になるためには、
そうすけの「愛」だと思うが
試練が与えられ、それを乗り越えられないと泡になってしまうのだそうだ…

嵐によってそうすけの住んでいる世界は海で覆われている。
母親が心配になったそうすけは、探しに行こうとする。
ポニョは魔法でおもちゃのボートを大きくして出航する。

ジャングルの中を探検しているうちに
母親の車を発見。
しかし、母の姿は見当たらない・・・
母は死んでしまったのか!?

・・・しかし、母はなぜか海底で生きていた。
養老院のおばあちゃん達も。
なぜか、藤本もいる。
意地悪な婆さんだけがいない。
そして、この場所にそうすけがポニョをつれてくるとポニョが人間になれるという試練を与える。
ということで藤本はポニョを人間にすることに傾いたようである。

話は分裂していてなんだか分からないのである。

さて、一方でそうすけとポニョは、魔法が解けたのかボートがおもちゃに戻ってしまい、船の旅は終わる。
母親が居ると予想している養老院の方へ歩いていく。

ここで、トンネルが登場。
これも宮崎作品の特徴かも知れない。
トンネルは異類異形の世界の入り口なのだろう。
「千とちひろ」と同じ。

トンネルを通過するうちに、ポニョは退行し、元の魚に戻ってしまう。

トンネルを出て待っていたのは藤本と意地悪婆さん。

藤本は、ポニョを人間にしてしまうため、海底にある沈んでいる養老院へそうすけ達を連れて行こうとするが、
意地悪婆さんは騙されるなといってそれを制止しようとする。


藤本はいう。
月が迫っていて陸地に居る生命の危機であるという。
そこで、藤本は迫る月に焦りの色が隠せず、名言を吐く。
「あ~ん、だから時間がないんだもう」
どうやら水につかっているのは月が地球に近づいているせいなのかも知れないがよく分からないのである。

結局、そうすけもポニョも意地悪婆さんも海底の養老院へ連れて行かれる。
それで、観音様はポニョが魚であることを知っているのか、それでも好きでいられるかと聞く。
そうすけが観音様に、ポニョが魚から生まれた人間であってもいいです。どんなポニョも好きです。と答える。
魚に戻ったポニョは、陸に戻ったらキスをすると人間に戻ると教える。

まるで嫁にやるかのような展開。
たった5歳で許嫁にされるのも迷惑なことだろうけど…

最終的には藤本とそうすけが握手をする。

陸に戻ってそうすけはポニョにキスをしてポニョが人間に戻って終了。


一貫して疑問に思ったのは、
そうすけ一家は、母親と父親をファーストネームで呼ばせている。
これはいかがなものだろうか?

とりあえず、表面的な流れだけ書いたが
一つ一つには何かメッセージがあるのだろう。
でも分からなかった。

ただ、人魚姫のような悲劇にはなっていない。