12月19日(木曜日)。☀☀。青空、いいねえ。船の中で行き交う人たちもスマイル満開。午前7時半、最後の寄港地タウランガに入港(実際に接岸したのは数キロ離れた郊外のマウントマウンガヌイ)。気温も20度を超えるという予報で、やっと夏を見つけたという感じ。今日あたりから、この2週間の食べ放題飲み放題をスケールダウン。というのも、何かやたらと胸やけがするようになって、寝ていて咳が出るとよけいにひどくなる始末。食べる量が急に増えたもので胃袋が消化のための需要増に応じて胃酸の生産量を大幅アップしたのかもしれない。でも、ジーンズがきつくなった感じはないので気にするほど太ったとは思わない(思いたくない)けど、食べる量を減らして、日常の食生活にすんなりと戻れるようにしようというわけ。
タウランガは先週だったか噴火した火山島があるプレンティ湾に沿ってビーチが延々と続いて、人気スポーツはサーフィンやセーリング。ニュージーランド人の国内旅行先のトップであり、同時に発展著しい貿易港で、さらに同時にキウィフルーツの大生産地/出荷港。今日のツアーはまず19世紀半ばに最初にこの地にできた宣教所の見学。ヨーロッパ人とマオリ人の関わり合いは北海道開拓の歴史やマオリ人とアイヌ人の関わり合いに共通するものがあったりして、興味よりも先に何となく親しみを感じてしまうから不思議。ちなみにマオリ語は英語、ニュージーランド語手話と並ぶニュージーランドの公用語で、最近はマオリ族のルーツがなくても積極的にマオリ語を学ぶ人が急増しているとか。
宣教所の後はキウィフルーツ農場。かってゴールドキウィが病害で壊滅的な被害を受けた苦い経験から、厳しい管理体制を敷いていて、バスの降り口に消毒マット。案内役は元オールブラックスの選手だったというグレアムさんで、ものすごい数のキウィフルーツがぶら下がっている棚の下で栽培過程の説明はすごく興味深かった。何よりも品質管理を徹底するためにまさに人海戦術と言える労働力を要するそうで、東南アジア、インド、ポリネシア諸島から季節労働者を呼んで賄っているけど、栽培面積の急増で「この先はどうなることやら」とグレアムさん。(この時期には働き口が有り余っているからと失業保険は出ないそう。)何百万という短命の雌花をこれまた短命の雄花の花粉で授精させるのは主にミツバチの仕事。ニュージーランド特産のマヌカ(ティーツリー)ハニーを作る養蜂業者から巣箱単位で蜂を借りて、(キウィフルーツの花には蜜がないので)糖蜜を与えながら受粉に励んでもらうんだとか。
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ゴールドキウィの生産の一端を担っているマヌカハニーのメーカーに立ち寄ってから帰船。出ている間にヴィクラムがクローゼットからスーツケースを出して、きれいに拭いてすぐ荷造りできるようにしておいてくれた。ワタシのスーツケースにはSilverseaの銀色のリボンが結んであったのはナイスタッチ。午後11時半までに廊下に出しておくことになっているので、さて、荷造りにかからないとね。うん、旅の終わりはもう秒読み・・・。
失恋自殺をし損ねたマウンガヌイ山