リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

仮想空間での非日常を楽しもうよ

2019年12月12日 | 日々の風の吹くまま
12月12日(木曜日)。⛅☁☂。今日も1日海の上。ジョギングトラックをぐるぐる歩いていて見えるのは水平線だけ。つまり360度見渡す限りの大空と大きな海。大海原ってほんとに広漠として、何か永遠を見ている感じ。新天地を求めて来る日も来る日もこの大海原の波に揺られた大航海時代の人たちはすごいなあ。だだっ広いタスマン海を3分の2近く横断したところで、時計がまた1時間進んでニュージーランドの時間帯。朝ご飯のバフェレストランの混む時間が遅くなるからおもしろい。きのうは前日より遅くて9時くらい、今日はまたさらに遅くて9時半。バケーションだし、リタイア組が大多数だろうから、みんな体内時計に従っているのかもね。

毎晩だいたい夕食に出ている間に、バトラーのヴィクラムがChroniclesという(翌日の)船内新聞と2個のチョコレートと一緒に翌日のツアーやレストランの予約のリマインダーや招待状などをベッドの上に置いて行ってくれる。船内新聞には天気やその日のドレスコード、午前、午後、夜の各種アテクィビティのリストが載っているので、さて明日は何をしよっかと思案。朝にはそれぞれの国のニュースを集めて印刷したミニ新聞をドアの外に置いて行ってくれて、私たちのはThe Canadianで、今日のトップ記事はやっと調印にこぎつけたアメリカ、メキシコとの新NAFTA。天気欄を見ると、バンクーバーは雨で気温は9度/5度。朝ご飯に行くのに廊下を通ると、どの船室の人はどの国からというのがわかっておもしろい。

   

船にはいろんな国籍の人が乗っているけど、オーストラリア人の数が半端じゃない。The Ditch(堀とか側溝という意味)と呼んでいる海を渡ってニュージーランドへ行くだけなのにどうしてかと思っていて、ひざをポン。つまり、クルーズは基本料金の他に出発地/最終地の往復の飛行機、必要な場合にホテル宿泊の料金を加算して「オールインクルーシブ料金」なわけで、出発地の近くに住んでいればそれだけ費用が安くなるから、シドニーに住んでいて、出発日が近くなって空きスペースが格安で売り出されるときに安めの船室を選べば、遠くから来る人に比べて相対的に安い費用で乗れるってことなんだ。バンクーバー近辺からアラスカクルーズに行く人がかなりいるのも同じことなんだ。アラスカなんて珍しくもないのにと思うけど、目的が「豪華クルーズ船で非日常を体験すること」だとしたら、なるほど。

たしかに「上げ膳据え膳の食べ放題飲み放題遊び放題」の1週間、2週間は庶民にとっては非日常と言えるな。クルーズ会社は「富裕階級の日常」の疑似体験みたいなラグジュリーをこれでもかとばかりに押して来るけど、ほんとうの大金持は何百人、何千人と一緒のクルーズ船なんかよりは自家用ヨットでしょ。ラスベガスの第一印象が非日常(現実逃避)を売りものにした「オトナのテーマパーク」だったけど、クルーズ船はさしずめ「海の上のラスベガス」。まあ、どんなことでも煩わしい日常をちょっと離れて仮想空間での非日常を楽しむことは、誰にでも必要なことだと思うし、私たちだっていずれは食い気と飲み気とのんびりが主目的になるかもしれないし・・・。

   
   船室に備え付けのソーイングキット(どの針もすでに糸を通してある)