さよならメルボルン、また会う日まで
12月9日(月曜日)。☀⛅。今日はタスマニア島ホバートに向けて航行中で、1日中船の上。海はけっこう穏やか。朝ご飯の前に11階のトラックでウォーキング8周。360度、見渡す限りの大海原で、島影ひとつないこの漠然とした風景がなぜかすごく心地良く感じられるから不思議。今日のバフェ朝ご飯はスモークサーモン、グラヴラックス、にしんの酢漬けにハムの類を少々と果物とクロワッサン(2個)。ゆうべはよく飲んだので、今日は「ダイエットだ」とコンティネンタルで行くカレシ。
ゆうべのコンサートは思いのほかすばらしかった。マーク・ヴィンセントはイギリスでスーザン・ボイルを発掘したタレントコンテスト番組のオーストラリア版で15歳でオペラのアリアを歌って優勝して、一躍アイドル的存在になったオペラティックポップの歌手。今26歳だそうだけど、まずテノールの声量の豊かさと声質のまろやかさにびっくり。コンテストの決勝で歌ったというカナダの詩人レナード・コーエンの『ハレルヤ』は聞いていてうっとりとなって、いろんな歌手が歌っている中でワタシ的には一番。アンドレア・ボチェリの『Con Te Partiro(君と旅立とう)』もじぃ~んとなって思わず涙ぐみそうになる始末。いやぁ、堪能させてもらったぁ。
8時半に8台のバスを連ねて船に戻って来て、レセプションであれこれつまんでいたけどやっぱり腹ペコになったので、11階のSpaccanapoliという軽食カフェへ直行。メニューにプッタネスカとかアラビアータとかあるのでバスタ専門かと思ったら、出て来たのは薄い生地のピッツァ。夕暮れが濃くなってダウンタウンの夜景が浮かび上がって来るのを眺めながら、ワインとピッツァの晩ご飯はカジュアルにエレガント、。ほど良くおなかがいっぱいになって、中央のらせん階段をぐるぐると7階まで降りて来たら、お、ジャズバーSilver Noteから懐かしい歌声が聞こえて来る。去年乗っていたエレーヌとアンドレのジャズデュオ。アンドレのピアノもさることながら、エレーヌの歌いっぷりがすばらしくて、ジャズにぴったりのちょっぴりかすれた声と独特のスタイルでジャズの名曲をファンキーに歌い上げる。バーに陣取って久々のレミを嗜みながら楽しんでいるうちにレミを3度もおかわりして、船室に戻ったのはちょうど出港の時間。
午後11時、宵っ張りのカモメの群れににぎやかに見送られて、遠くなるメルボルンの夜景を後に、Silver Muse号はメルボルンを出港。今日はタスマニアを目指して一路南へ。ホバート入港は午前9時。ウォンバットに会えるかな。