リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

わが青春の歌を聞いてみた

2013年08月16日 | 日々の風の吹くまま
きのうはカレシと寝酒をやりながら、フォークが流行った頃の日本と北米の政治的、社
会的状況について話し込んでしまった。日本で「フォーク歌手」と言えるのはやっぱり岡
林信康だけだと思う。ピートシーガーやボブディランのような存在かもしれない。他とは
ひと色もふた色も違った作品で、よく放送禁止を食らった。ワタシには誰よりも一番感じ
るところがあったフォーク歌手だった。

カレシが興味を示したので、朝食後にYouTubeを探して見つけた『くそくらえ節』を聞
かせた。これは発禁になった作品で、きのうカレシが聞いていたチャドミッチェルトリオ
の歌に通じるものがないとは言えないな。映像はないけど、ライブらしく、リフレインを聴
衆に歌わせていて楽しい。彼の「母語」である関西弁と交えての痛烈な風刺は言葉が
分からないカレシにもフィーリングで伝わるらしく、しきりに「アメリカでも通用したと思う
けどなあ」。

それにしても、YouTubeって便利だな。ワタシもはまってしまいそう。山谷の日雇い労
働者を歌った『山谷ブルース』、差別を歌った『チューリップのアップリケ』と『手紙』、
自作ではないけど貧しい農家の出稼ぎを歌った『お父帰れや』・・・久しぶりにじっくりと
聞いて感動。女性の視点から語られるものが多いからかな、煽るでも、憤るでもなく、
感情に溺れずに、淡々と歌われているところにパワーがある。

左に失望してノンポリに転じたワタシが、岡林信康に「何か」を感じたのは、彼が牧師の
息子に生まれて神学部まで行ったことと無関係ではなさそう。信仰を離れたとしても、
考え方のどこかにキリスト教思想が根付いていると思うから、キリスト教に近いワタシ
は彼の歌にぴんと来るものを感じるんだろうな。だから、『友よ』の中の「たたかいの炎
を燃やせ」は決して暴力による革命を示唆したり、(当時の)学生運動を鼓舞するもの
ではなく、少なくともワタシには「精神的(spiritual)」なたたかいの炎を燃やせと言って
いるように聞こえる。それにしても、よく通る声・・・。