那智の滝の入口の鳥居から先は結構な下り坂である。那智大社から降りて来たのでさほど急には感じられなかったが、参拝を終えて帰る時、急な坂であることを思い知らされた。
那智の滝は、熊野那智大社の別宮、飛瀧神社のご神体として崇拝されてきた滝で、落差133m、滝壺の深さは10m、毎秒1tもの水が流れ、落差、水量共に日本一を誇る。実際に見る滝は流石の迫力だった。
熊野は修験者の聖地でもある。那智山全体には四十八の滝があり、1300年前から修験道の行者たちが千日間の滝行を行ってきた。明治政府により禁止されたが、昭和になって復活し、今も修行僧による四十八滝を巡る滝行は続いているらしい。滝行の実体は分からないが、一の滝である大滝に打たれながら読経する姿はとても想像できない。
お滝拝所で滝を間近に見てから、那智の滝を後にした。帰路は大門坂を歩いて下る。熊野古道の写真でよく使われるのが大門坂だ。
杉の木に囲まれた薄暗い山道を延々と下る。どこまで行っても景色が変わらない。風光明媚な所が少しぐらいはあるものと期待していたが、何もなかった。30分かけて下り切ったものの達成感はなく、信仰心とか思い入れがないと楽しく歩けない場所である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます