読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

風の墓碑銘(エピタフ)-女刑事 音道貴子- (上・下) 乃南アサ 新潮文庫

2009-02-13 23:13:06 | 読んだ
アタシは忙しいのである。
夜だって本を読んでいるわけにはいかない「やらねばならないこと」があるのだ。

なのにどうして「上」「下」とある長編小説を買って、買うだけならまだしも読んでしまうのだろう。

それは、乃南アサの「女刑事 音道貴子」シリーズの大ファンだからである。
「だめだ、だめだ。のめりこんではダメダ」と思いつつ、読み始めたらもうやめられない、とうとう、すべてをあきらめあて読破に専念してしまった。

いやあ、それほど面白かった、のである。

音道貴子は相変わらず「真面目」である。
仕事にも恋愛にも、息抜きにも。

物語は、工事現場か白骨の一部が発見されるところから始まる。
所轄署の音道は白骨の掘り起こしに駆り出され、更なる白骨を掘り出す。
男女の白骨と胎児の骨であった。

工事現場であった家の家主で認知症の老人から事情を聴いていた音道であったが、なかなか話してくれない。
そして、その老人が何者かに殺される。

事件は新たな展開となり、老人殺害の捜査本部に音道は投入され、そこでコンビを組むのが「あの」というか「例の」というか滝沢保である。

凍える牙以来、音道と滝沢は名コンビのような印象があるのだが、この二人はそれほどコンビを組んでいるわけでもなく、ましてや相性がいいわけでもない。

ということで、この物語は、殺人事件と白骨死体の二つの謎、音道と滝沢の確執のような付き合いと掛け合い、音道の恋愛、音道と鑑識課・薮内奈苗との友情、そして事件で出会う人々の人生、etc

盛りだくさんなのであるが、テンポ良く進んでいく。
あまり弾まない音道と滝沢の会話なのにテンポいいのである。

多くの人生を描きながら、物語は終局を迎える。

ため息のでるような、やるせない終局である。
事件が解決した「喜び」のようなものはない。

私もこの物語を読んで寝ようかと思ったいたのであるが、眠ることができず起きてきて、このブログを書いている。

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