読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

狐闇<旗師 宇佐見陶子シリーズ> 北森鴻 講談社文庫

2009-02-02 23:02:10 | 読んだ
青森往復の友として選んだのがこの本である。
いつか読もうと思っていたのであるが、長編に挑戦する時間的余裕を見つけられなかったのである。

さて「狐罠」に続く、旗師:宇佐見陶子シリーズである。
解説を読むと、狐闇に続く短編集が2冊刊行されているということである。
それを飛ばしていきなりまた長編を読んでしまった。

宇佐見陶子は店舗を持たない骨董商<これを旗師という>である。

この宇佐見陶子が市で購入した「青銅鏡」が購入したものと違うというところから今回の事件は始まり、覚えのない飲酒運転で事故を起こし警察の取調べを受け、更には骨董商の鑑札を剥奪されるということになった。

そして彼女は身の潔白を証明することと、このようなことになった謎を解くため、持っていた陶器を売り資金をつくった。

謎が大きく深いことと、得体の知れない人物たちが絡んでいることから、到底一人では無理なのであるが、陶子は一人でやろうとする。

そこに第1話の狐罠にも登場した友人:横尾硝子があの蓮杖那智を連れて参戦し、骨董商仲間の雅蘭堂も協力を申し出る。

今回の物語の底にある大きな謎と、現実に起こった事件との関連性が、なんだか弱いと思うのではある。

物語の途中で「ああ横道にそれているなあ」と感じられるところがあるし、宇佐見陶子にも「なんでそんな部分をほじくっているの、身の危険もほっといて」というイライラする部分もある。

そういうところは作者が我々読者にたいして仕組んでいることなのだと思うのであるが・・・

ズバッとスッキリ謎が解けるわけでもなく、なんだかうやむやに終わったような気もするし、これからも大きな罠がまっているようでもある。

宇佐見陶子も苦労するなあ、というのが大きな感想である。

というわけで、短編集の「緋友禅」と「瑠璃の契り」も読まなくては・・・

北森鴻の小説の楽しみの一つは、他の物語に登場する人物が相互に乗り入れているところである。

今回は蓮杖那智が重要な役割を果たしている。そして「香菜里屋」も登場する。
従って、その関係もよく読まないと、読んだときの理解とか面白さが深まらないようである。

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