読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

蔦文也のIKEDA行進曲 北原遼三郎 洋泉社

2009-02-22 23:37:25 | 読んだ
著者の北原遼三郎は高校の先輩である。
といっても面識はない。

本書のほか「沢村栄治とその時代」「完全試合・十五人の試合と人生」の2冊を読んでいる。
すべて『野球』にかかるノン・フィクションである。

本書と久々の再会をしたのは、東北本線のある駅、そこの「文庫」にあった。
東京へ行くためにその駅により待合室にいて本棚を見たときパッと目に入ってきたのである。

早速、出だしを読んでみた。
で、やめられなくなった。しかし電車の時刻。本を棚に戻す。ホームに出る。

ああ、でも読みたい。
というわけで、東京往復の間借りてきて読んだのである。

題名からわかるように、徳島県立池田高校の蔦文也監督のお話である。

徳島県の西端、現三好市(旧池田町)が池田高校のある場所である。
行ったことがないから明確にはいえないのだが、いわゆる「片田舎」の県立高校が甲子園で勝つ、ということはなんであれ「感動」である。

それは「組織」で勝ったのではなく、蔦文也という野球狂の男が、野球にのめりこんで、かっこよく言えば野球に身を捧げて、勝つことのできる高校野球を作り上げたのである。

私も蔦文也に強く魅かれたのでイロイロな本を読んだ。
そしてわかったのであるが、野球という部分を通して見た蔦文也は非常に魅力的であるが、実際にはとっても取り扱いに困るような人だった、ということである。

本書はそのあたりまで言及をしているが、主は野球である。
野球を通じた蔦文也である。

甲子園に出たチームのメンバーを中心に綿密なインタビューと取材を元に書いてあるので、説得力、はある。
そして試合や練習のあたりは実況感を強く感じる。

著者は多に仕事を抱えていて著作をするのでスピード感とか現在との時差の少なさ(共有力)というのは少ないが、普遍的な部分が生まれてくるようなきがする。

近頃の高校野球はあまり見ないが、池田高校の野球はよく見ていたので、場面場面を思い浮かべることができて、東京往復に読もうと思ったのが、東京に着くまで読みきってしまった。

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