旗師・冬狐堂、宇佐美陶子である。
これまで長編の「狐罠」「狐闇」(講談社文庫)を読んだ。
これっきりかと思っていたら、文春文庫に短編集があるというではないか。
そして、今「小説新潮」で蓮杖那智シリーズの最新作「鏡連殺」が連載されているがそこに宇佐美陶子が登場した。
こうなれば宇佐美陶子読まなければならない。
というわけで、
「陶鬼」
「『永久笑み』の少女」
「緋友禅」
「奇縁円空」
の4編である。
帯やカバーの裏には
「騙しあいと駈けひきの骨董業界を描く古美術ミステリー」
とある。
というように「骨董品・古美術」が物語の核となる。
『お宝鑑定団』のテレビを見てわかるように、ニセモノが多くまかり通る業界なため、一つ一つの品に事件がかかわりあう。
品物と、それにかかわった人たちと、宇佐美陶子の関わり合いが面白い物語となっている。
歴史について大雑把にでも知らないと、深く理解できないところがあるが、それでも読んでいけると思う。
宇佐美陶子はそれなりに魅力のある人なんだろうが、いわば「可愛げ」がない。
突っ張っていなければ、いつ餌食になるかもわからない業界で一匹狼(いや狐か)でやっていくためには、徹底してツッパリ通さなければならないのは十分理解できるのだが、もう少し可愛げがあったっていいじゃないの、と思うのである。
そんなに突っ張らなくてもいいのになあ。
という感情移入をして読んでいたのである。
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これっきりかと思っていたら、文春文庫に短編集があるというではないか。
そして、今「小説新潮」で蓮杖那智シリーズの最新作「鏡連殺」が連載されているがそこに宇佐美陶子が登場した。
こうなれば宇佐美陶子読まなければならない。
というわけで、
「陶鬼」
「『永久笑み』の少女」
「緋友禅」
「奇縁円空」
の4編である。
帯やカバーの裏には
「騙しあいと駈けひきの骨董業界を描く古美術ミステリー」
とある。
というように「骨董品・古美術」が物語の核となる。
『お宝鑑定団』のテレビを見てわかるように、ニセモノが多くまかり通る業界なため、一つ一つの品に事件がかかわりあう。
品物と、それにかかわった人たちと、宇佐美陶子の関わり合いが面白い物語となっている。
歴史について大雑把にでも知らないと、深く理解できないところがあるが、それでも読んでいけると思う。
宇佐美陶子はそれなりに魅力のある人なんだろうが、いわば「可愛げ」がない。
突っ張っていなければ、いつ餌食になるかもわからない業界で一匹狼(いや狐か)でやっていくためには、徹底してツッパリ通さなければならないのは十分理解できるのだが、もう少し可愛げがあったっていいじゃないの、と思うのである。
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