読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

暁(あかとき)の波 安住洋子 小説新潮7月号

2007-11-15 22:32:44 | 読んだ
昨日に引き続き、小説新潮7月号の特集「人情紙風船」の中のひとつである。

著者の安住洋子ははじめて読む作家である。

さて、物語は九鬼水軍で有名な九鬼家にまつわる話である。
九鬼は徳川時代に入り当主・九鬼守隆が亡くなったあと相続の争いがあり、水軍の本拠地である鳥羽から内陸の摂津に転封となった。

その際にこの物語の主人公・幸四郎は友人・小野木柾頼と別れる。
幸四郎は九鬼守隆の嫡子で五男の久隆について摂津に行ったが、小野木は相続を争った三男の隆季派だったのである。

その小野木も相続争いの直後、二人の若者と切りあった上で、妻と女児を残して亡くなった。

幸四郎は小野木の最期に疑問を持ち、小野木の妻・佐和を案じていたが、勤めに忙しくすぐには動けなかったが、やっと休みをもらい鳥羽へ赴く。

その鳥羽で、佐和と娘の千代に出会う。
それから、九鬼水軍のを率いて九鬼義隆が祀られている答志島へ行く。
そして、小野木の死の真相を探り、お家騒動について思う。

幸四郎と佐和との仲は、小野木の死の真相は、そしてこれからの幸四郎は。
などなど、知りたいことはいくらでもあるが、結末は「人情紙風船」の特集にかなうようになっていて、清々しいものである。

新しい作家との出会いに感謝である。

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