読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

「恩返し」<深川にゃんにゃん横丁> 宇江佐真理 小説新潮7月号

2007-11-14 22:24:34 | 読んだ
今頃になって、小説新潮7月号を引っ張り出してきて読んでいる。
この号の特集は「人情紙風船」と題した時代小説である。

その中から、まずは宇江佐真理の小説を・・・

江戸深川の通称「にゃんにゃん横丁」に起きる事件を描いた連作である。

にゃんにゃん横丁にある喜兵衛店(きへいだな)の大家・徳兵衛と自身番の書役・富蔵がレギュラーである。

今回のお話は、喜兵衛店の店子・巳之吉の三男で手に負えない悪さをする音吉が、材木問屋の相模屋が隠居を慰めるために行った子供相撲に出て勝ち抜く話を縦糸に、それに絡む人たちの人情話である。

近所の悪がきであっても世話を焼くというのは、現代の話では絶対にありえない設定である。

巳之吉が何故男の子三人を抱えて男やもめになったのか。
音吉が、父と兄が仕事に行っている間にどのような生活をしているのか。
そこには「おふよ」という女が音吉の面倒をよく見ていること。

富本節の師匠・おつがが無類の猫好きで、助けた猫に信じられないような恩返しを受けたこと。

相模屋の隠居が何故ふさぎこんだのか。何故相撲をすることになったのか。
音吉はどうやって勝ち進んだのか。

数え上げるときりがないくらい、色々な話がでてきて、面白い。
さすが宇江佐真理と感心したのであった。

それにしても、どうしてこの小説をすぐに読まなかったのだろう。

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