チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

2011年04月04日 13時57分31秒 | 日記
西行の話が出たついでに
西行が求めた「雅」についても語りたい

西行がまだ北面の武士であった頃
西行は姿かたち良く
その上美貌声も美しいし秀才
さらに弓の名手で、歌の才能も並外れていた

或る日仲間の公達と流鏑馬の練習をする
西行は弓を一本もはずさず得意満面の面持ちで
公達と何時間も競争をしていた
そこへ鳥羽院四天王の一人源重実が通りかかり

西行たちのやっている事は「雅」ではないと注意をした
流鏑馬には一定の作法があり弓の握り方
矢の支え方、引き方、的への向かい方
全てに型があり、あるべき型をとって的に向かう
その型を無視してたとえ的を射抜いても
それは「雅」の匂いを失うことになる
目的達成の満足感が無く更に次の目的を探すことになる

的を射抜くより
「雅」を尊ぶ心が日本人の本当の姿
人間は何をしても「雅」の心を忘れてはいけない
「雅」とは満足する心

的を射ることは目的
的を射る一定の型を楽しむのが「雅の心」
過程も楽しみ、的も射れたら大満足
たとえ的は射れなくても
自分の行為を楽しみ満足できたら
その人は「雅」のわかる人

目的のために手段を選ばないのは「野暮」
野暮は下品で卑しい
そういう人が人の上に立つと国が滅びる

ああああああーーー
西行の時代にも目的のためには手段を選ばない人種を
徹底的に忌み嫌っていたのだ

さらに
目的だけを追う人は常にせかされていて周りが見えず
周囲の人たちに緊張感を与えるから
人も育たずますますイライラして「雅」とは程遠い人生を歩む

その後西行は目的も過程も十分に楽しんで満足できるように精進したので
類まれな「雅な人」といわれるようになった

日本の上に立つ人たちは
官僚も政治家も司法関係も
憲法や法律を作ったにもかかわらず
型を外して目的のために生きている人ばかりで
いよいよ国が危なくなっている

国民のほうが「雅」の心を持って
人と支えあおうとしている
脈みゃくと続いた日本人の「雅の心」
西行の愛した桜とともに取り戻したい

たぶんそう遠くない日に国民の「雅の心」が日本を包む日が来る
とチャコちゃん先生の予言
もう少し もう少し
コメント
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