ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

わたし達元気な高齢者

2010年07月21日 | Weblog
☆ この暑さなのに
 昨日はR大恒例の歩行会だったが、毎日あまりの暑いため多分役員はとにかく
出席率が悪いだろうと思っていた。予定では奥多摩の鳩ノ巣渓谷へ行くはず
だったが、足元が悪いので、当番の人の判断で板橋区の赤塚にある、東京大仏
植物園や公園、郷土資料館などを歩くことになった。
 わたし達世田谷に住む仲間は、多分板橋区などあまり行ったことはないと
思ったが、いくら都内の近場でもこの暑さでは、と思ったのに、何と24人の
参加者だった。お互い「好きですね」とか「これも義理と人情」などと、ニヤニヤ
したが、しかしやっぱり元気な人が多いのだと嬉しくなった。
 我が班は男性三人女性二人と少なめだが、東上線に乗ったのは、大昔ヨーガ研修
のため国立婦人の家に行った以来だけだし、知らない街を探検するのもなかなか
面白かった。それにしても下赤塚から成増までの一駅だが、お陰様で昨日は思った
ほど暑くなく、全員が元気で歩けたのは幸せだった。
 ※ 今日はブログのメンテナンスのため、投稿が遅れました。

クライアントからの嬉しいメール

2010年07月20日 | Weblog
 ☆ 返事が待てなくて
 昨日メールを開いたらこんな素敵なメールが入っていて、わたしはすっかり嬉しく
なりました。読者の皆さんに紹介したいと、Aさんにお伺いしたのですが、メールの
具合が悪く、昨日の午後から入っていません。ホームページを開いているためか
世界中からたくさん入るのが、今現在ゼロなので……
 でも、やはり早く読んでいただきたいので投稿しましたが、Aさんごめんなさいね。
Aさんは地方から来た、色の白いきれいな20代の女性でしたが、緊張症を直したい
と相談に訪れました。いつもユニークなわたしに、ケラケラ笑っていたのが印象的
でした。これは全文そのままの状態ですが、こんなお便りをいただくと、心理カウンセラー
として本当に幸せを感じます。

 「お久しぶりです。2月~5月まで先生にカウンセリングをしていただいたでAです
時々先生のブログを読ませていただいているのですが、相変わらずお元気そうで嬉し
くなります。4ヶ月間先生にはとてもお世話になり、感謝しています。
先生のカウンセリングが終わってから2ヶ月が経ちましたが、すっかり
プラス思考が身について、毎日楽しく過ごしています。緊張症は未だ健在で、
落ち込むこともありますが、それでも気持ちの切り替えが本当に早くなりました。
何よりも小さな事にも感謝の気持ちを持つことができるようになったので、
心がとても豊かになった気がします。
先生に報告があります。
先生にすすめられた英会話サークルを通じて、なんと彼氏ができました!!
 カウンセリングを受け始めた頃は、まだ元彼を引きずっていて恋なんてもう
しないと思っていたので、こうして彼氏ができたのも先生のおかげです。
 先生の教え通り貢がないように気をつけます(笑)
とてもいい人なので、大切にしていきたいなと思います。
今まであまりにネガティブすぎて、前向きになるだけでこんなにも幸せになれるとは
思っていませんでした。先生に出会えたことは、私の人生の財産だなと思います。
本当にありがとうございました。9月のセミナーにはぜひ参加させていただきたいと思っています。
また先生にお会いできるのをとても楽しみにしています。」



著書の中から「私は自分をこう変えたい」(後)

2010年07月19日 | アドバイス
 1993年3月 同文館出版発行
  ☆ 不安感をなくしたデザイナー
「三つ子の魂百まで」と言いますが、その人の性格の核になる部分は幼い頃の
環境と切り離せません。性格を形成する大切な時期に、愛情という滋養を受け
られなかった子供達は、悪くすると「潤いがなく、不安感の強い性格」になる
恐れがあるのです。(もちろん全ての人がそうなるわけではありませんが)
 まさにS子さんはその典型だったのでしょう。
その内向的な性格のため、彼女に思いはいつもそこに戻ってしまう。
 そして、子供の頃の欲求不満に焦点を当てて、こだわればこだわるほど
そこから抜け出せなくなってしまうわけです。

 「その母の影響かもしれませんが、今でもわたしは、すべて完全にしたいと
思うのです。完成した時点では自分でも満足できた作品がありますよね。
でも何日が過ぎると、あれはもしかして失敗作でなかったかしら、と不安が
ムクムク湧きあがってきてくるのです。するともうダメで、落ち込んで眠れ
なるから睡眠薬を飲むのです。するとまた、こんなことをしたら体に悪いのでは
ないかしら、と悩んでしまうのです」
 S子さんの心の中には、絶えず不安と後悔が渦を巻いているようです。
今の彼女にとって必要なことは「ほどほどで満足する」ことだと思ったわたしは
こんな風に話したのです。「人間は神様ではないから、完全無欠なんてあり得ない。
人間の知恵を総結集したあのスペースシャトル“チャレンジャー”でさえ
思いがけないアクシデントであんな結果になり、世界中を悲しませたではあり
ませんか。どんなに優秀な人でも多少のミスはあるものです。それに過ぎてし
まったことをクヨクヨ後悔するのは、エネルギーの無駄使いではないかしら」と。
 S子さんには心身に科学的なセルフコントロール法「自律訓練法」をベースに
、プラスの自己暗示法を指導しました。

これは不安に苦しむ他の読者の皆さんにもお役に立つかもしれませんので、ご紹介
しましょう。
※ わたしは自信を持って生きられるし、不安に思うことは何もない。
※ わたしには能力がある。
※ わたしはいつも明るくて、毎日が楽しい。
※ わたしはいつも運が良い。
※ 目標や願望は必ず実現する。
 わたし達はイメージと自己暗示で生きていますが、強烈なプラスの暗示をくり
返し、自分に語りかけるうちに、ステップ・バイ・ステップで少しづつ、不安感
や捉われから解放されていきました。すると、S子さんの表情もだんだん明るく
なってきて、以前は引きつっていた顔にも、ときどき笑顔が浮かぶようになり
睡眠薬の常習からも、いつの間にか抜け出していたようです。
それから一年あまり……今では、人が変わったように自信に満ち、仕事への
意欲も増して、つぎつぎと新しいデザインを発表しているようです。
それからしばらくして、S子さんからこんなステキなお礼状をいただきました
ので、ご紹介しましょう。
 「前略 両親には命をもらいましたが、先生には生きるための命を吹き込
んでいただきました。今はお陰様で毎日が充実して、とても幸せです。本当に
有難うございました。後略」不安感は逃げれば逃げるほと、追いかけてくるもの
ですが、勇気を出して自分の弱い部分を克服したS子さんの幸せを祈りました。


著書の中から「私は自分をこう変えたい」(前)

2010年07月18日 | 健康
 1993年3月同文館出版発行
☆ 不安感がなくなったデザイナー
S子さんがカウンセリングルームを訪れてきたのは、朝から冷たい木枯らしが
吹き荒れる冬の日のこと。そんな寒々とした天候にふさわしく、彼女の整った顔も
青ざめ、ひきつっていました。ハリのある生気とか脈打つ血の気、といった物が
まったく感じられませんでした。彼女の心に重くのしかかっていたのは,漠然とした
不安感。 いつも心の中で「失敗したらどうしよう」と考えてしまい,その不安から
抜け出せないと言う相談でした。そんな捉われから一日も早く解放されたい、自信を
持ってノビノビと生きたいとS子さんは言いました。
 デザイナーとしてやっていける能力もある、しかも女性としていちばん輝いている
年齢なのに……
 男性によっては「少し陰のある、憂いを含んだ女性が好み」とおっしゃる方もいますが、
やはり陰より、明るさの方が何倍も素敵とわたしは思うのです。
 S子さんは何故そんなに自信をなくしたのか。まずそれを明らかにしようと
生い立ちをお尋ねしました。問題のカギは、現在よりも過去にあると、直感した
のです。案の定、S子さんはやや複雑な家庭に育っていました。

 まだ生まれて間もない赤ちゃんのときにお母さんが亡くなり、二歳のときお父さんが
現在のお母さんと再婚。当時五歳だったお兄さんと二人は、以来その継母に育てられ
ました。二人の子持ちのやもめと結婚した、この義理のお母さんは初婚でした。
 性格は几帳面で潔癖で、神経質。世間体を気にして、「この二人の子供達を何とか
自分の手でシッカリ育てなければ」と、健気にがんばっていたそうですが、子供達に
とっては、こんなタイプの母親はちょっと息苦しいものなんですね。
 母親の肩に力が入れば入るだけ、子供達はそれをストレスとして受け取ってしまう
からです。学校や遊びから帰ってくると、お母さんが待っていて、顔と手足を洗わ
せますが、そうしないと家にいれてもらえないのです。
 かりに外で遊んでいて、ちょっとした怪我でもしてこようものなら大騒ぎ。
「大変!すぐに消毒しなくては」、まあ一事が万事この調子なのです。
当然服装はいつもこざっぱりしていて、ご近所では「本当によいお母さんがきて
よかった」と評判でしたが、幼い兄と妹はそんな潔癖な母を前にして、ついオドオドして
しまいます。このお母さんは、自分の義務と責任を心得た人でした。

 父母会への出席、毎日の宿題も良く見てくれたし、そういう意味では完璧だった
のですが、でもそれは自然の愛情から出たものと言うより、「母親の務めだから」
という義務感から出たもののように、S子さんには感じられました。
 「こんなことを言ってはいけないのでしょうが、本当に母親に可愛がられた
と言うあったかい思い出がないのです」S子さんは話すうちに感情が高ぶって
大粒の涙をこぼしていました。その子供時代から何年も経っているのに、彼女
の原点はどうしてもそこに戻ってしまうようでした。
 

「見えざる手」に導かれて (後) 

2010年07月17日 | Weblog
☆ 意識と無意識との間に
 昨日自分が過去に勉強した心理学の昔のノートを繰っていたら、こんな言葉に
出会ってハッとした。これはスイスの高名な心理学者ユングの説だが
「意識と無意識のとの間に、潜在的な中心と言うべき「自己」がある。「自己」は
「自我」(宇宙に存在する他のすべてと対立する存在として認めた自分)の意志
より高いものであり、それに対し人は頭を下げなければならない。
つまり、我々は内的人格の欲することや、声の言うとおりに行動すれば苦痛はない」
わたしは心理学をいろいろ学んだが、ことに印象に残った言葉を抜粋し書き残して
いた。これを読んで、もしかしたらわたしは、ユングの説く「自己」の声のままに
生きているのかもしれないと思った。そのため長年対話してきた「もう一人の自分」
の存在が「自己」と、同一化したのだろうか?
そのため、迷いはほとんどないし、その行動は良い結果になることが多い。
心理学を学んだとき、その心の奥に内在する力に大変驚き、体に電気が走るほど
感動したことは、今でも決して忘れない。

頭脳明晰ではないし、学歴があるわけでもない、落ちこぼれでズッコケ、色いろ
恐怖症と言われたわたしが、「人生を楽しみその人生の主役」でいられたのは、そんな
大きな要因があったのかもしれないと、今までの過去を振りかえり改めて感じた。
高齢のわたしだが、「やり残したことは何もない」と、胸を張って言えるほど、満足
できる人生を、今まで歩めたのは何と幸せだろう。
それには、「ちょっと神様」と、友人達に言われる、包容力がある夫の存在が、大きな
ことは確かだけれど……
 それにしても我ながら呆れる最近のエネルギッシュな行動力は、やはり自分の
インナーヴォイスを超えた状態としか思えないし、「きっとどなたかが導いて下さるのだ」
としばしば感じることが多い。
こんな状態は死を迎えるまで(まさか!)続くのか、それとも「自分はもう完全に
老いた」と認めるまでのスパンなのか、まったく分からない。
 唯自然の流れにまかせることにするしかないが、 できたらこれからもずっと
「人様のお役に立てるようなことを続けたい」とわたしはいつも思っている。

「見えざる手」に導かれて(前)

2010年07月16日 | Weblog
   ☆ もう一人の自分が消えた!
 わたしは一度思い立つと、我慢が出来ずに、即行動に移す積極的な性格だ。
だからやり残したことはほとんどないため、もしかしたら傲慢に思われるかも
知れないが、30代の後半から自分だけのためなら、「いつ死んでも惜しくはない」
と思っているし、無論現在でもその気持ちは変化はない。
 長年電光石火タイプの自分と付き合いながらも、絶えず(それでいいの?)
(ちょっとやりすぎじゃないの)など、もう一人の客観的な自分と、心の中で対話
してきた。これは若いときからずっとそうだったが、「燃える自分」「クールな自分」
とがある程度納得するまで、必ず話し合いをしながら生きてきたつもりだ。

 だから燃えていながらも、どこか覚めているため、どんな物事でも、決して
のめり込んだことはなかった。そうして長年対話してきた「内なるもう一人の自分」
が、いつの頃か分からないが、気がついたら完全に消えていた。
 そのため、ここ何年かはまったく対話することなく、思いついたらまったく迷わずに
即行動しているが、もしかしたら、これって潜在意識の声(自己・インナーヴォイス)
と、わたし自身の「自我」とが一体化したのかもしれない、と考えるようになった。
 他人から見ると、衝動的、また唐突に見えるような行動でも、わたし的にはごく
自然な行動なのだ。子供の頃から潔く、決断力は抜群で、あまり迷いはないし、好運
なのか、失敗もほとんどなかった。
 「もっと慎重に」「止めた方がいいよ」と、友人は心配してくれるが、(わたしには
見えない強力な味方がついていて下さる)と、今では素直に信じている。




季節の巡りを感じる朝

2010年07月15日 | Weblog
☆ 夏至を過ぎてから
 目覚めたのは4時45分。最近朝の明けるのが遅くなったような気がする。
この梅雨は各地に大きな被害を出しているし、まだ梅雨明け宣言もなく、これから
夏本番になるのに、確かに季節は巡っていると実感する。
 冷房を消して窓や戸を開けると、気持がよい風が入ってくるが、商店街にある
わが家もさすが朝は静かだ。起きた途端自分のためのレッスンをしてから、ブログ
を書くのも習慣になった。今はまるで秋のような涼しい風が吹いている。
 ベランダに出て東の空を見ると、上からグレー、白、ブルーのグラデーションだ。
カラスが遠くで鳴いている。今日も暑くなるのだろうか?


男性と女性との差

2010年07月14日 | Weblog
☆ 同じ視点で見るとストレスが溜まるから
男性と女性とは、根本的に心理的な機能が異なる場合が多い。
思考と感情は合理的な機能だが、男性は、どちらかと言えば、思考的に対して
女性は感情的であり、直感的である。そのため同じ物事でも、受け止め方がまったく違う
ことが多く、女性が心配で仕方がないことでも、男性はあまり気にかけないようだ。
日常でも女性は買い物が大好きで、たとえ買わなくても見るだけでも楽しい。
ところが、ふつうの男性は余計なものは見ないし、必要なものだけしか買わない。
昔の知人の男性は、花はチューリップ、バラ、桜しか知らなかったが、わたし達が
お花を買うと、「どうして女の人は花が好きなのかな」と、不思議そうだったが
わたしにはその気持ちがまったく理解できない。

「地図が読めない女と話が聞けない男」?と言う本が大分以前ヒットしたが、それを
読んで、なるほど、確かにそうだと、納得することが多かった。
 大脳にも、男性脳と女性脳とがあるらしいが、長年連れ添った夫とも、その性の
差はしばしば感じる。もしも彼が女性的で神経が細かい人だったら、わたしのような
整理ができない女とは、きっと一緒に暮らせないだろう。
わたし自身もかなり神経は細かい方だし(と言ってもかなりアバウト)感性も豊かな
方だが、もしもこんな男性だったら、付き合うのは疲れて嫌だと思う。
ちょっと大らかな方が、好きだがこれは女性一般にそうだろう。
そうかと言って、あまりにも無神経は嫌だし……
 いずれにして違うところが沢山あるから、上手に付き合えるのだろう。
それに、頼りになるのはヤッパリ男性だから、と腹が立つとき、わたしはそう思う
ことにしている。

体の中の細胞が反応する

2010年07月13日 | Weblog
  ☆ カラヤンを聞きながら
 昨日扶桑社へ新しい本の打ち合わせのため、早めに家を出たので、その途中で
CDショップで「カラヤン、シュトラウス名曲コンサート」と、「エルビス」を衝動買
いした。帰ってからは聞いていないので、今朝目覚めた途端に「カラヤン」がどうして
も聴きたくなり、朝のレッスンのBGMにした。
 すると、ウイーンで開催された「世界心理学会」へ行った時のことが、まるで走馬灯の
ように思い出された。あのときにはまだS教授はとてもお元気だったが、学会で講演する
教授のお手伝いをしたり、夜コンサート会場の古城で、ワインで乾杯したりした。
 ことにドナウ河で遊覧船に乗った情景が、昨日のことのように感じ、船の中の
匂いまでがわたし全身を包んだ。
 
 わたしは毎朝自分の心身と対話するが、今朝の反応は、びっくりするほど鋭敏で
体の中がうずくような感じになった。感覚的なわたしにとって、好きな音楽は体の中の
全細胞に反応するのだと、改めて感じた朝のレッスンだった。

「世界心理治療学会」で発表した小池能里子からのアドバイス

2010年07月12日 | アドバイス
  ☆ 怒りは命を短くする
 Nさんは45歳で飲食店を経営しています。「生まれつきの短気を直したい」と
相談に訪れました。きっかけは車を運転していた時、信号が変わってもすぐスタート
しない車に、カーッとして凄いい勢いでクラクションを鳴らしたため、その車が後
から追いかけてきて口論になり、殴られたのが原因でした。
 たまたまお互いが短気同志だったので、きっとそんな結果になったのでしょう。
彼は大分以前にわたしの著書で「短気を直したサラリーマン」を読んでから、それを
思い出してはコントロールしていたそうですが、「やはり直接指導を受けたい、こんな
性格では長生きできない」と、思い切って地方から訪れてきました。
 性格分析では、その傾向が顕著だったのが、執着型気質でした。その特徴は、まじめで
几帳面、責任感が強く、融通性がなく、気分転換が苦手、別名「てんかんタイプ」とも
言われる典型的な性格でした。
 このタイプの全ての人がそうではありませんが、ふだんは物静かですが、ちょっと
カンにさわるとまるで人が変わったように、爆発的に怒りがこみ上げると言う
困ったタイプでした。

 その気持ちを出してはいけないと、ふだんは一所懸命抑えるため、胃がキリキリ
痛むのもNさんにとっては、大変辛いことでした。
 昔から「短気は短命」と言われます。「あなたは怒られている人と、怒っている人
とどちらが体に悪いか思いますか?」と、Nさんに聞いたら、「それは怒られている
人でしょう」と答えたので、わたしはこう説明しました。
 実は怒っている方が、大変体にリスクがあるのですと。怒られて我慢している人は
消化器系に影響しますが、消化器系はたとえ手術で切除しても、再生される臓器です。
 ところが、怒っている人は頭に血を上らせ、心臓に負担をかけているのです。
内臓は体の上部に行くほど、その重要度が増すそうですが、心臓も大脳も再生は
不可能なのです。ですから「怒ることは命をちじめることだ」と、シッカリ認識して
いただきました。実は娘さんに障害があり、そのためにも自分達は、少しでも長生き
する必要があるねと、いつも奥さんと話しているのだそうですが、そんな意味
でもすぐに頭に血が昇る自分の性格を、何とか改善しなければと、彼は改めて
真剣に考えはじめたようでした。
 
 Nさんには情緒が安定する自律訓練法と、その場で気分をすぐ変えられる「自己暗示
呼吸法」を指導しました。「カーッとしたときのイメージは?」と聞くと、「瞬時に心の
中に火が付く感じ」と答えたので、その時にはすぐに水を飲んで、「心の火が消えると
イメージすること」をアドバイスしました。
 Nさんは大変集中力があり、自律訓練法も大変反応が良く、それに加える「意志訓練
公式」は「気持がだんだん穏やかになる」を、作り毎回自己暗示しました。
 すると、来会する度に「あまり腹が立たなくなった」「最近疲れなくなった」と報告
してくれました。またすぐに水を飲むことと、怒りの感情をその場でダイレクトに出す
「自己暗示呼吸」も効果的に働きました。また、自分の内面をより理解できたためか
最近では滅多に腹が立つことはなくなり、奥さんが大変驚いたそうです。
 わずか二ヵ月半、10時間の指導でしたが、Nさんは長年の悩みから解放され、今では
すっかり穏やかになり、奥さんとまったく争うこともなくなり、また従業員達とも
以前より、グット和やかなり、毎日楽しにお店で働いているそうです。

 ◆ 自己暗示呼吸とは、1 大きく息を吸います。2鼻を指で押さえて口から
「怒りをスッカリ吐き出す」ようなつもりで、力強く「フッー」と吐きます。
 5回から10回行うと大変効き目がありますので、心あたりのある方はぜひお試し
 ください。

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