サヨナラ私のスタジオ

ここ何日か一気に秋が来たように涼しい。
ベランダに出ると東の空が朝焼けだったが、私にとって今日は記念すべき日だ。
昨夜は久しぶりにアルコールを飲んだが、また夜中に目覚めて、いろいろ考えた。
　この二ヶ月間はあまりにも色々なことがあり過ぎた。
緊急入院二回を含めて夫は三回、４０日間入院して、私はほとんど毎日病院へ
通ったが、その間右人差し指を脱臼したり、スタジオのサヨナラパーティ二回。
　体力の限界を感じながらも、本当によくがんばったと思う。
そして今日、スタジオは明日から人に貸すことにしたので、昨日は友人に手伝って
貰い、腰を気にしながら朝から夕方まで一所懸命がんばってお掃除をした。
　それは私を支えて下さった「スタジオの神様」への感謝の気持ちだ。
私の３つ目のダンススタジオは、今日でさよならをする。
　スタジオで指導してきた心理療法の身体面の指導は、カウンセリングルーム
ですることにした。淋しさよりむしろすがすがしい気分がする。
　カーテンがなくなったので、殺風景だが最後まで飾ってあったシバ紳と、リシケシ
のガンジス河原で拾った石を携帯におさめた。
　名前は一人歩きしているので、存続することに決めた。
今日で８月も終わる。さまざまな思い出を残して・・・
　※有難うございました。私の神様　
　

１８年間に感謝して

☆私のスタジオも後二日でさようなら
　ヨーガ教室をやりたいと言うその人は、私のスタジオが大変気に行ったようで
契約する前に、スタジオにある備品でもしも必要なものがあれば、差し上げるので
ということで事前にスタジオに来てもらった。
　いろいろ話したが、掃除用具から大きなクマのぬいぐるみまで、全部欲しいと
言ったので、処分するのはカーテンと絨毯で、そのまま全部使ってくれることに
なった。ところが気が変わったのか、音響機器と備え付けのガラス戸棚と
ホワイトボード以外、シャンデリアまで外して欲しいと要求してきた。
　契約後だからはねつけつこともできたが、私としては命のように大切にしてきた
スタジオなので、どうせなら気分良くお貸ししたいので、その要求をのむことに
した。それからが大変だった。業者を頼んでテーブル、椅子その他の備品もすべて
処分し、電気屋さんにお願いし照明器具を外したり、本当に大変だった。
　それらは今日でほとんど終わったが、広くなったスタジオは建築後１８年経過
しているが、その割にはとてもきれいだが、私はお世話になったスタジオを少し
でもきれいな状態で引き渡したいと、毎日心をこめてきれいにしている。
　

大根と格闘した日

☆　パーティ料理の一品
　こんなに沢山大根だけを煮るのは初めてだが、先日一回目のお別れ会の時に
みんな一番先に手を出したのは大根だったから、どうしてもスタジオの
「サヨナラパーティ」に出したかった。
　今野菜が総体的に高いが、近くのスーパーに行ったら、半分の大根が300円
以上で、「え！大根が一本６００円、高いな」とは思ったが、大根は頭に近い方
が絶対に美味しいので、そこにあった大根の上の部分を全部買い占めてきた。
　※まだナマの大根
　　

　少々高くても、パーティ料理の一つと思えば安いものだ、それから皮をむいて
から適度な厚切りに片面だけ面取りをし、裏に隠し包丁を入れた。
　こんなに沢山の大根を煮るのは生まれて初めてだが、大量煮るお鍋はない。
「そうだ蒸し器なら大丈夫かも」と、しばらく使っていない大きい蒸し器を高い棚
から下ろしたら、何とかそれで大丈夫なようだ。
　一度さっとゆでてから、ザルにあけようとしたが、とても重くて私の力では
お鍋が持ち上がらず、夫に手伝ってもらいザルにあけた。
　　※茹であがった大根
　　　
我が家特製のだし汁にお醤油、塩、みりん、お酒、お砂糖、こぶを入れて
一時間ほど煮込んで火を止めた。時々味を見て調味料の調整をしたが、それを
何度かくり返した。だんだん冷えていく度に味が染み込んでいくはず。そして
一晩置いた。パーティ当日は私の創作料理その他、お寿司など食べきれないほど
いろいろあったが、大根は見事にみんな売れたようで、一所懸命やった甲斐が
あったとトッテモ嬉しかった。ついでだからお話するが、発酵食品のぬか漬けも
好評で、ことにニンジンは美味しいと友人が、みんなに配ってくれた。
　それはニンジンの皮をむいて三日間糠ずけにして、少し酸味を出したものだった
が、ピクルス風にと工夫し、何度か試作したもので、私も実は美味しいと思っ。
　※　すごい量の煮上げた大根
　

懐かしいカナダ

　昨夜テレビでカナダを放映していたが、たまらなく懐かしい思いで見た。
初めて行ったのは多分３０年位前だと思うが、カナデアン・ローッキー、ト
ロント、ビクトリア島にあるブッチャードガーデン、ナイアガラの滝
バンクーバーだと思うが、本当に素晴らしかった。
　その後は友人と行ったが、最後は夫と行ったのは、４回目のカナダだった。
その時はホテルはすべて５つ星、飛行機はビジネスクラス、オーレンシャン
高原へ紅葉を見るのが主な目的だった。
　水上飛行機エキサイティングで、空から見たオーレンシャン高原は最高に
美しかった。ナイアガラの滝へも行ったが、遊覧船に乗ったり、ホテルは滝の
傍だったので、夜はライトアップされた滝を２人で見たが、とても幻想的で
美しかった。でも秋のカンデアン・ロッキーは、夏と違ってモノトーンで
淋しかった。嬉しかったのは一度は泊まりたいと思った、「レイクルーズ」など
有名なホテルばかりだった。
　※　二回行ったカナダビクトリア島、ブッチャードガーデン。

　私は仕事がらみや、観光で行きたい国はほとんど行ったが（３５カ国）夫は
仕事人間だったので、リタイアしてから、スイス、ニュージーランド、イタリア
カナダ、ハワイ（それはファミリー９人も一緒で、ハワイは３回招待した）
旅行を、長年一所懸命に働き、私を保護者のように寛容に受け止めた夫に
感謝してプレゼントした。これは妻として本当に嬉しいことだったが、ドイツも行く
つもりだったが、もう長い旅は疲れるから嫌だと彼は言ったので。二人だけの海外
旅行は終わりになった。
　でも二人だけでリッチな海外旅行に、４カ国行けただけでも幸せだったと思う。
私はナイアガラの滝は、カナダ側からもアメリカ側からも、確か４回行った
はずだ。それにしても・・・昨年末思いがけなくパリの格安ツアーに誘われて
行ったが、これからは今の状態では、おそらく海外旅行は不可能だろう。
　でもテレビで見る観光地はほとんど行ったので、楽しい思い出が蘇るのは
とても幸せだと思っている。
　

これも人生の一ページ

　２６年８月２７日、夜中に目覚めてベランダに出たら、涼しい風が吹いて
いて、季節は巡っているのを感じる。季節に例えると私の人生も晩秋だ。
　もしも死ぬ自由があったら、私はもう十分生きたし、やり残したことは何も
ないからすぐに死んでも良いと、ホンネで思っている。
　しかし、それは無責任で、今自分に与えられていることは遂行しなければ
ならない。「しんどいな」と思うこともあるけれど、今までかなり自由に我慢せず
思い通りに生きてきたから、今はそのお返しの時期なのかも知れない。
　となだめてはいるけれど、今の感情を持てあましている自分がいる。
自由、責任、生、死、諦観、願望，夢、理想、達観、そんな言葉が頭の中で
グルグル周っているが、こうしながらこれからも生きていくのだろうか？

前世療法

　昨日ＮＨＫの「アサイチ」で超常現象について見て、「以前から関心があった
前世療法をお願いしたいのですが・・・」と、男性から申し込みがあった。
　私は今スタジオを明け渡すために、その荷物が三階のカウンセリングルームに
一杯で、とても部屋が使えるような状態ではないので、丁寧にお断りした。

　ご存知のない方のためにご説明いすると、「前世療法」とは、年齢退行という
催眠状態を深くする技法を使って行い、まだ自分が生まれる前の精神状態に
誘導する方法だが、実は私はあまり好きではない。
　でも、昔私と親しかった精神科医が治療の一環として催眠法を使ったら、「その
時にその患者の急に前世が出てきて、びっくりしたよ。自分はドイツ人だった
て言うんだよ」などと、こと細かく聞いたことがあった。
　それ以来私は（催眠法を使えばそんなことがあるのだ）と、関心を持ったが
その後アメリカの著名な精神科医である「ブライアン・Ｌ・ワイズ」氏の著書
「前世療法」を読んで、実際にその症例が沢山あるのに大変感銘した。
　催眠法のセラピストとして、ぜひ勉強したいと思った。
その頃にはまだ日本ではほとんど知られていなかった「前世療法」を、知人の
伝手でアメリカで学んだと言う、女性の先生を紹介され指導を受けた。
　実はその技法を習得するには、自分でその状態を体験しなければならないが
その先生に誘導されたが、失礼ながら大変技法が幼稚な上、劣悪な環境だった
ので、前世はまったく体験できなかった。
　
　その後京都の天川神社で、医師による前世療法のセミナーを受けたが、やはり
私は前世を体感できなかった。
　しかし、その技法をマスターし、希望する人に指導したことが何度かあるが
ホンネで言うと自分でもあまり良く分からない。
　また何故好きでないかと言うと、催眠法は一方的に誘導するので、クライアント
はリラックスできるイメージの世界だ。
　ところが、前世療法はクライアントに「今あなたの周りには何が見えますか？」
「あなたは今何を履いていますか？」「どんなものを着ていますか？」などなど
矢継ぎ早やに質問する。そのためそれにいちいち答えなければならないため
決してリラックスはできないと思う。
　大分以前だが、フランスの兵士だった前世が出たと言うクライアントは、深い
森の中に小屋があり、その中には血だらけの死体がたくさんあります」と言った。
　
　そんなときにも、どんなにゾッとしても冷静に対応し、そのイメージの状態を
どんどん聞きださなければならない。まして人一倍臆病な私なので、物凄いストレス
なので、あまりやりたくはない。それが果たして本当に見えるのか、イマジネー
ションなのか、定かではないが、不可思議な世界であることは確かだと思う。
　でも前世を体験したら、実際に肉体的や精神的なマイナスの要素が改善され
それが現在治療法として確立している事実も、数知れずあるようだ。
　私の数少ない経験では、自分の前世がフランスの兵士だったことを経験した
男性は、「大変勇気が出た、前に進めそうです」ときっぱり言ったことは忘れない。
　いずれにしても…　催眠法の技法では「人後に落ちない」と自認しているが
やはり前世療法はあまりやりたくはない。でも世の中には、科学では理解でき
ない事実も多々あるので「前世療法」も、心理療法としてこれからはもっと普及
するかも知れないと、私は思っているが。

次への期待感

　目覚めたのは3時、やはり頭の中はふつうの状態ではないと思う。
書きかけをを含めて、原稿を二本久しぶりでメールした。
　外はまだ真っ暗で、ムシムシしているが、外の物音が気になりベランダへ
出てみたが何だか分からない。

　昨日はパーティに参加した方から「有難うございました、楽しかった」と
言うメールが5通、電話もあり「あなたがあんなに動けるとは思わなかった」
と言われ、改めて気がついたが、そう思えば私の年齢ではねと思った。
「あんなに身軽に動けて、いろいろなことができて、このまま止める勿体ないわ。
どこかで教えれば、まして声のトレーニングなんて、初めてだったけれど、トッテモ
楽しかった。それにあなたが作詞して、男性二人と歌った第二の青春、みんなで踊った
あなたが振り付けた体操も良かった、とてもよい曲だから私覚えたいから譜面送って。
あなたがそんな先生だと知っていたら、私はスタジオへ通っていたのに残念だった」
20年近く附き合っているが、私の指導は初めての人も数人いたはずだが、やはり
とても嬉しかった。

　ボランティアセンターには大分以前に申し込んであるが、体験しないと私の
指導内容はきっと理解できないだろう。
　できるすべての要素を盛り込んであるのだから・・・・
　私は老人ホームや、精神病院や、グループホームなどでボランティアをしたいのだが
友人にダイレクトにほめられて、またあその気になったが、でも・・・・
　今の夫の状態ではできないだろうが、いつかきっと、と今思った。

宴の後に

宴の後
　スタジオのサヨナラパーティは、私自身の自己満足のためだった。
「あんなに楽しいパーティは初めてで有難うございました」とメールが3通来た
ので嬉しかった。スタジオの広さを考えて、お招きしたのは男性女性各11人。
　そのほとんどが友人達なので、好きなようにできたし、創作料理も好評だった
のでよかった。自己満足とは言えこのパーティのために、私はどれほどの
エネルギーを消費したのだろう。そう沢山飲んだ覚えはないが、このひと月間
ほとんど飲まなかったためか、途中からまったく意識がなく全然覚えていない。
　今朝目が覚めたら、テーブルの上はグラスでイッパイで、お皿類もすべて洗って
台所きれいになっていた。
　スタジオへ行くと、同じようにゴミも全部袋に入れてあり、お花も全部鏡の前
にきれいに並べられていて、本当に友人達は有難いと感謝した。
　このお花達はブリざーとフラワーを入れて7つあったが、長年私を支えてくれた
スタジオに感謝して、最後まで飾っておこうと思っている。
　※頂いたお花
　本来ならば私が全員を送りださなければいけないのに・・・・
途中からの記憶がまったくないのは、本当にいつもだらしがないと思った。
　そんな自分に呆れながら、これで一つのセレモニーは終わったと感慨深かった。
ある男性はのし袋に「次のスタートのために」と書いて、驚くほど高額のお祝い？
を包んで下さったが、他の友人ものし袋に「次のスタート応援します」と書いて
あった。また私がなにか始めると、もしかしたら期待されているのかも知れないが
今現在は夫のことで精一杯だから、そんなエネルギーはない。
　冷蔵庫を開けたら、ダイアアイスが沢山残っていて、昨日は氷が足りなかった
のではと思ったが、ワインがよく開いていたので、大丈夫だったのかしらとも
思ったが、済んだことは仕方がない。
　朝からボーっとしているが、今日はこのままの状態なのだろうか？

インドの聖地リシケシの朝

　4時15分、今朝は珍しく自然に目が覚めた。
瞑想をしていたら、アシュラムの瞑想の時間の終わりを告げる「オームー」と
アルナ先生の声が聞こえた。これは最高の気分、起きてベランダに出たら、西の
空に朝焼けが見えた。思わず深呼吸をする。
　今日はスタジオのお別れパーティ、何をやるべきか朝からめまぐるしく頭が
回転するが、今朝は最高に冴えていると感じる。
　私の最後の自己満足のほとんど友人ばかりの、楽しいパーティだ、さあ張り
きって今日も、元気で楽しくいこう！！
　※我が家のベランダから見た狭い空に朝焼け
　　　

約束の順位

　私はあることで大変ショックを受けた。
それは一度した約束を反故されたことだが、人それぞれの事情があり、決して責める
つもりはない。しかし、その釈然としない気持ちは、今でも私の中に燻っている。
　過去にはスタジオのスタッフに裏切られたことは、二度ほどあったが　私は猜疑心
がなく、すぐに人を信じる方だ。過去には友人達に、「あぶなかしくって見ていら
れないよ」とよく言われたが、その割にはほとんど騙された事はない。
　長年生きてきて、そんな経験がないのは幸運かも知れないが。
今度も只約束がキャンセルされただけだが、その内容は私にとっては大変重要なこと
だった。人それぞれの価値観や、考え方の相違はあるが、事情はどうあれ、腹が立つ
と言うのではないが、淋しかったことは事実だ。
　自己中心的な私なので、「あ、そうなの」だけでは済まない感情を持て余して
いるが、もしかしたら他の人は時々感じている事なのだろう。
　昔は先生方に「あなたを中心に地球が周っているんじゃないからね」と、よく
からかわれたが、今でもそんな片鱗は残っているのかも知れない。