ちょっといい気分

　　　★　実年齢との差
　間もなく真夏を迎えるが、あまりにも夏用の衣類が多く、今年は絶対買わ
ない心に決めていた。でも流行が変化して、昨年のものは余程気に入った
もの以外は、色あせて見える。そして、気がついたら５点も買っていた。
　昨日Ｒ大に初めて着て行ったら、美人でセンスの良い友人から、「昨日は
若々しくてとても可愛かったわよ」と、嬉しいメールが入り、大ファンの
クラスメートからも「あなたの姿を携帯ビデオに撮りたくて、でも失敗して
残念」とメールが入って、また嬉しくなってしまった。
　つまりわたしはほめ言葉を、そのまま素直に受け止める性格なで、実に扱い
やすいタイプなのだと、自分でも大変理解している。
　三年前あるところに入会するとき、その申込書を書いた友人が、「生年
月日を１０年若く書こうよ。だって勿体ないもの」と言って、ためらうわたし
の前でそれを提出したのだ。わたしも黙っていれば、平気でその位はＯＫと
思っていたし、公的なものではないから「ま、いっか」と思った。
　　　　☆　他人に迷惑かけるわけではないし
　その時からわたしの精神年齢は、いつの間にか、公的以外はすべて１０歳若く
なったが、一応それなりの自信はある。しかし、そのためには、日頃の心身の
トレーニングが欠かせない。今日もダンススタジオで、足の違和感を気にし
つつ自分のレッスンをしたが、鏡が壁面の全面にＬ字型に張ってあるので
全身がハッキリ見える。後ろ姿は背中に肉は付いているが、でも年齢にしては
かなりいい線いっている、これなら当分１０歳はごまかせると、厚かましいが
ちょっと安心する。先日会った大学教授の友人が、わたしをじっと見て
「やっぱりあなたが羨ましいわ」と、しみじみ言ったが、この年齢にして人
から羨ましがられるような、わたし今の生活は、かなり幸せな部類の人間
かもしれない。今ある事情で全身のエステに通っているが、お世辞かもしれ
ないが、「お年を知ってびっくりしました」ナーンテ言われて、内心で
（エヘヘ、やっぱりね。）と喜んでいる単純なわたしなのでアーリマス。
　今日は雨だけど、これを書いていたら、すっかり嬉しくなりました。

能里子のワンポイントアドバイス

　　☆　カルシューム不足に日本人　２
　骨は絶えずつくりかえられていますが、でも老化で骨の細胞が弱わまって
くると、それに伴って骨も弱まるのです。骨には血液中のカルシュームを
取り入れる「骨芽細胞」と、血液の中にカルシュームを戻す役割を果たす
「破骨細胞」がありますが、この二つがバランスよく働いていれば何の
問題もありません。ところが年齢とともに「破骨細胞」が活発に働くので
骨の量がだんだん少なくなるようです。骨に「す」ができて骨がだんだん
弱くなり、「骨そしょう症」となり、少しのショックで、骨がつぶれたり
折れたりするのです。ことに女性は男性に比べて骨が細く、また骨の蓄積量も
少ないので、強度は男性より、年齢にすると１０歳以上弱いのだそうです。
　カルシュームを多く含む食品は、小魚、干しエビ、納豆、チーズなどで
野菜では小松菜がダントツです。もっとも手軽に効率が良いのが、牛乳ですが
２００グラムで２００ミリグラム近くも摂取できる優れものです。
　ことにダイエット経験のある方や、現在ダイエットしている方は、多めに
カルシュームを摂りましょう。カロリーが気になるようでしたら、サプリメント
をうまく利用なさることをお薦めいたします。
　また若い男性も油断することなく、ストレスケアーにも、将来の健康にも
効果的なカルシュームを心してとりましょう。
　いちいち面倒なようですが、これからお食事は「頭を使って食べる」ことを
習慣になさるようにしましょう。

能里子のワンポイントアドバイス

　　　　☆　カルシューム不足の日本人
　日本は火山灰国のため、土壌や水に含まれるカルシュームの含有量は大変
少ないそうです。ですから、日本の土壌で生育する動植物は、他の国と比較
して、すべてのカルシュームの含有量は低いのです。
　ところが日本は海に囲まれた国ですから、かっては小魚や海藻類をよく食べ
また青い野菜類なども（ビニールハウスではなく、直接日光を受けた露地もの）
多く食べていました。それでカルシュームを補っていたのですが、食生活の変化
とと、だんだんカルシュームの摂り方が少なくなってきたのです。
　さらに日常食べている加工食品（豆腐、チーズなどさまざまなもの）に含ま
れている燐酸と体内で結合されるため、りん酸カルシュームとなって、体外に
排泄されてしまうようです。日本人のカルシューム摂取必要量は以前一律に
６００グラムでしたが、その頃でさえ８００グラムは必要だと言われていました。
　最近では年齢と性別で、多少の変化があるようですので、関心がある方は
ＰＣで厚生労働省の「各栄養の摂取量」を調べて下さい。
　カルシュームは体にとって、五番目に多い元素であり、体全体の２％を占めて
いると言われています。これが不足すると、さまざまな弊害があると言われて
いますので、ご紹介しましょう。
　１　ストレスを受けやすくなる。
　２　頭の働きが低下する。
　３　情緒不安定になる。
　４　骨折しやすくなり、骨そしょう症の原因になる。
　５　抵抗力や、免疫力が低下する。
　６　歯が弱くなる。
　７　肌が荒れ、皮膚が乾燥しやすくなる。
　８　目が疲れやすく、視力が落ちる。
　その他カルシューム不足が原因で引き起こされる可能性が高いのは
心臓疾患、糖尿病、腎臓結石、不眠症、じんましん、貧血などですが、とても
一度に書ききれませんので、この続きはまた明日にしましょう。

やりきれなさともどかしさと

　　　☆ 久しぶりに会った親友
　昨日は梅雨寒の日だったが、久しぶりに友人に会うのが嬉しくて、わたしは
以前のように霞が関から日比谷公園を抜けて歩いたが、小雨の日比谷公園は
ほとんど人影がなかったが緑が美しく、とても静謐な雰囲気だった。
　花園には相変わらず何種類もの花が咲いていたが、「ルージュ」と言うバラが
ほんの数輪だったが、赤くあでやかでわたしは立ち止まってしばらく見とれた。
　久しぶりに会う親友は、オンタイムで行ったわたしをすでに待っていてくれた
が、やはりやつれたような気がしたが、案外元気だったので安心した。
　二人でいろいろおしゃべりしながら、ゆっくり食事をして、銀座の行きつけの
お店でショッピングをした。以前だったらわたしと張り合うように買った彼女が
まったく興味を示さないのが、ほとんど外出しないためだろうと、７キロも体重
が減った親友を、わたしはそっと観察した。
　わたしは、「この夏は絶対買わないぞ」と決めていたが、やはり見てみると
今年の流行が欲しくなり、我慢できず４点をまとめ買いしてしまった。

　その後お茶を飲みながら、いろいろ話したが、「インシュリン注射をするか
入院するか、どちらかを選ぶように」と、病院で言われたのに、彼女は「母親を
看ているので入院はできないし、インシュリンを打つのは嫌だ」と拒否したそ
うだ。すると、先生から「もう来ないでほしい」と言われ、さらに「たとえ
救急車で来ても絶対に断る」とまで言われたそうだ。
　冷静であるべき医師が、それまで感情的になったのは、多分親友はかなり
かたくななため、今まで病院の先生の指示を守らなかったのだろう。
　そのため、常識的に考えても、かなり重症の糖尿病患者なのに、しばらく
治療を受けていないようで、わたしにはとても信じられない。
　目がハッキリ見えない、手足がしびれる、腰が痛い、だるくて仕方がない
など話すが、（それはあなたが、お医者さんの言いつけを守らないからでしょ！）
と言いたいのを、グッと堪える。彼女は「あなたは健康で羨ましいわ。昔から
わたしと違って、食事や運動に人一倍注意していたものね。わたしもあなたの
アドバイスを聞いて気をつければよかったのよね」としみじみ言った。

（もう昔から口を酸っぱくして、いろいろ薦めていたのに……せめてお医者
さんの言うことは守ってよね）とわたしは思った。
　もしもインシュリンの注射を打たなければ、これから加齢現象とともに、いろ
いろな症状が出て、人工透析になるし、最悪の場合には、恐ろしい失明や足の
切断ともなるに違いない。しかいいくらわたしがそれを言っても、相変らず
「わたしは大丈夫だから、その内違うお医者さんへ行くから」と、ご当人は
いたって呑気だ。
　わたしはとても心配で悲しかったが、どうすることもできない。
別れる時に「お願いだから、違う病院で治療を受けてよね。そしてまた元気に
なって一緒に旅行に行きましょうよ」と言うと、「ありがとう。でも母親がいる
し留守にできないし、それに体が疲れるから、遠出はできそうもないわ」と
それだけはキッパリ言った。もうこれ以上は言えない位話しても、まるで「糠
に釘状態」で、自分の体に対する、危機感や切迫感が希薄な親友は、わたしの
力ではどうすることもできないのだ。
　久しぶりで喜んで会った親友なのに、わたしはもどかしさと、やりきれなさと
心配のためで昨夜はとても熟睡できなかった。

あなたはおじさんと呼ばれたことがありますか？ ２

　◆ 同性を見て「あいつはおじんだな」と感じた行動、態度など。
　１　体を動かす度に「よいしょ」と言う。
　２　若い人に迎合して、無理をする。
　３　すぐにお説教したがる。
　４　喫茶店や飲み屋などのおしぼりで、顔や首を拭く。
　５　後姿が疲れている。
　６　いつも病院の薬を飲んでいる。
　７　何か読むとき遠くに離したり、メガネをはずす。
　８　自分の趣味を押し付ける。
　９　若い女性が傍にいると、実に嬉しそう。
　１０　昔の話をしたり、自慢話をしたりが多い。
　◆ 同じ質問を女性にしてみると……
　１　おしぼり。
　２　人前で大口をあいて、楊枝をつかう。
　３　大あくびやゲップなど、チケットに関するものがダントツでした。
　４　ＯＡ機器を使いこなせない。
　５　仕事中に「アーア」とため息、いちいち「ヨイショ」と掛け声をかける。
　６　コロンがきつい、ポマードがベタベタ。
　７　無理して若ぶる。
　８　一緒に飲みに行きたがる。
　９　お酒が入るとお説教したり絡んだりしたりする。
　１０ハンカチがクシャクシャ、ネクタイがよれよれ。
　まだまだ男性女性とも数えきれないほどありましたが、紙面の都合上カット
しました。それぞれが、エチケットに関することが多く、営業マンのあなたも
もしも思い当たることがありましたら、ぜひご注意くださいね。
　ことに女性は生理的な不快感を大変嫌いますので、身だしなみや、マナーには
十分気をつけていただきたいと思います。
　次は女性から見た、好感を持てる男性です。
　◆　「素敵なおじさまタイプ」は？
　　１　仕事一本やりではなく、生活を楽しむゆとりがあること。
　　２　いつも向上心があること。
　　３　考え方がフレキシブルなこと。
　　４　何歳になっても好奇心があり、思いやりがあること。
　　５　知性があり、信頼できて相談に乗ってくれること。
　　「素敵なおじ様のルックス」について
　清潔感があり、お腹が出ていないこと。背筋がスッと伸びて、背丈がスラット
している。目ガイキイキしていることなどでした。
　年々性の差が少なくなっている現在ですが、やはり女性の好みは、「頼もしく
明るく、そしてデリカシーのある男性」のようでした。
　「内容で勝負」は死語になりつつありますが、「おじさん」と思う方も、また
そうでない方も、内面も外面も磨きながら、ますますご自分を向上させ、お仕事
でもプライぺートでもご活躍していただきたいと思います。

　もう１８年も前の記事ですが、一部をのぞいては現代とあまり変化はない
ような気がしました。その頃このアンケートにお力添え下さった方々も、もう
皆さん立派な？おじ様になっていらっしゃることでしょう。
　古い記事ですが、昔を懐かしく思い出しながら書きました。

「おじさん」と言われたことありますか？

　　　☆ 昔の連載記事から
　これはわたしが１９９０年にダイヤモンド社発行の「月刊・セールス」に
連載していた一部です。比較的若い男性向きだと思いますが、時代の流れと
もに、価値観や考え方が変化していますが、こんな感情は現在でも同じではと
思い、古いものですがちょっと面白いのではと思い、ご紹介しました。
　
「おじさん」なんと親しげな言葉でしょう。この言葉は、ほんの少し前までは
あまり抵抗感はなかったようですが……でも時代の移り変わりと共に微妙に
そして確実に変化をしています。あなたはご自分を「オレはおじんだな」と
思ったことはありますか？これはわたしがいろいろな企業の方２００人に
ご協力いただき、直接集めたアンケート調査をもとに、ビジネスマンが自分で
感じる、また同性に対して感じる「おじさん度の意識」についての意識ついて
まとめました。
　　◆ 子供以外に「おじさん」とよびかけられたら？
　　　　２０代　腹が立つ　８８％　　　　気にしない１２％
　　　　３０代　“　　　　６７％　　　　”　　　　３３％
　　　　４０代　　“　　　６１％　　　　”　　　　３９％
　ことに都会では「おじさん」と呼びかけられるような雰囲気の人が少ないので
よけいこだわってしまうのではないかと思いますが。
　　◆ ご自分を「おじさん」と思いますか？
　　　　２０代　はい　　２９％　　　　　いいえ７１％
　　　　３０代　“　　　３６％　　　　　　”　６７％
　　　　４０代　“　　　６８％　　　　　　”　３２％
２０代ですでに「おじさん」と認めてる方が、予想よりずっと多いので、わたし
は驚いてしまいました。（でも現代では多分ずいぶん違うのではと感じます）
　　◆ 「おじさんと思う」とお答下さった方に、どんな時感じますか？
　　　　２０代　１　体重が増え始めた。
　　　　２　徹夜がとても答える。
　　　　３　激しい運動をするとバテる。
　　　　４　父親になったとき。
　　　　５　若い女性（自分より４・５歳年下位から）と話が合わない。
　　　　６　お酒が次の日まで残る。
　　　　７　高校生に「おじさん」と呼ばれたとき。
　　　　３０代　１　若い人と話が合わない。
　　　　２　体力が低下し、疲れが翌日まで残る。
　　　　３　体形の変化（おなかが出てきた）
　　　　４　服装があまり気にならなくなった。
　　　　５　電車では一駅でも座る。
　　　　６　筋肉の張りが無くなった。
　　　　７　毛髪がだんだん気になってきた。
　　　　４０代
　　　　１　疲れやすくなった。
　　　　２　好奇心が少なくなった。
　　　　３　お腹が出てきた。
　　　　４　ＯＡ機器が苦手（面倒臭い、目が疲れるなど）
　　　　５　薬やドリンク剤をよく飲むようになった。
　　　　６　体のどこかが、いつも不安。
　　　　７　老眼になり、髪が少なくなったり、白髪がふえてきた。
　やはり肉体的な衰えで「おじさん」を感じている方が多いようです。
　　でも「心は決して老化しない」ことは確かですので、生理的変化と
上手に付き合いながら、気持ちを若々しく保ち、ハリのある毎日が欠かせ
ませんね。なぜならご自分を「おじさん」だと認めている方でも、「オレは
まだ若い、おじさんなんて呼ばれたくない」と、ホンネでは思ってらっしゃ
ることを、わたしは強く感じたからです。
　長くなりますので、後半は明日ご紹介いたしましょう。とても面白いですよ。
その頃の「ナマのビジネスマンのホンネ」ですから、ご期待ください。

夢は何かを教えてくれる？

　　　☆ わたしが見た夢
　それは親しい友人が亡くなって,わたしが悲しんでいる夢だったが、目が
覚めたら、もしもそんなことがあったらと、悲しくて、淋しくて眠れなくなり
その友人にメールをした。そのまま眠ったら、その続きを見るような気がして
しばらく眠れなかったが、いつの間にか眠ったらしい。
　その前日に講演があったので、気がつかずに神経が疲れていたのかも
知れない。今日その友人に会って、「絶対に死なないでね。」と約束させたが
彼は笑っていたが、でもこればかりは自分では決められないし、まったく分か
らない。
　家に帰ったら、我が家に３０年以上通っているお手伝いさんのご主人が、交通
事故に遭い、人事不省であることを聞いて驚き、本当にお気の毒と思った。
　もしかして、わたしの昨日見た夢に関係があるのかしら？などと考えてし
まった。先日講演した会場の質疑応答で、「夢はカラーですか？」、「夢枕と
言うのは実際あるものでしょうか？」と、講演の内容には関係のない質問が
あった。自分なりにお答えはしたが、大分以前に、ユングの「夢分析」という
学問をかじったことがあり、それが自分のイメージとはあまりに違う内容に
幻滅し止めたが、でもそれらが、わたしにとって決して無駄ではなかったと感じた。それにしても、深層意識は計り知れない未知の世界だ、こころの奥には混沌
としたものが、存在することは明らかだ。その「こころ」によって、気がつかず
にわたし達はコントロールされているのかもしれない。

懐かしくて

　　　☆久しぶりに会う親友
　わたしの親友は中学三年生からの友人だ。わたしは私立中学へ入学したが
クラス替えになり、その時仲良くなったのがＳさんだった。
　初めは４人グループだったが、他の友人とはだんだん波長が合わなくなり
何となく離れていったが、彼女とは一生付き合いたいと思った友人だった。
　独身の彼女とは国内はもとより、海外旅行も何度行ったか数えきれないほどだ。
肯定的で、我儘だが、比較的素直で猜疑心がないわたしに対して、彼女は全く
逆のタイプなのに何故か波長が合い、二人でいると話が合い楽しかった。
　二人とも「さそり座の女」だったのも、もしかして互いに気が合ったのかも
しれない。誕生日が近いわたし達は毎年、二人でバースデイを祝い国内旅行を
したり、また都内の一流ホテルに宿泊し祝杯を上げたりした。
　そんな彼女は長年糖尿病を患っていて、健康状態が悪くほとんど外出はしな
いそうだ。しばらく会っていないが、先日書いたブログ「ヴィネチアの思い出」
で、Ｓさんを思い出し、会いたくなり電話してみたら、このところ案外元気なので
長年毎月会っていた有楽町で会うことになった。
　わたしは以前有楽町の駅前に勤めていた友人に会うため、いつも霞が関から
日比谷公園と通り抜け、有楽町へ行った。
　そこから二人で銀座へが、懐かしいルートだったが、久しぶりに親友に会う
ため思い出のルートを歩こうと、ちょっと嬉しくなった。

　

大きな仕事が終わって

　　　☆ 初体験
　昨日はある会社の安全衛生大会（第二次産業が、無事故で過ごせるように
毎年行われるようだ）に招かれ、「毎日を快適に過ごすために」と言うタイ
トルで講演した。
　鉄道関係の企業のため、その参加者は全員男性で、多分１５０名位、全員が
スーツ姿だった。わたしは以前大手の企業で研修講師を務めていたが、社長
クラスから、新入社員まで研修の経験があるので、男性がいくら大勢でも全く
ビビらない。ところが、昨日は初めてパワーポイントを使うので、メカオンチ
のわたしは実は不安で仕方なかった。
　早めに会場に行き、そこで昨年創立６０周年の記念大会にわたしを招いて
くださって、顔見知りの会長さん、社長さん、専務さん達と挨拶をかわし
そのことを話したら、「先生でもそんなことがあるのですか？」と大変驚かれた。
　「別に失敗したっていいじゃないですか、実は去年先生の話を聴いた
人が、ぜひもう一度先生の話を聴きたいと参加した人もいるのですから」と
会長がおっしゃったので、何だかほっとした。
　初めてのパワーポイントは、お陰様でスムーズに作動し、九十分の講演は
オンタイムで終わった。わたしは講演の度ごとに、いつも自分の心の中で
採点するが、八五点位でまずまずの出来栄えだったと思う。
　中には全く白けたような態度の人も三人ほどいたようだが、どこの会場でも
その手の人は必ずいるので、あまり気にならなかった。
　何歳になっても「生まれてはじめての経験」があるが、やはり時代に適応するには逃げていては駄目だと痛感し、これからもこの効果的なパワーポイントを
機会ある度に使いたいと思った。そして、その日の夫と乾杯したビールは
とても美味しく、寝不足のわたしは子供時間にベッドへ入った。

初めてのパワーポイント

　　　☆ 不安になって
　今日はある会社の衛生安全大会で講演することになっているが、その時初めて
パワ-ポイント（プレゼンテーション用ソフト）を使ってお話をするが、メカ
オンチのわたしは、夜中に目覚めたら心配で眠れなくなった。
　北京の世界心理学会で発表のため、超軽量の小型パソコンを買い、パワーポ
イントも習ったが、その前に今日の講演のために、生まれて初めて自分で作った
ものを使用するからだ。準備は万端だし、講演先ではパソコンに強い人をわたし
につけて下さるそうだが、不安でならないのは初体験だからかもしれない。
　人の前で話すことは馴れているし、わたしの得意分野だから心配ないのに……
１２時前に目が覚めて、がんばって眠ろうとしてもどうしてもダメだったので
起きてしまった。でも寝不足ではお肌の具合も良くないし、やっぱりもう一度
ベッドに入ろう。睡眠薬を飲んだ方が良さそうだ、ベランダに出たら雨が降って
いた。