☆ 幼い頃の思い出
梅が丘のホームで電車を待っている間も、大きなぼたん雪が沢山降って
いた。すると、幼い頃雪が降ると嬉しくて、寒い縁側でいつまでも降る雪を
見ていたことを思い出した。じっと見ていると、自分も雪と同じように
地面に落ちて行くような気持ちになるのが、子供心に不思議でならなかった。
わたしは電車が来るまでしばらくの間、美しいぼたん雪をじっと見ていたら
まるで幼い頃と同じような気分になった。降る雪と共にわたしも地面に落ち
ていく……お河童頭の幼いわたしが、廊下に立ってガラス度に顔をつけて
じっと雪を見ているような、時限を超えた自分に出会ったような気がした。
どこからか「寒いからお部屋に入りなさい」と、一瞬母の声が聞こえたような
気がした。滅多に雪が降らない東京では、子供にとって雪は美しいもので、嬉しいものだった。
久方ぶりの雪は、はるか昔の記憶がよみがえったが、メンタルな意味では
幼い頃も今の年齢もあまり変化はないような気がした。
梅が丘のホームで電車を待っている間も、大きなぼたん雪が沢山降って
いた。すると、幼い頃雪が降ると嬉しくて、寒い縁側でいつまでも降る雪を
見ていたことを思い出した。じっと見ていると、自分も雪と同じように
地面に落ちて行くような気持ちになるのが、子供心に不思議でならなかった。
わたしは電車が来るまでしばらくの間、美しいぼたん雪をじっと見ていたら
まるで幼い頃と同じような気分になった。降る雪と共にわたしも地面に落ち
ていく……お河童頭の幼いわたしが、廊下に立ってガラス度に顔をつけて
じっと雪を見ているような、時限を超えた自分に出会ったような気がした。
どこからか「寒いからお部屋に入りなさい」と、一瞬母の声が聞こえたような
気がした。滅多に雪が降らない東京では、子供にとって雪は美しいもので、嬉しいものだった。
久方ぶりの雪は、はるか昔の記憶がよみがえったが、メンタルな意味では
幼い頃も今の年齢もあまり変化はないような気がした。