劇的な「くすり」の効き目

　一昨夜入浴してから何故か気分が悪くなくなり、８時半頃にベッドに
入った。そして目が覚めたら、めまいがしていた。
　「これはもしかしたら何年か前やった、良性突発性頭位めまい症」だと
気づいた。頭が上げられないほどめまいがするので、夫を一所懸命に起こした。
　そして薬箱から以前キープしてあった「メリスロン」をさがし、１２時過ぎ
水をペットボトルに入れて持ってきてもらい、寝たまま飲んだ。
　周りがぐるぐる回っていて、まったく動くことができない、そのまま身動き
せず、目を閉じたが何時の間にか眠ったようだ。

　４時３０分、もう一度２錠飲んだが、さっきよりめまいはおさまっている。
今日はブロードウエイ、ミュージュカルを見に行くが、この調子ではとても
行けそうもない。そろそろ起きてトイレへ行ったが、明らかに目まいはおさ
まっている。以前飲んだ薬をすぐ飲んだのが、劇的に効いたのだと、とても
嬉しかった　健康で薬など滅多に飲まないから、よけいに効き目があったの
だろう。ベッドに戻りまた少し寝てから、夫と一緒にホームドクターへ歩いて
診察に行けたのは、どうにも身動きできなかった以前とは全然違い、本当に
有難たかった。吐き気も全然ない、帰ってからお昼の御飯も食べられた。

　３年前の８月に物凄いめまいでまったく動けず、救急車で入院したが
それから１カ月後にまた再発したが、それが「良性突発性頭位めまい症」
だった。それ以来その薬はいつもキープしていたので、すぐに気づいて
飲んだので、この程度で済んだのだと思った。
　夫の友人にミュージュカルは一諸に行って頂いたが、最近いろいろなことが
続いたので、この暑さもあり気づかずに疲れていたのだろう。
　一日寝ていて考えたが、この３年間で雅叙園ハワイアンライブ、国立劇場
コンサート、宝塚、ミュージュカル、４回も当日体調が悪く行けなかった。
　８月３日はジャズコンサートだが、今度は絶対に行きたい。
現在熱中症が多発しているが、ことに高齢者が多い、これから暑さは本番
だから、より体調に留意しなければと肝に銘じた。

能里子風メチャ料理

　☆　大好きな茄子料理　２点
　今茄子が旬ですが、ちょっと手間がかかるけれど、とても美味しいので
ご紹介しましょう。
１　揚げ茄子の肉詰め（２人前）
　　材料、
　　なす３つ、豚ひき肉１５０グラム、タケノコ少し、ねぎ、１本、おろし生姜少々
　　つくり方
　１　ねぎ、たけのこは細かく切る。くりぬいたなすの中身もこまかくきり、
　　　おろししょうが、小麦粉粉などを少し加えてよく混ぜる。　
　２　なすは二つ切りにし、真ん中をスプーンでくりぬく。
　３　くりぬいたなすに小麦粉か片栗粉をこすりつける。
　４　くりぬいた茄子の中に、１を詰めるが、押しつけるようにするが、盛り上
　　　がるほどつめる。それを揚げて、からし醤油で食べる。
　くりぬいた茄子は必ず小麦粉かカタクリ粉を、丁寧につけること。　
そうしないと、詰めた肉が飛び出してしまうので注意。
　


２　茄子の香りつけ
　　材料　茄子　大葉、しょうが、みょうが
　　つくり方
　　茄子を薄切りにし、大葉、みょうが、しょうがなど適当、
　それらを細かく切り、お塩を少し　まぶして重しをのせて２時間ほどおく。
　それをしぼって器にもる。味が薄かったらお醤油をかける。こんな漬物は
　　まず売っていなので、ぜひ　お試しくださいね。

懐かしい街お茶ノ水

　☆　久しぶりの山の上ホテル
　昨日はある出版社の雑誌の付録のＣＤのレコーデングをしたが、その待ち合わせ
は、お茶の水の由緒ある「山の上ホテル」だった。
　お茶の水駅で降り明大通りを歩きながら、明大で「源氏物語」の講義を受けた
のはもう何年前だったろう？もっと若い頃で娘がまだ幼い頃に、水泳を習う
ため通った懐かしい街だ。若くして結婚した私は、結婚してから料理を習ったり
色々な勉強も随分した。大家族の中で抑圧と葛藤がありながらも、自己主張
が強く我儘な私は、望んだことはほとんどやったと言うことは、かなり幸せ
だったのかしら。などと考えながら歩いていたら、すぐ山の上ホテルについた。

　山の上ホテルにも思い出がある。その頃私は婦人公論に連載記事を書いて
いたが、隣りのページでやはり連載をしていた、有名だったヨーロッパ手相術
の浅野八郎先生が、私に「ぜひ会いたい」とおっしゃったそうだ。
　そのため、編集者の紹介で山の上ホテルでランチをご馳走になって、それが
ご縁でヨーロッパ手相術も確か３年位習ったこともあったが・・・
　ホント昔は色々あった。４人で待ち合わせて、そこから近い出版社のレコー
デングスタジオで、医学博士が説明したセルフコントロール法の、実技の録音
をした。先生が録音している私を撮って下さったが、携帯とＰＣに送信した
そうだが、残念ながら届いていない。
たった今その写真が届いたのでご紹介しました。
※　録音スタジオでナレーション
　
その雑誌は１１月号で１０月２日発売だそうだが、また改めて紹介したい
と思っている。無論プロとして私の録音はほとんど、取り直しをせずに
ＯＫだった。その後医学博士達と４人で二軒はしごしたが、その仲間の
一人は３０年以上前から、私のファンだと言ってくれるが、久しぶりに沢山
褒められて、とても気分が良かった。
※打ち上げ飲み会
　
※　何故文字が揃わないのでしょう？プレビューではきちんとなっている
　のですが・・・いろいろやってもできないのです。読みにくくて
ごめんなさい。

思いがけないプレゼント

　☆　嬉しかった細やかな気遣い
　一昨日は夫の誕生日だったが、今日デイホームから帰って来た夫は
こんなプレゼントを頂いてきて、私は大変驚くと同時にとても感激した。
　それはハッピーバースデイと書かれた色紙に、スタッフ３人のやさしい
メッセージが書かれていた。また愛らしい花束も添えられていて、私は
何と細やかでやさしい心使いをして下さるのだろうと、本当に有難かった。
　こんなお仕事をする方は、皆さんきっと心やさしい方なのだろう。
２年程前に精神科の先生にデイホームに行くことをを勧められ、近くの一か所
を見学したが、そこはとても狭く、その体操は本当に幼稚だった。
　無論夫は嫌だと言ったが、梅ヶ丘近辺には沢山デイホームがあるので
何時か良いところを見つけなくてはと思っていた。
　
　でも、毎日早朝一人で起きてウオーキングに行くので、一応安心なので
そのままになっていたが、昼間はほとんど何もせず寝てばかりいる。
　ところが夫の朝の仲間のご主人が行き出したそうで、「もし良かったら
見学して見ない」と誘われ、夫と見学した。
　そこはゲルマニュームの手足温浴備や、マシーンがかなり揃っていて
広々してとてもキレイだったので、彼は大変気に入ったようだ。
　通い出してから３カ月経ったが、彼は介護１なので、費用も大変安く
現在は毎週１回通っている。マシーンを使ったり、体操をしたり、また頭の
体操的な問題をやったりするそうだ。
　家から歩いて１０分ほどの近さだが、時間は朝の９時から夕方の５時
までで、必ず車で送り迎えをしてくれる。
　思いがけないプレゼントに、私はとてもほのぼのした幸せな気分になれたが
今日もまたとても暑い日だった。
　

音楽につられて思わずチャチャチャを踊って

　今日は夫の誕生日、ダンス・スタジオで開けないので、狭い我が家で
家族と親しい人３人だけ招いて飲み会を開くが、そのための料理は、和
洋、中・合わせた料理は10品、その８品は私の手づくり。
　野菜だけ１３種類、肉、海老、ホタテ、チーズなど食材、味はとに
かくバランス良く、ヘルシーなのは確かだ。前日から準備していたので
すぐにできる。そのため今日は随分楽で、朝からのんびりしていた。
　私達の好きなラテン曲をかけていたら、「ビギン・ザ・ビギン」、そ
れを聞いたら急に踊りたくなった。彼は教師にはならなかったが、足前
は私とそう変わらない。「今日はあなたの誕生パーティをするから
手伝って」と、掃除を手伝ってもらっていたが、「ネエ、チャチャ踊ろう」
と、狭いリビングで、二人で久しぶりにチャチャチャを踊ったが、ダンス
はやはり楽しい。

　すると何故か突然に、大昔の私がダンススタジオをオープンした日を
思い出した。そのパーティ当日、物凄く沢山お花が届いて、それらを
どこに並べるかと、家族とスタッフ達と工夫していた。
　すると、スタッフが「オープン前にご夫妻で撮りましょう」と言って
撮ってくれた写真だ。傍にいるのは高校生の息子だが、その写真の夫は
こんな顔滅多に見たことがないほど、とても嬉しそうだった。
　あれから何年過ぎたことだろう。
今日それを彼に見せたら「まだ若くて、随分毛があったね」と笑ったが
月日の流れは何と早いのだろう。私達も歳をとった。
　私はこの写真を見ながら感じた。もしかしたら夫は、私の自由な
生き方が願望だったのかも知れないと・・・

能里子のワンポイントアドバイス

☆　振り回されるのなら、知らない方がよい情報
　毎日新聞の広告、折り込みちらし、テレビでのコマーシャル、ダイレクトメール
など、本当に凄いほどさまざまな情報が溢れている。
　ことに多いと感じるのは、私が関心があるためか、サプリメント類、化粧品類
健康グッズ、衣料品などだ。私の知人はとにかく新しいものが好きで、化粧品
サプリメント、健康器具など、片っぱしから買っていた。
　それなのに健康ではなく、お肌もいつも荒れていて、かなり老けて見えるのは
絶えず化粧品を変え、医者にも行かずに自分の判断で、いろいろなサプリメント
ばかり飲んでいるからではないかと思う。
　
　私自身も好奇心が強く、欲しい、試してみたいと思うが、いちいちそれらを
買ったり、使ってみたりしたらきりがないと思う。
　どんなものでもそうだが、ある程度使ってみなければ、それが自分に合うか、そう
でないかは分からない。また同じようなものを、度々変えてばかりいては結果が
出ない。あまり移り気にならず、今使っているものをしばらく続けて使ってみるのが
賢い方法だ。それであまり変化がなければ、次のものに変えるようにすると、無駄
使いもしないし、ベストだと私は思っている。いつもそれらに気持ちが揺れ動く
心の持ち主は、こんな心構えでいなければ、いくらお金があつても大変だ。
　などと偉そうに言っているが、実は自分を戒める意味もある。

恐ろしかった雷鳴

　２時過ぎに急に強い雨が降ってきて、雷が鳴り出した。
こんなに雷の音がすさまじかったのは本当に久しぶりだったが、今日は夫がそばに
いたので、同じ恐ろしくても随分気持が楽だった。夫は傍でさんざん私をからかう。
「オレにかじりついても、オレ雷より強くないからね」とか、」カーテンを閉めて
大きな音にいちいち飛び上がる私に、「雷は家に入ってこないよ」「大人はふつう
怖がらないよ」などと、ニヤニヤしながら言うので、本当に腹が立つしうるさい。

　私には一生忘れられないほど、雷にまつわる思い出が二つあるが、その一つは
まだ娘が小学５年生の時だった。その日外に遊びに行っていた娘は、急に暗くなり
夕立になりそうなので家に帰ってきた。
　すると雨がザーザー降ってきて、雷が大きな音で鳴り続けていた。
娘は私が臆病なのを知っているので「ママ怖いでしょ！」と、椅子に座って
脚をブラブラさせながら私をからかう。ますます大雨になって、凄い稲光が
していたので、私は内心恐ろしくてドキドキしていたが、娘がからかうので
癪に障り、「ママは怖いものは何にもない」と言いながら、稲光りを見ない
ために水道を出しっぱなしにして、目を閉じて食器を洗っていた。
　すると、突然強い稲光りと同時に、雷が落ちたらしく物凄い音がした。

　気がついたら、私は食堂の椅子に座っている娘の膝に飛び乗っていた。
娘も驚いただろうが、最も驚いたのは当人の私である。
　その後のことは全く記憶がないが、なぜそうしたのか自分でも全然分からないが
後で考えると、本当にお恥ずかしい話であるが、それから親の権威は失墜したのは
無論言うまでもない。
　先日娘と二人で飲んでいるとき、娘がそれを思い出して「うちのママは頼り
なくまるで私の妹のようで、私はもっとお母さんぽいママが欲しかったと思った」
と、再び言われてしまったが・・・
　それからいくら年齢を重ねても、今日もまた雷で恐怖におののく、何とも臆病で
幼い私がいる。これはおそらく一生変わらないだろう、だから私は一人では決して
生きてはいけないし、本当に困ったものだと思っている。

電話セールスにご用心

　☆　私の失敗
　ときどき「どんなものでも良いのですが、今お使いでないものを売って下さい
ませんか？」と電話がある。以前毛皮のコートや、スタジオにかけていたインドで
買った刺繍のタージマハールや、デパートで買った曼荼羅を売ったことはあったが
本当にまさしく二束三文の価格だった。
でもそれらはホントに「処分したい」と思ったので、あまり気にならなかった。
　その日は「スーツでも何でも良いのですが」、「今古着が不足しているので」と
かなりひつこい。「そう言えば捨てるに捨てられないスーツを売ると、クローゼット
が空くな」と思い、捨てるより良いかと思わず承諾してしまった。
　昔はかなり高級品を買ったし、ほとんど着ていないのが３着あるので、それを
売ってしまおうと思ったのだ。約束の時間に男性が来たが、ほかにアクセサリー
やバッグはないでしょうか、何でもよいのですが、とかなりひつこい。
　
「私は安物ばかりだけど、ちょっとしたお店一軒分位のアクセサリーはある」
と言ったら、ぜひ見せて下さいませんかと押し切られ、アクセサリーの箱を
見せてしまった。彼は素早く、プラチナや、金のチェーン、１８金の指輪
真珠の指輪、アクアマリーンの指輪など、本物だけを素早くを見つけ、「これ
は売っていただけませんか」と言ったが、昔のもので今は使ってないので
売っても良いと思った。他にありませんかとひつこく聞かれたが、もうひと箱
は最近よく使っているロングの安物ばかりだと言うと、でもぜひ見せて下さい
マネキン用に欲しいと粘られたが、それは今気に入って使っているからダメ
と言った。するとバッグなどありませんか、とかなり粘られたが、もう何も
ないとハッキリ断った。

　その結果は以前と同じように、まさしく二束三文、あまりに安いので、「売る
のは止める」と言ったら、「では５千円だけ上乗せさせて下さい、お願いします」
と拝むので少々呆れると同時に、物凄く不愉快になった。
　どうせいつかは処分しなければならないし、早く退散して欲しいと思ったし
面倒くさくなったので売ってしまった。
　もしも買った値段と比べたら、信じられない価格だけれど、しかし、あの何
とも言えず厚かましさは、嫌らしくて後味が悪かった。
　でもスーツが３着減ったクローゼットは、スカスカになった気がした。
あなたもそんな電話で、思わず乗ってしまわないようにご用心。
　金額の少なさより、その態度の嫌らしさに辟易し、何とも不愉快な日だった。

自衛隊市ヶ谷基地見学記

　これは定例の歩行会の催しだが、ふつう誰でも入れる場所ではないので、私は
興味深々だった。同じ思いの人も多いらしくこの暑さの中、２５人が参加者した。
　ＪＲ市ヶ谷駅９時集合し、歩いて１０分ほどの防衛省へ行った。
事前に人数、氏名、年齢、住所など報告してあったが、門前に並ばされ、名簿順
にチェックされる物々しさだったが、一人づつナンバー入りのカードを首に
かけて中に入った。大島から来た高校生の団体、個人できたらしい二人の女性
それに私達一行は同時に中に誘導され「見学のための説明」を受けた。
　そこから高台にある広大な庁舎群へ、エスカレーターで上がったが、男性
と女性に先導されて、所々で立ち止り、それぞれの建物の説明を受けながら
初めに市ヶ谷記念館に入館した。
　その前にはお庭のような所があり、何かホッとできる空間だった。

　市ヶ谷記念館の大講堂では、約１時間の見学だったが、中は冷房が効き過ぎて
寒いくらいだった。ビデオでその記念館の歴史についてのレクチャーがあり、その
後その館内の各部屋や、展示物などの見学をした。
　さまざまな歴史のあるその大講堂は、さすがどこも重厚で，贅沢で豪華な造り
だった。歴史の重みと共にその時代のさまざまな出来事が、私には一瞬重くのし
かかって来たようにさえ感じられた。あの有名な三島事件についても説明され
たが、衝撃的な事件は、忘れられない思い出でもあった。
　自決したと言うベランダを感慨深く眺め、視野は狭かったが一応携帯に収めた。


　その後厚生棟に案内されたが、そこにはお土産売り場もあり、ちょっと驚いた。
コンビニ、衣料品のお店、スターバックス、銀行、旅行社まであり、中に常駐する
隊員はその中で、すべて調達できるようになっているようだ。
　私達はそこで少し休憩をしたが、若い高校生達はスターバックスで何かを注文して
時間に遅れそうになっていたが、そこの入り口できちんと並ばされて、また人数を
再確認された。ヘリコプターの展示場に移動するとき、暑いグランドで若い隊員
１０人位がトレーニングしていたが、それは私がいつもやる運動と同じだったので
興味深く見たが、「私の方がハードなやり方だ」と、ちょっと嬉しかった。

　ヘリコプター展示場では、その大きさに驚き、好奇心の強い私は一応中に
乗ってみた。それは１１人乗りの大型で、１機３億円だそうで、防衛のため
一体いくら税金が使われているのだろうと、一瞬考えてしまったが、それは
重要な予算なのだから当然なのだろう。
　暑い日差しの中を歩きながら移動したが、その後殉職者慰霊の見学をし
少し樹木がある木陰に入ると、とても涼しく、私は改めて樹木の有難さ
を痛感した。９時半から１２時４５分の見学は時間通りに終わったが
儀仗広場はセレモニーのため見学できなかったが、それに出場し演技する
隊員らしい上下真っ白な制服姿は、遠くからしか見えなかったが、とても
カッコよくて、もっと近くで見たかったと私は大変残念だった。
　

　とても暑かったけれど、知らない世界を垣間見られ、少し視野が広がった
ように感じた。国の重要な防衛機関中枢の見学だから当然だが、規則で縛られた
ようなキビキビした案内に先導され、感心しながらもとても面白かった。
　
　でも、私はその反動のためか、「しばらく美術館へ行っていない、家に帰った
らお気に入りの美術館の展示物を、ネットで調べて行きたい」と突然思った。
　見学は時間通りに終わり、その後食事場所まで移動し解散した。
食事の席が離れていて、まだしゃべりたらなかったクラスメート全員で、涼しい
コーヒーショップでしばらくの間、コーヒーを飲みながら、楽しい時間を過ごした。

アンドレ・ギャニオン・シリーズを聞きながら

　夫はデイホームでいない、何となく静かだ、今日は食堂椅子を磨こうと思った。
このビルを建てた20年ほど前、デパートで一目ぼれして、食器棚とテーブル
と椅子を買ったが、暖かい感じでシッカリした木でできたセットだった。
　長年使ってもビクともしない。良く見ると椅子がかなり汚れていたので
今日はこれをきれいにしようと思った。そんな時私は必ずＢＪＭをかけるが、
今日はしっとりした「アンドレ・ギャニオン、シリーズ」にした。
　音楽には敏感な私だが、これは10年ほど前にフォーシズんホテルのラウンジで
まだその頃親しくはなかった心友が、あの「クララ・シューマン」が弾いていた
ピアノで演奏していた。

　その曲はまるで胸にやさしく広がるように、私の胸に入ってきた、こんな
不思議な感じを受けたのは初めてで、驚いて友人にその曲の名前を聞いた。
　それは「愛に包まれて」と言うタイトルだったが、私の感性がその時の状況
をもしかしたら、敏感にキャッチしたのかもしれない。
　その曲が弾きたくて、ピアノを買ってその時弾いていた友人に習った。
でも、私にはその才能がまったくないことに気づき、足掛け4年習ったが
鏡を張るためにピアノを手離した。全然未練はなかったのは、人一倍諦めの
早い私の性格のためだった。洗剤を付けたぞうきんで拭いてから、家具用
ワックスで磨いたら、見違えるようにきれになった。この椅子はきっと私の命
ある限りお世話になると思ったら、たまらなく椅子を愛おしく感じた。