ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

「世界心理治療学会」で発表した小池能里子からのアドバイス

2010年07月12日 | アドバイス
  ☆ 怒りは命を短くする
 Nさんは45歳で飲食店を経営しています。「生まれつきの短気を直したい」と
相談に訪れました。きっかけは車を運転していた時、信号が変わってもすぐスタート
しない車に、カーッとして凄いい勢いでクラクションを鳴らしたため、その車が後
から追いかけてきて口論になり、殴られたのが原因でした。
 たまたまお互いが短気同志だったので、きっとそんな結果になったのでしょう。
彼は大分以前にわたしの著書で「短気を直したサラリーマン」を読んでから、それを
思い出してはコントロールしていたそうですが、「やはり直接指導を受けたい、こんな
性格では長生きできない」と、思い切って地方から訪れてきました。
 性格分析では、その傾向が顕著だったのが、執着型気質でした。その特徴は、まじめで
几帳面、責任感が強く、融通性がなく、気分転換が苦手、別名「てんかんタイプ」とも
言われる典型的な性格でした。
 このタイプの全ての人がそうではありませんが、ふだんは物静かですが、ちょっと
カンにさわるとまるで人が変わったように、爆発的に怒りがこみ上げると言う
困ったタイプでした。

 その気持ちを出してはいけないと、ふだんは一所懸命抑えるため、胃がキリキリ
痛むのもNさんにとっては、大変辛いことでした。
 昔から「短気は短命」と言われます。「あなたは怒られている人と、怒っている人
とどちらが体に悪いか思いますか?」と、Nさんに聞いたら、「それは怒られている
人でしょう」と答えたので、わたしはこう説明しました。
 実は怒っている方が、大変体にリスクがあるのですと。怒られて我慢している人は
消化器系に影響しますが、消化器系はたとえ手術で切除しても、再生される臓器です。
 ところが、怒っている人は頭に血を上らせ、心臓に負担をかけているのです。
内臓は体の上部に行くほど、その重要度が増すそうですが、心臓も大脳も再生は
不可能なのです。ですから「怒ることは命をちじめることだ」と、シッカリ認識して
いただきました。実は娘さんに障害があり、そのためにも自分達は、少しでも長生き
する必要があるねと、いつも奥さんと話しているのだそうですが、そんな意味
でもすぐに頭に血が昇る自分の性格を、何とか改善しなければと、彼は改めて
真剣に考えはじめたようでした。
 
 Nさんには情緒が安定する自律訓練法と、その場で気分をすぐ変えられる「自己暗示
呼吸法」を指導しました。「カーッとしたときのイメージは?」と聞くと、「瞬時に心の
中に火が付く感じ」と答えたので、その時にはすぐに水を飲んで、「心の火が消えると
イメージすること」をアドバイスしました。
 Nさんは大変集中力があり、自律訓練法も大変反応が良く、それに加える「意志訓練
公式」は「気持がだんだん穏やかになる」を、作り毎回自己暗示しました。
 すると、来会する度に「あまり腹が立たなくなった」「最近疲れなくなった」と報告
してくれました。またすぐに水を飲むことと、怒りの感情をその場でダイレクトに出す
「自己暗示呼吸」も効果的に働きました。また、自分の内面をより理解できたためか
最近では滅多に腹が立つことはなくなり、奥さんが大変驚いたそうです。
 わずか二ヵ月半、10時間の指導でしたが、Nさんは長年の悩みから解放され、今では
すっかり穏やかになり、奥さんとまったく争うこともなくなり、また従業員達とも
以前より、グット和やかなり、毎日楽しにお店で働いているそうです。

 ◆ 自己暗示呼吸とは、1 大きく息を吸います。2鼻を指で押さえて口から
「怒りをスッカリ吐き出す」ようなつもりで、力強く「フッー」と吐きます。
 5回から10回行うと大変効き目がありますので、心あたりのある方はぜひお試し
 ください。

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