ドキュメントを整理していたら、以前何冊か読んだ「脳科学系の本」のメモが
ありました。私が学んだ頃は「大脳生理学」と言いましたが、近年は「脳科学」
と呼ばれるようになりました。専門的なので、聞きなれない用語がありますが
多分「心のもちよう」や「心の使い方」などが、きっとご理解できると思い
ご紹介しました。
大脳の使う回路は発達し、使わない回路はだんだんなくなってくる。
あるものに興味を持つと、視覚野のある細胞が刺激され,この情報を記憶の場所で
ある海馬に送る。するとその海馬の情報は、大変インプットしやすい状況になる。
そしてまた同じ光景を見ると、海馬はさらに興奮し、視覚野により強くイン
プットされる。この情報は脳の中の前頭葉などに蓄えられ、このときの繋がりも
再び見ることでより強化され、それに繋がった細胞は興奮し,記憶が蘇ると言う。
使われない神経細胞同士のつながりは、だんだん弱くなり、シナプスがはずれ
その突起は萎縮したり、切れたりして,最後は食細胞によって掃除されてしまう。
そのため使う回路はどんどん強くなり,使われない回路はだんだん消滅する。
記憶は一所懸命覚えようとすれば、見たもの聞いたものなどを司る大脳皮質と
海馬との関係がつよくなり、つながりの突起も増えていく。
☆ 感情にたとえてみればーーー
いつも明るく考えていれば,脳内から喜びを感じるドーパミンの量が増えて
側坐核などが刺激され、扁桃に伝えられ、楽しさや喜びに気持ちが湧いて来る。
つまり「楽しい、楽しい」と、いろいろな場面で喜びを感じるようにすると、脳に
楽しい情報を伝える回路が確率し、刺激や興奮が優先的に通過するようになる。
反対に暗い気持ちや不安な気持ちでいると、怒りや恐怖などを司る扁桃の刺激
が強くなり、些細なことで不安を感じるようになってくる。
また暗い気分やゆうつうな気分は、帯状回という部分の興奮状態だが、ここが刺激
され続ける結果となり、ますます落ち込んでくる。
また、不思議なことに楽しいことや、明るいことを考えていると、扁桃や帯状回
への血液の流れは悪くなり、この部分が刺激されなくなってくる。
つまりプラス思考をしていると、脳は楽しいことを感じる部分がどんどん刺激され
暗いことを感じる部分が沈静化してくると言うことである。
楽しい思いは脳細胞を刺激して,その数を増やす効果があるが、逆に不安は脳細胞
を死滅させる。そのため、楽しい思いをより多く感じ、不安を感じる気持ちを
少なくすれば、脳細胞も健全でいられ、これはボケないと言うことなのだそうだ。
世の中には大変嬉しいことがあっても、「そんなことで喜んでばかりいられない
明日は何が起きるか分からないのだから」などと考え、折角の喜びの機会を逃
してしまう人もいるが、こんな馬鹿らしいことはない。
ある固定観念に囚われていて、そのときどきの気分で、怒ったり、悲しんだり
不安になったりすると,脳は統一がとれず、自分の思いどおりにならない状態に
なってしまう。自分の思うとおりに脳は変化するから、自分の脳はどのよう
になりたいのかを決めればよいのだ。
自分で変えることができるのに、それをやらずに、マイナス思考やネガティブな
ことばかり考え行動すると、結果的にはうつ状態になって苦しむことなどあるかも
しれない。心のクセでいつも暗く考える人の脳は、どんなことでも後ろ向きに捉
えるような仕組みになり、明るく考える習慣のある人は、いつでも前向きに物事を
捉える脳の仕組みになってくる。つまり日頃あなたが思っているように、あなたの
大脳も振舞うと言って差し支えがない。自分の大脳をどのようにするかの決定権は
あなた自身だから・・・この原理をご理解いただけたでしょうか?
※心理カウンセラーがお手伝いできるのは、「このように考える心のクセをつけ
てはどうですか」ということだけで、その主導権は受け手にあるのです。
つまり自力本願で、自分の考え方をコントロールできるようにアドバイスは
できても、変える努力をしないと、いつまでも現状維持の状態だと言うこと。
でも実際には、こんな理論だけではその人を変えることができません。
最も効果的なのは、性格分析や心理分析をして、ご自分の内面を理解し、それら
のネガティブな面をどのように向上させるについて、詳しく具体的にお話し
することです。
これを書きながら、私もあることに大変こだわっているのに気付きました。
つまりものを書くことは知的な作業で、大きな気づきを得ることなのです。
ちょっと難しいですが、これを理解して、もしもあなたがマイナス思考の方
なら、それがプラス方向に働いて下されば、嬉しいと思いました。