秋空の“お花見”

　相変わらず朝は冷え込み、毎日のように今日はこの秋一番の…と低温を更新していますが、日中は秋晴れの良い天気が続いていて気持ちがいいですねえ。東京は２日も雲一つない青空が広がり、気温は２０度に届きませんでしたが風がなく暖かさを感じる一日でした。十月桜が枝いっぱいに花をつけ見頃です。春のサクラに比べると花もいくぶん小さめですが、抜けるような青い空がちょっとピンクがかった花を引き立ててくれます。春は霞がかった空が多いですが、秋は天高く…と言われるようにどこまでも澄みきった青空が背景としては申し分がありません。団子がなくても爽やかなお花見が楽しめます。

　秋の空が高く、澄んで青く見えるのは、大陸の乾燥した空気が流れ込んでくるため、空気中のチリも小さく、夏の高気圧のように水分を含んでいないのですっきりし、青や紫など太陽光の波長の短い光を散乱させることで青く見えるということです。雲も夏は積乱雲など低い所にありますが、この時期は高いですね。天高くに続く、馬肥ゆる秋とは牧場などの馬がたくさん食べて太るということではなく、中国の故事だそうです。昔、北方の騎馬民族攻め入られた中国で、秋は肥えた馬に乗って攻めてくるので注意しろと戒めのための言葉だったといいます。