く~にゃん雑記帳

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<アンビリバボー> 大阪市立大付属植物園でナラ枯れ被害が発生!

2013年10月18日 | アンビリバボー

【犯人は「カシノナガキクイムシ」。防除のためネットでぐるぐる巻きに】

 大阪府交野市私市にある大阪市立大学理学部付属植物園。最初は満蒙開拓団として満州(中国東北部)に渡る人たちの訓練施設として昭和16年(1941年)に開設された。以来約70年という長い歴史を持つだけに園内には巨大な樹木も多い。ところが、それらの巨木の一部がいま白いネットでぐるぐる巻きにされている。4カ月前に訪ねた時には見かけなかった光景。そのネットは近年各地で〝ナラ枯れ〟を引き起こしている「カシノナガキクイムシ」から樹木を守るためだった。

 

 この植物園では2011年からコナラを中心にナラ枯れ被害が発生しているという。原因はキクイムシが運ぶ「ラファエレア・クエルキボーラ」(通称「ナラ菌」)という病原菌。この虫は円筒状で体長4~5ミリと小さいが、6月頃、羽化し樹木を飛び出して元気な木の幹に潜入、トンネルを掘って繁殖する。一夫一妻制でまず雄が穿孔した後に、雄よりやや大きい雌が入るそうだ。この虫の媒介によってナラ菌に感染した樹木は、樹液の流れがストップして急激に枯れ死してしまう。

 

(写真㊧は「ネットを巻かれているのはなぜ?」の説明書き、㊨は犯人「カシノナガキクイムシ」の雌と被害材の断面=森林総研のHPから)

 感染被害はコナラやクヌギ、ミズナラなど落葉樹のナラ類に多い。同園では昨年春、ナラ菌の繁殖を防ぐため殺菌剤を注入、その結果、一定の成果を上げた。ところが今年になって常緑樹(アラカシ、マテバシイなど)にも被害が及んだため、目の細かい防虫ネットで二重に覆ったという。ネットには虫の侵入を防ぐとともに、羽化した虫の脱出を防ぐ役割がある。

 樹木の集団枯れ死では古くからマツクイムシによる松枯れが有名。一方、ナラ枯れは近年になって目立ってきた。当初の被害地域は主に日本海側だったが、それが徐々に拡大しているようだ。数年前には京都・東山でのナラ枯れが話題になった。被害は高齢のナラ林ほど激しい。独立行政法人「森林総合研究所」では、その原因について気候変動による温暖化というよりも、「里山の放置等による樹木の大径木化などが原因ではないか」とみている。

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