く~にゃん雑記帳

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<コスモス(秋桜)> メキシコ原産…今では日本の秋を彩る草花の代表に

2013年10月12日 | 花の四季

【各地でコスモスまつり開催中、多くの町がシンボルに】

 キク科の1年草だが、こぼれ種で翌年また芽を出すことが多い。原産地はメキシコ高地。ヨーロッパには18世紀後半、スペインを経て広まった。日本への渡来時期については「幕末」から「明治12年」「明治29年頃」まで諸説ある。磯野直秀氏の「明治前園芸植物渡来年表」では、文久2年(1862年)に遣欧使節が持ち帰った種子約250種の中に、ルピナスやワスレナグサなどとともにコスモスも含まれていたという。

 和名の「アキザクラ(秋桜)」は春に種を蒔くと秋に咲くことによる。コスモスといえば「うす紅の秋桜が秋の日の……」で始まる山口百恵の歌が思い浮かぶ。さだまさし作詞・作曲のこの歌も題名に「秋桜」の漢字を当てた。俳句でもコスモスの季語はもちろん秋。ただ最近は品種改良により大輪で真夏に咲く早咲き種や倒れにくい矮性種なども生まれている。

 「キバナ(黄花)コスモス」は同じメキシコ原産で、日本には大正時代に渡って来た。「チョコレートコスモス」は花が黒紫色の一重咲きで、チョコレートのような甘い香りがするのが特徴。この2つを交配して「ストロベリーコスモス」という品種が生まれた。さらにチョコレートコスモスに近い品種に「キャンディーコスモス」や「ミルキーコスモス」と呼ばれるものもあるそうだ。晩秋に咲き始める「ウィンターコスモス」(ビデンス)は同じキク科だが、コスモス属とは異なりセンダングサ属に分類されている。

 花が明るく色も多彩なコスモスは市町村のシンボルとしても人気が高い。福岡県内では中間、古賀、直方、飯塚、行橋、久留米と、なんと6つの市が「市の花」に定めている。関西圏でも大阪の貝塚市、兵庫の相生市と加東市、京都の木津川市、奈良の大和高田市など。2007年に3町の合併で誕生した木津川市は「様々なコスモスが寄り添い、ひとつの壮大な景観を造る姿」からコスモスを市のシンボルに決めた。

 コスモスは休耕田などを活用した地域起こしにも活躍している。長野県飯島町は12~13日「信州最大級200万本の秋桜」を歌い文句に「2013秋桜まつり」を開く。翌14日からは無料でコスモスを摘み取ることができるという。兵庫県加古川市のコスモスまつりは12日から20日まで。2006年の兵庫国体でおもてなしの一環として始まった。今年は市内8会場・19.2ヘクタールをコスモスの花で埋め尽くす。

 高知県越知町のコスモスまつり(20日まで)は今年で31回目。約150万本が咲き誇る。このほか山口県下関市豊浦町(14日まで)、栃木県益子町(20日まで)、宮崎県小林市の生駒高原(27日まで)などでも開催中。三重県桑名市の「なばなの里」のコスモスまつりは11月上旬まで続く。「コスモスの夜の花びら冷えわたり」(中村汀女)。

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