【明日から“条件付特定外来生物”に、アメリカザリガニも】
北米産のアカミミガメがアメリカザリガニとともに外来生物法で“条件付特定外来生物”に指定され、6月1日から規制が始まる。今後許可なく川や池に放したり、輸入・販売したりすると、罰則・罰金の対象になってしまう。その罰則・罰金がなんと「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」。一般家庭で引き続き飼うには寿命が来るまで面倒をみるか、または新しい飼い主を探し出して無償で譲り渡すしかなく、それもできないなら┄┄。(写真は奈良市内の秋篠川で甲羅干しするアカミミガメたち=2023年3月27日)
特定外来生物に指定されているのは日本の生態系に悪影響を及ぼす可能性が高い動植物。指定動物にはアライグマ、ヌートリア、カミツキガメ、ウシガエル、オオヒキガエル、カニクイザル、ブルーギル、オオクチバス┄┄┄┄┄┄┄。ただ今回規制対象に加えられたアカミミガメとアメリカザリガニには「特定外来生物」の前に「条件付」が付く。なぜ? この2種は一般家庭でペットとして既に広く飼われている。アカミミガメの場合、かつて子ガメが「ミドリガメ」として縁日やペットショップで売られ子どもたちの人気を集めてきた。しかし成長して大きくなると、もう手に負えないと川や池に放つケースが目立つ。
特定外来生物に指定された場合、飼育や輸入・販売には申請・許可など諸手続きが必要。そのためアカミミガメとアメリカザリガニを一気に「特定外来生物」にすると、手続きが面倒と川や池に捨ててしまう飼い主が多く出る可能性が高い。そこでペットして飼う場合や新しい飼い主に譲渡する場合は、手続きなしに認めることに。規制を「条件付」としたのにはこうした背景がある。(下の写真は奈良市の猿沢池でハトを襲うアカミミガメたち=2014年4月27日)
では大きくなって世話ができず、新しい譲渡先も見つからなかったらどうしたらいいのか? 環境省はその場合「殺処分することもやむを得ません」という。残酷! そして「その場合も薬殺や冷凍などのできる限り苦痛を与えない適切な方法で行ってください」と呼び掛ける。アカミミガメはかつてミドリガメとして縁日で長く人気を集めた。アメリカザリガニは100年近く前に食用ウシガエルの餌用として日本に入ってきたという。アカミミガメにもアメリカザリガニにも罪はないが、規制が遅きに失した感は否めない。