く~にゃん雑記帳

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<平城宮跡資料館> 長屋王家木簡を集中展示!

2020年10月21日 | 考古・歴史

【重文指定を記念し「地下の正倉院展」で】

 奈良文化財研究所の平城宮跡資料館で秋恒例の展示会「地下の正倉院展」(11月23日まで)が始まった。今回は今年3月の文化審議会で長屋王家の木簡群1669点が国の重要文化財に指定されることになったのを記念して、代表的な木簡48点を3期に分けて展示する。現在開催中の第Ⅰ期では長屋王を「親王」と記してアワビを届けた荷札などが展示されている。

 長屋王(676~729)は天武天皇の孫に当たり、奈良時代前半の政権の中枢を担った貴族。だが対立する藤原四兄弟の陰謀といわれる〝長屋王の変〟で自尽に追い込まれた。長屋王家木簡は1980年代後半に大型商業施設奈良そごうの出店予定地の発掘調査で大量に出土し、荷札の宛て先などから長屋王の邸宅跡だったことが判明した。見つかった木簡は3万5000点余に上る。

 

 展示中のアワビの木簡は長さ21.4cm、幅2.6cmで、表記は「長屋親王宮鮑大贄十編」。この木簡が邸宅の主が長屋王だったと特定するうえで大きな決め手になった。他に長屋王の正妻吉備内親王の姉、氷高内親王(後の元正天皇)宛ての荷札や、長屋王の側妻安倍大刀自への米の支給木簡、伊勢からの海藻の送り状や阿波国からの鹿の荷札なども展示中。これらの木簡からも各地に多くの所領を持つ長屋王家の豊かな暮らしぶりがうかがえる。

 会場には邸宅跡から出土した土器や瓦、王家の所領分布図、木簡が出土した地層の断面図、長屋王邸の復元模型図、木簡発見を報じた1988年の新聞記事なども展示中。また発掘調査の模様を記録した映像の上映も行っている。

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