く~にゃん雑記帳

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〈喜光寺〉 淡いピンク色の「中尊寺蓮」お披露目

2024年07月09日 | 花の四季

【境内を彩るハス250鉢 津波で蘇ったミズアオイも開花】

 奈良時代の高僧行基ゆかりの古刹、喜光寺(奈良市菅原町)の境内が花ハスの大きな鉢で埋め尽くされている。8日午前訪ねると、カメラを抱えた中高年数人が“試みの大仏殿”と呼ばれる本堂(重要文化財)を背景にハスの花を撮影していた。伝承によると、行基はこの本堂を参考に東大寺の大仏殿を建立した。

 ハスの栽培が始まったのは30年ほど前から。喜光寺は法相宗別格本山。大本山の薬師寺から派遣された山田法胤住職が、荒れ果てた喜光寺を花の寺にしたいと栽培を始めた。今では栽培数が約70種、約250鉢に上る。

 平年の見頃は6月中旬から7月中旬にかけて。ただ今年は猛暑の影響か、花付きがいまひとつのようだ。前日に藤原宮跡のハス池で満開の花を見てきたという男性はやや期待外れといった表情を浮かべていた。

 そんな中で注目を集めていたのが社務所前に置かれた「中尊寺蓮」。戦後の学術調査で中尊寺(岩手県平泉町)の藤原氏四代泰衡の首桶からハスの種子が見つかり、1998年に約800年の時を経て開花した。

 喜光寺のこのハスも中尊寺から株分けして頂いたもの。花はさほど大きくないが、淡いピンク色で気のせいか気品も漂っていた。

 その近くでは東日本大震災の津波で蘇ったという水生植物ミズアオイも咲き始めていた。環境省のレッドリストで準絶滅危惧種とされる貴重な植物。東北の被災地で津波により地下で休眠していた種子が発芽し、群落が復活した。

 喜光寺ではハスの開花シーズンに合わせ、弁天堂のご神体で秘仏の「宇賀神」を公開中。そのお姿は“人頭蛇身”といわれるもので、とぐろを巻いた蛇が鎌首を持ち上げ、その頭は髭を蓄えた老人の顔を持つ。

 宇賀神の前面には弁財天。水に縁のある弁財天と蛇が結びついて、学問や技芸、福徳円満の神になったという。奈良市観光協会はハスの花が境内を彩る喜光寺⋅西大寺⋅唐招提寺⋅薬師寺を巡る「奈良⋅西ノ京ロータスロード」(共通拝観券4000円)を開催中。宇賀神はその期間中の8月12日まで公開の予定。(下の写真は秘仏「宇賀神」開帳期間限定の特別朱印「福徳圓満銀印」)

  


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