KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2021.03.31 雪彦山

2021年04月02日 | 四国外の山



今日のWOC登山部は四国を出て兵庫の山に出かけてきた。

以前からその独特な山容に目を奪われ、いつかは登ってみたいと

思っていた雪彦山は、弥彦山(新潟県)、英彦山(福岡・大分)

と共に日本三彦山のうちのひとつで、古くから修験道の地として知られている山だ。

少し前に神戸支部長の山じいに『雪彦山は登った事はありますか?』

と尋ねると、既登の山だと返事が返って来た。

二週間ほど前に計画段階になって、『31日にWOCで登ろうと思っています』と

メッセージを送ると、『神戸支部は明後日に登ろうと思っています』と返信が来た。

『せっかくなら、予定を変更して合流しませんか?』と尋ねたら、

神戸支部(男性1名・女性3名)の中では支部長にもかかわらず

意外と立場の弱い山じいから『一応、提案してみます』と

弱腰の返事が返ってきたので、『武運をお祈りします!』(笑)と返した。


幸いにも直前の提案にも関わらず、快く提案を聞き入れてくれた神戸支部と

めでたく今回は交流会となり、香川からは7名で雪彦山を目指した。

姫路西ICで高速を降り、県道67号線を北上すると、夢前川沿いの土手には

丁度見頃を迎えたソメイヨシノが咲き誇っていた。雪彦山の登山口にはほぼ

予定通りの9時に到着。丸亀からは3時間の道のりだった。

既に到着していた神戸支部のメンバーが、駐車場のスペースを1台分

確保していてくれていて、我々が車を停めるとほぼ満車となった。

平日にもかかわらず、さすが関西100名山の雪彦山は人気の山の様だ。







今日のリーダーの山じいから予定しているコースの説明の後、

駐車場から少し上のバンガローの横の階段から取り付くと、いきなりの急登が始まる。

階段が終わると岩がゴロゴロした場所の登り。













そのゴロゴロ坂が終わると、寒風茶屋から桑瀬峠への最初の急登の様な木の根の道になる。

30分ほど息を切らせて登って行くとヒカゲツツジが尾根の右側のあちらこちらで

目につくようになり、目の前が開けたと思ったら、展望岩と書かれた場所で、

写真で見た大天井岳がで~んとその雄姿を我々の前に見せてくれた。

『大天井岳はどう読むんだろうね?』はるちゃん

『北アルプスの大天井岳はおてんしょうだけですよね』と私。



















展望岩でこれから登る尖った岩峰の大天井岳を眺めながら小休止した後、

修験道の山らしい行者堂跡を通過し、杉の木に大きく書かれた『ガンバレ』

書かれたメッセージに励まされながら登って行くと、露岩が点在する道になる。

岩には赤いペンキで矢印が書かれていて、その矢印に沿って右に左にと進んで行く。













登りから少しトラバース気味になると、少し段差のある岩があり、

ロープを使って慎重に降りる。










ロープで降りるとザレたトラバース。ここも難なくメンバーも通過し、

更に岩場を登って行くと、出雲岩と書かれた、オーバーハングした巨岩の真下に着いた。

四国の山でもいろんな場所で岩壁を目にする事はあるが、ここまで巨岩が覆いかぶさるように

して迫力のある場所はなかなかない。ここで神戸支部のメンバーの記念撮影。

この出雲岩にはけっこうな数のハーケンが撃ち込まれている。

この山は関西でも人気のロッククライミングの山で、この出雲岩も

その内のルートのひとつらしいらしいが、何を好き好んで、

こんな場所を登ろうとするのか、素人には理解できない。










出雲岩を過ぎるといよいよ鎖場が始まる。先ずは岩と岩の間が細い溝のようになった場所に

鎖がかかっていて、ここでは足掛かりと体の向きが肝心になってきて

少し戸惑う人とすんなり登って行く人に分かれた。







太い鎖よりも一緒にあるクライミングロープを使った方が登りやすく、

キョウちゃんに『ロープの方が登りやすいよ!』と教えてあげる。

後に続くルリちゃんも同じようにして登って来た







急登や岩場が続くので、何だかさっきからなおちゃん

お尻ばかり撮っているような気がする。








この鎖場を過ぎるとしばらくまた木の根の坂。太い木の根は足がかりになって

手足を使っていくと問題なく登って行ける。







木の根坂を越えると覗き岩と書かれたまた展望台に出た。

岩の先から見下ろすと車で走って来た夢前川沿いの集落と道が見える。

昨日・一昨日と大量の黄砂で、香川県内でも霞んだようになっていたが、

今日はそれに比べると随分とマシなようだ。







展望台を過ぎると今度はセリ岩なる岩と岩の狭い間を潜り抜ける場所があった。

迂回路もあるが、ほとんどの人は興味本位でここを通り抜けるだろう。

ただ杉ちゃんには無理かなと、麺法師さん。(笑)

線の細いはずのひろりんは、ザックに仕舞ったストックが引っ掛かって

なかなか出てこれず右往左往している。大きめのザックで来たやまじいやIRIBITOさん

やはりザックを降ろして何とか通過した。













セリ岩を通過すると、所々で鎖がかかった山頂からの岩峰になる。










素麺流しが出来そうな岩の溝に鎖が掛った場所も、神戸支部のお嬢様方?は

手慣れた手つき足つきで登って行っている。










素麺流しの鎖場を登るとちょっとした展望岩があった。

やっぱりここでもあっちゃんが岩の上に登ってポーズをとっていた。




次に馬の背と書かれた尖った岩が連なる場所があるが、

周りには木々があり岩自体の高さもなく高度感もあまりない。ここも巻き道があるので

あっちゃん以外は当然の事、馬の背の横を通り抜けていた。







山頂が近づくとタムシバの白い花が目につくようになった。

そのタムシバに目移りしながら更に岩を登って行くと大天井岳に着いた。

ただしこの山頂標には雪彦岳と書かれていて

その下に消えかけたマジックで大天井岳と書いてある。

旧夢前町(現在は姫路市に合併)は、雪彦山の定義として、「洞ケ岳」(811m)、

「鉾立山」(950m)、「三辻山」(915m)の総称であると定義し、「洞ケ岳」山頂にもそのように

表記していた。国土地理院発行の2万5千分の1地図等では、三辻山を「雪彦山」として、

二等三角点を置いている。また、登山案内の多くでは、「大天井岳」、「不行岳」、「三峰岳」、

「地蔵岳」等の岩峰から構成される「洞ケ岳」の最高峰である「大天井岳」(標高811m)を

雪彦山と看做しているという。何だか香川の七宝山のように本当の山頂がどこなのか

とても分かりづらいのが雪彦山なのだ。










山頂からは南に眺望が開けていて七宝山や明神山などが見渡せた。




メンバーが揃うまでザックを降ろして大休憩。周りにも腰を降ろして

食事をしたり寛いでいる数組の人たちの姿があった。

休憩した後は我々が雪彦山と思っている三角点を目指して先ずは下って行く。

向かいの山肌はタムシバで白い斜面になって見える。










途中にある天狗岩を仰ぎ見ながら進んで行くと

今までと全く雰囲気の違う杉林になった。木漏れ日の杉林の中を歩いて行くと

前から赤いシャツを着た三人組が目に入った。ジロさん、さおりん、ゆかりんじゃないですか!










実を言うとこの三人が今日八の字コースで回るとゆかりんから連絡が入っていた。

八の字コースと周回コースなら、途中で会えるかもしれんね?と話していた通りになった。

ジロさんたちは既に上級者コースの地蔵岳への鎖場を下って、鉾立山・雪彦山に登り、

あとは新道を下って帰るだけだと言う。するとゆかりんが地蔵岳への道がスリルもあって

素晴らしかったとしきりに言うので、それを聞いたあっちゃんの我慢の糸が切れた。

車中でも登っている途中でも度々、『今日は八の字コースへは行かんの?』と聞いてくるので

『ダメです!今日は地蔵岳へは行きません!』と何とか押さえつけていたのに・・・・!

ところがジロさんが、『もう一度地蔵岳への鎖場を下っても良いですよ!』と救いの手を

差し伸べてくれた途端に、あっちゃんの目がキラリと光り、『ハイ!行きます!』と手を挙げた。

あっちゃんにとっては次に行く三角点や山頂よりも、とにかく岩・鎖・スリルなのだ。

仕方がないので離脱を黙認し、駐車場でメンバーが着くまで待っているようにと

リードと首輪を外して解き放った。まあこれで、今後会うたびに『地蔵岳へ行きたかったのに』と

愚痴を聞かされずに済んだのは、こちらにとっても幸いだった。((笑)







雪彦山の山頂へも杉林の登りが続いていく。メンバーからは頻りに

『お腹が減った!』の声が上がり始めると、雪彦山三角点に着いた。










山頂は三角点があるだけで木々に囲まれて見晴らしはなく、ここで暫しの休憩と昼食にする。

30分休憩した後、次の鉾立山へと歩いて行く。







雪彦山から鉾立山へ一旦下って登り返しの杉林の中の道。

登山開始から休憩時間も含めると4時間弱で鉾立山に到着した。













鉾立山山頂は北の方向に木々の間から中国地方の山々が見渡せた。

遠くに見える氷ノ山はまだ雪を抱いている。










鉾立山からは最終のジャンクションピークに向かう。

ジャンクションピークからは三辻山への道と虹ケ滝への分岐となっている。




ジャンクションピークから虹ケ滝への道を下って行くと、一旦明るい南側の眺望が開け、

林道整備のための広場を横切ると、今度は薄暗い杉林の中の急坂となる。














ここで責を切ったように山じいとセニョさんが猛スピード下って行き、

あっという間に姿が見えなくなった。先ほど鉾立山でセニョさんに『古希の二人で写真を撮って』と

頼まれたが、どうやら古希の二人が張り合ってスピードを上げているようだ。

『古希・古希の二人が張り合っているわ』と言うと、『私の膝はコキコキやわ』と声がした。







ゆかりんが擦れちがった時に、こちらの道は平凡でつまらないと言っていたが、

あまり見た事もない苔の生えた大量の杉の倒木や、その倒木に新しい芽が

生えた始めた苔を見ながら歩いて行くのも楽しい。










倒木の杉林をさらに下って行くと小さな沢を何度か渡渉する。

谷の幅が広がってくると石垣が現れた。こんな山中で石垣があると言う事は

古くから修験道の道として造られ使われていたのだろうか。

石垣の上でメンバーを待つ古希二人!(笑)










沢沿いの道を進んで行くと度々女性陣が立ち止まり、小さな小さな花を写真に撮っている。

次第に沢の水の流れは大きくなり、時々段差で滝となって流れている。




















虹ケ滝の手前で、右側に標識と岩に書かれた赤い矢印、そして鎖が垂れていた。

ここからが地蔵岳への道となる。あっちゃんたちはどのくらい前にここを下って来たのだろうか?













虹ケ滝からは石垣の道が続いていた。そして何度か大きな岩を渡っての渡渉となる。

ここでドボンしたらと慎重になる。渡渉が終わるとしばらくまた石垣の道が続きいて行く。
















すると今日最後の急登目の前に現れる。鉾立山では山じいが『ここからは下りだけや~』と

言っていたのに。疲れた足に急登が随分と堪える。




急登が終わると本当にあとは下るだけ。登山口が近づいてくると

メンバーの足取りも軽くなりスピードも上がって来た。

道の脇にはミツマタが群生している。







ミツマタの群生地からほどなく砂防ダムに着いた。この砂防ダムは初めて見る形で

中央部分が鉄の格子状になっていてまるでジャングルジムの様だ。

解説によるとこの谷は流速が早く、上流にある巨石が流れ出ないようにしている

独特な構造になっている。







砂防ダムからは直ぐに駐車場に着いた。駐車場では山じいの車のキーを預かったあっちゃんが

待ちきれず車の中で口をポカンと開けて眠っていた。(笑)


メンバーが全員揃ったところでお湯を沸かしていつものコーヒータイム。

勝手が違ってバーナーとクッカーの外し方が判らず苦戦する古希二人(しつこい)











ちなみに地蔵岳へと下って行ったニコニコ顔で満足気なあっちゃん。








念願の雪彦山は木の根の急登に巨岩と岩峰、鎖場。そして苔の杉林の急坂と沢沿いの道と

予想以上に色々な表情の道を楽しめた大満足の山だった。


今日のトラック



今日の3Dトラック