KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.08.12 丸石

2020年08月13日 | 四国の山


先々週の伊予富士から西黒森山の稜線歩きに味をしめた?登山部。

さてそれじゃどこを歩こうかと先週の航空部のメンバーで

河川敷の暑いテントの下で話し合いをした。

メンバーが今まで歩いた事がなく、初めて見る場所がいいと思い、

剣山から見る次郎笈と違う、反対の丸石からの次郎笈の姿が頭に浮かんだ。

さっそく提案すると即決。と言う事で今日は丸石を目指すことにした。

当初は見ノ越と二重かずら橋から分かれてスタートして、

またクロス縦走をする予定だったが、どうやら国体橋から丸石分岐の

尾根に出るまでが結構キツイ登りの様だと言う事が判り、

急遽、予定を変更をして見ノ越から丸石までピストンをすることにした。

距離と時間的にはこちらの計画の方が長くなるが高度差がさほどないので、

取りあえず剣山や次郎笈には目もくれず丸石を目指し、復路で余力があれば

寄り道をすることにした。見ノ越の駐車場は予想通り平日にもかかわらず、

1階部分の駐車場は満車で、初めて2階の駐車場に車を停めることになる。


9時45分に見ノ越をスタート。いつものようにまずは劔神社の石段を登って行く。

社殿の前まで石段を登りきるとすでに息があがっている。

セニョさんも隣で『キツイわ~』と小さな声で言っている。




神社の脇を抜け注連縄を潜り登山道に入るとブナたち広葉樹林が始まり

山麓から吹き上げる風で空気が変わった。




リフト下のトンネルをくぐり分岐を左に西島駅を目指す。この分岐から右に進むと

西島神社の上に出る道が続いていて、ほとんど歩く人の少ない道だが

さらに剣山の山裾の自然の深さを感じられる道なのだ。




西島神社まで来るとゆかりんが案内板にある太鼓くぐりを見てみたいというので、

やっさんとあっちゃんと一緒に大岩の奥にある神社へとメンバーと別れて歩いて行った。




西島神社の大岩を越えるといつものように視界が開け、

森の中の道からミヤマクマザサが広がる西島尾根の肩へ道になる。

西島駅に着くと何組かの登山者が寛いでいた。寄り道をしている3人を待つしばらくの間、

剣山から続く稜線の奥に見える三嶺を眺める。




どれくらい待っただろう、3人が登って来たのでいつもは往路では歩かない遊歩道コースを

剣山と次郎笈への分岐へと歩いて行く。足元には先ほどの笹に代わってテンニンソウが広がる道。

以前崩れて通行止めになっていた石灰岩の露出するザレ場を抜け少しづつ高度を上げていく。










大劔神社の下の辺りではトリカブトの花が咲いていた。

水場から回り込むと樹林帯が終わりまた笹の道になる。

頭上の木々がなくなると視界が広がり西側の峰々が見渡せる。

途中で何人かの人とすれ違うが、特にソロで歩いてきている人は

挨拶をしても怪訝な顔をしている人がいた。

やはり団体とすれ違うのにあまりいい気がしていないようだ。

挨拶も遠目で済ませて、すれ違う時は出来るだけ話しかけないようにまだまだ気づかいも必要だ。










二度見の展望台からは次郎笈がくっきりと見える。二度見と言う事は

剣山の山頂から見た次郎笈を帰り道にもう一度眺められると言う事なので、

やはり往路で歩く道ではないという事だろう。







展望台から支尾根を回り込むと、剣山との分岐に出た。昨日降った雨のお陰か雲はあるが

空気が澄んでいて、くっきりと太郎も次郎も見える。







青い空に白い雲。その下に濃い緑と明るい緑に覆われどっしりと鎮座する次郎笈。

その次郎笈に向かってミヤマクマザサの広がる尾根に白い道が続いていく天空の稜線。

何十回と見て来た風景だが見飽きることが決してない素晴らしい景色だ。













小さなピークを昇り降りしていくとどんどんと次郎笈に近づいてくる。

山頂には何人かの姿が見える。










『ゆかりん!そんなに走らんでも、この景色は逃げんよ!』




次郎笈峠の分岐から右にトラバース道を丸石へと向かう。

道の北側の祖谷谷からは暑い日差しを和らげてくれる風が吹きあがってくる。

反対側には見上げるほど笹原が続いている。そして振り返ると

今歩いて来たトラバース道の奥に剣山が見える。










すると道の向こうから一人の男性が歩いてきている。IRIBITOさんだ!

ここの所トレーニングでこの剣山と次郎笈界隈を歩き回っているIRIBITOさんは

今日は二重かずら橋から登って来たという。お互いの健闘を祈って別れたあと気持ちのいいトラバース道を進む。













次郎笈への西側の分岐を過ぎると今日の目的地の丸石が見え始める。

最初はさらに奥に見えている高ノ瀬のピークが丸石かな?と思っていたが

道標に書かれていた距離からすると遠すぎる。

時間は丁度12時、『たぶん、あの笹原が丸石だと思いますよ。』

と言うと、それでも待ちきれずに前を歩くあっちゃんは行動食を取り出し食べ始めた。










稜線の登山道の北側にポツポツと白骨林が現れ始めた。

そして南側にはスーパー林道を見下ろせる。














白骨林の間を下って行くと道標の立つスーパー林道への分岐。

小さなピークの向こうには丸石が顔を覗かせている。

前を歩くつ~さんは帽子を脱いだり被ったりしているが、

帽子を脱いでいる時は風が吹いている時の目印。









行動食で満足したあっちゃんは気持ちよさそうに歩いているが、

こちらはシャリバテでそろそろ限界?に近づいて来た。

ルリちゃん、やっさん、ひなちゃんはまだ余裕の様だ。




『腹へった~飯食わせ~』と言いながら丸石山頂まで登りきると

先客の一人の男性のいる山頂に着いた。さぁ~お昼だ、お昼!













5年前の5月に独りで歩いた時には寒くてカッパを着こみ、

風を避けるため丸石小屋まで歩いいてお昼ご飯を食べた。

今日の丸石は容赦なく日差しが降り注いで暑いが、ゆっくりと出来る。

やはりここから見る次郎笈と剣山の山容は新鮮で美しい。







先に来ていた男性は腰を上げてこれから三嶺へ向かうと言う。

そう言えば途中で追い抜かれたトレランの4人組は、名頃からスタートして

塔ノ丸へ登り丸笹山から見ノ越に下りずに、

そのまま剣山から次郎笈、そして三嶺へと走って行った。

30kmを超えるルートを一日で走破するなんて、

我々とは次元の違う人たちだ。さすがにこの丸石まで来ると強者たちが多い。




ではお腹もおきたしそろそろ戻りましょうか。復路は次郎笈の山頂への分岐までが登りとなるので

そこまで行けば後は多少のアップダウンがあるだけだ。往路では気づかなかったが

笹の間に小さなツリガネニンジンやシコクフウロが咲いている。
















スーパー林道への分岐の手前で、ゆかりんとあっちゃんがキレンゲショウマを見たいと言うので

先に早足で歩き始めた。写真家のやっさんも当然慌てて後に続いていく。




尾根では北側から涼しい風が吹いてくるが、道が尾根の南側になると途端に

生暖かい風になったり、風が停まったりして暑さが倍増する。













尾根に尾根にと気がせくがペースは上がらず亀足。

それでも尾根に出るとまた爽やかな風に息を吹き返す。

ミヤマクマザサに葉のない白い白骨林のコントラストが何とも言えない。







ルリちゃんもひなちゃんも自分のペースでゆっくりと歩いてくる。




次郎笈の分岐までもう少し。ここで先頭が入れ替わりセニョさんがトップを行く。

振り返る麺法師さんの奥には三嶺へ続く稜線と、

三嶺の肩の向こうには天狗塚がちょこっと頭を出している。








次郎笈のトラバース道に差し掛かると急に左の太ももが少し攣り始めた。

今まで足首や足の指、太ももの裏は攣ったことがあったが、太ももが攣るのは

先々週の西黒森山が初めての事だった。今日も同じようにおかしくなってきたので度々立ち止まると、

前を歩くセニョさんの姿がどんどん小さくなってくる。










それでも緩やかな道で何とか歩いて行けるが、この最高の景色を楽しむ余裕がなくなって来た。

剣山の姿が見えると後は次郎笈峠から下り、分岐まで登るだけだ。







次郎笈峠を過ぎ鞍部から稜線道を歩いて行くと、先を急いでいた3人が、西島への分岐の向こうで

手を振り呼んでいるのが見えるが、ストックを持ち上げ合図をするのが精いっぱい。




ところが西島への分岐の手前の登りで足をもちあげた途端に左の太ももが完全に攣った。

動かすことも曲げることもできずに立ち止まっていると、今度は右の太ももが攣り始めて

直立不動でしばらく身動きが取れない。何人かの登山者が横を通り過ぎていく。

何とか少し収まってきたので出来るだけ足を曲げず、持ち上げずに登って行くが

それでも何度が攣りそうになる。最悪だ!




分岐から西島へは道は緩やかになり、下りも問題なく歩けるたが、

二度見の展望台の手前の登りでまたまた攣ってきた。仕方がないので展望台のベンチへ

何とか歩いて行き、ゆっくりと腰掛けた。足が攣るのは1.水分不足、2.塩分不足、3.マグネシウム不足、

そして筋力不足が原因だというが、どれも自分に当てはまっている気がする。

ベンチで休んでいると後ろからルミちゃんがやって来た。先々週にも分けてもらった

漢方薬と塩分チャージのタブレットを貰って飲むと次第に落ち着いてきたので

次郎笈に別れを告げて西島へと歩く。







西島への道も緩やかなトラバース道なので、先ほどまでの激痛はどこ吹く風?と

言った感じで問題なくどんどん歩いて行けた。







西島駅にはすでにセニョさんの姿はなく、先ほど展望台でつ~さんから使ったらいいと言って

手渡されたバンテリンを、トイレに入ってズボンを脱ぎ太ももに塗ってみる。

下りは恐らく問題ないとは思ったが、用心してリフトに乗って下ることにする。

リフトの脇にはニッコウキスゲやツルギハナウドが今を盛りに咲いている。

中間部分まで来るとキレンゲショウマもほぼ満開に近い状態になっていた。







駐車場まで戻ると先に下ったセニョさんが待っていた。

『すみません!足が攣ってリフトで降りてきました。』と言うと、

セニョさんも同じように西島への分岐の手前の登りで両足が攣ったと。

それでもじっとせずに激痛をこらえながら足を曲げずに

ロボットのような歩き方をして登ったと言っている。

セニョさんはギックリ腰になっても痛みをこらえながら歩いて直すというセニョ理論?という

独特の持論をもっている人だが、私のような凡人にはその理論は当てはまらない。(笑)


そうこうしている内に行場へと向かった3人が下りて来た。本当はキレンゲショウマを見たかったが、

(あっちゃんは、さらに行場の鎖を登りたかったらしい)、時間がないので大劔神社までにして下りて来たそうだ。




最後に西島からリフトを使わずに下りて来た麺法師さんとひなちゃんが到着。

汗で濡れた服を着替えたり、今日の感想を話し合ったりしながら飲み物で喉を潤す。


今日はこのメンバーと別にIRIBITOさんは見ノ越まで歩いてデポしていた自転車で、

二重かずら橋まで戻っていった。そしてさらに別部隊の山さんは寒風山に登った後に

UFOラインを自転車で走ったそうだ。三組三様でそれぞれがアウトドアを楽しんだ一日だった。







唯一、両足が攣るという災難にあったのはセニョさんと私の二人となった。

二度ある事は三度ある。これからは水分補給をしっかりとして他にも塩分やミネラルを

摂れるものを必ず持参しなければと、考えさせられた日になった。


今日のトラック(赤線)



今日の3Dトラック