JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

虎捕山 相馬郡飯舘村

2009年11月24日 | 里山 移動運用
 国道115号を挟んで霊山の南隣にある山で、標高706m。QTHは相馬郡飯舘村。「とらとりさん」と読みます。もちろん虎が実在したということではなく、九百年ほど前、この地域で暴れ回っていた墨虎なる山賊が捕らえられたという伝説からきた山名だそうです。先日は「鷹討」、今日は「虎捕」・・・。なにか勇ましい山が続いています。霊山こども村入り口を過ぎて、すぐ右手に「山津見神社」の標識があり、5分ほど走ると、まもなく登山口の神社に到着。

 ゆっくり登っても40分ほどの登山なのですが、尾根近くは急な岩場が続き、梯子や鎖の連続で、凍結時などは侮れない山です。山頂は木立に囲まれて展望はありません。ただ、その手前に巨岩のピーク(展望台)があり、ここからは、ほぼ360度の展望が楽しめます。


途中の岩場からの山頂(展望台)

 この日は、南から前線が北上し、不安定な天気との予報でしたが、午前中は雲一つない冬晴れとなりました。展望台からは、新雪をまとった吾妻連峰と安達太良山が正面に、北には同じく白くなった蔵王連峰が一望でした。また、眼下にはのどかな山里の風景が広がっています。


展望台付近 



 展望台でさっそく無線の準備。今日もモクソンアンテナとDJ-S17(145MHz、4W)です。あてずっぽうですが、南西に向けてCQを出したところ、新潟県新発田市の固定局より応答いただきました。たいへん強力で、こちらの信号も59とのレポート。距離約120Km。新発田市は、虎捕山からほぼ真西にあたります。吾妻と飯豊の山々を越えて、あるいは山間を縫って、これほど安定して交信できるとは驚きでした。同じビームで新潟方面が良いのかなと思い、そのままCQを出してみたのですが、1局のみでした。その後、アンテナを北に向けたり、南に向けたりしてみました。福島県各局とFBに交信できましたが、1エリアや宮城、山形などからは、呼ばれずじまいでした。


今回もモクソンアンテナ


 北に霊山、南に花塚山と、高い山が近くにあるためか、南北に関しては、さほど飛んでいる感触はありません。仙台市固定局との交信をワッチしましたが、仙台局の信号はほとんど聞き取れませんでした。1エリアの信号も聞こえてきませんでした。

 運用している間に、何組かの登山者が登ってきたので、岩場のピークを譲り、少し下ったところで再開しました。登山者の他、神社の参拝者も登ってきます。長時間、ピークに留まって運用するのは難しいです。運用できそうな岩場のテラスは何カ所かありますので、むしろ、そちらの方がゆっくりできるかと思います。ハンディ機にロッドアンテナ、そんなスタイルがちょうど良いように思いました。

 ここは、小振りなわりには、山容もコースも変化に富み、かつ眺望もすばらしく、ハイキングとして楽しめる山です。霊山には幾度となく訪れ、くまなく歩いたつもりでしたが、すぐ隣に、こんな隠れた山があることは最近まで知りませんでした。里の山というのは無尽蔵で、楽しみが尽きません。














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鷹討山 亘理郡山元町

2009年11月17日 | 里山 移動運用
 冬場の山移動で何度か訪れている山元町の深山。そのすぐ南にあるピークが鷹討山(たかぶつさん)です。標高は深山よりも30mほど高く、307m。山元町の最高峰?と思っていたら、そうではなく、疣石山(いぼいしやま 314.6m)という、聞き慣れない山があるそうです。

 鷹討山へは深山から歩いて10分もかかりません。今年5月にラディックスのデイパック3エレ八木を持って、ここで運用したことがあります。その時は、山頂といっても周りは雑木に囲まれ、見晴らしはまったくない状態で、尾根上のただの通過点といった雰囲気でした。標識もないので、運用中、何人かの登山者にここが山頂ですか?と尋ねられこともあります。最近、山頂付近が刈り払われて、少し眺望が良くなったという情報があり、確かめてみたいという気持ちもあって、登ってみました。

 この日、前日までの荒天がおさまり、太平洋側は穏やかな陽気となりました。常磐線山下駅を下車。徒歩で、登山口の山寺生活センターをめざします。ここから40分の登山で深山山頂。山頂にはすでに先客がおりました。地元の方で、年に数十回も登るのだそうです。今日は深山が目的でないので先を急ぎ、鷹討山には9時前に到着しました。


深山登山口付近


 山頂は、前回と違って、下草が刈られ、雑木も少し伐採されたようで、いくぶん小広くなっていました。深山ほどではありませんが、太平洋側(東)の眺望が良くなり、水平線が眼前に広がります。西は雑木がそのままで、見晴らしはありません。山頂標識がないのも同じです。海を見ながら、一休みできる雰囲気にはなったのかな、という感じです。




鷹討山山頂と眺望



 無線の方ですが、今回は、ツインデルタループ、通称バタフライアンテナを持参しました(145MHz)。1λのデルタループが左右スタックとなっており、エレメントの総全長は4メートル、当局の自作アンテナの中では最大級です。実はL型パイプ式が実用になるのかどうか、検証してみたいと思ったのです。三脚に取り付けてみて、このアンテナが安定するようであれば、他も大丈夫なはず・・・。

 設営は、まず三脚の雲台にL型パイプを固定、そこにアンテナのマストを差し込み、あとは、ロッドエレメントを伸ばして、クリップで垂直エレメントを装着するだけです。製作当初は、垂直エレメントにビニール線を使ったのですが、デルタループの形状を維持して性能を安定させるため、現在は2分割式の銅パイプに変更しています。L型パイプでの取り付けは、特にグラつく様子はありません。


ツインデルタループ

L型パイプ式で固定


 組み上がったところで、さっそくAA-200でSWR測定をしてみると、バンド内1.2以下。もともと広帯域なので、設置面積(回せば体積も)を許容できるのであれば、たいへん扱いやすいアンテナです。




 DJ-S17につなぎ、ワッチしてみると、モービル局や固定局同士の交信が聞こえます。アンテナの方角を合わせる参考にしようと思ったのですが、QTHが今ひとつわかりません。当てずっぽうで、おおよそ南北に合わせて、CQを出してみました。はじめに、蔵王町モービル局から59振切れのレポート。続いて仙台市若林区のOM局、GPと5Wに切り替えていただき、当局も0.8Wに落として実験したところ47-53。QRPでも仙台とは交信可能なようです。0.8Wのまま、福島県伊達市移動局、岩沼市モービル局と交信。いったん途切れたので、アンテナの向きを東西に変えて、CQを出したところ、南相馬市(旧原町市)固定、同じく南相馬市モービル、続いて相馬市固定の各局に応答いただきました。けっこう指向性が出ているようです。いずれも59。またバック方向、山形県天童市モービル局からも55のレポートをいただきました。

 太平洋側の見晴らしが良くなったことや登山者が深山に比べ少ない、西風をわずかながら防げる、など、これからの時期の運用場所としてはそう悪くもないかな、と少し評価を上げておきます。短時間ではありましたが、各局にお相手いただき、大海原を眺めながらのQSOという贅沢な時間を過ごすことができました。

 ここから南に尾根を500m程進んだところに伐採によるとみられる展望地があります。また、最高峰の疣石山も気になります。近いうちに探索してみたいと思います。


 最後に、L型パイプ。ときおり風が強まることもあったのですが、終止、安定してバタフライアンテナを支えてくれました。手で回してもまったく問題なし。自作アンテナの三脚取付けは、当面、これで良しとします。



ツインデルタループ収納









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萱ヶ崎山 仙台市太白区

2009年11月14日 | 里山 移動運用
 いつの間にか高い山には白いものが目立つようになってきました。当局にとっては、里山シーズン到来。岩岳に続き、約10ヶ月ぶりに仙台近郊の萱ヶ崎山に登ってみました。ここ数日、穏やかな天気が続き、陽だまりハイキングを兼ねての移動運用です。

 萱ヶ崎山は、晩秋から早春にかけて、年に数回は出かける馴染みの山です。QTHは仙台市太白区。市街地から西に広がる丘陵の一角で、合併前の仙台市の最高地点でもありました。標高379m。ホームからは、地下鉄とバスを乗り継いだり、JR仙山線を利用したりと、登山コースや出発時間に応じて選択が自由で、どの登山口までも1時間以内です。

 実は、鉄塔や高圧線、さらには反射板と、無線運用に影響を与えそうなものがオンパレードの山頂なのです。でも逆におもしろい伝播をすることもあるようなのです。高圧線の下ではありますが、晴れた日には蔵王連峰を眺めながらのQSOが楽しめます。


鉄塔や反射板のある山頂


南方の眺望

 この日は、午後から予定があり、朝7時40分発のバスに乗って、茂庭台団地から登ることにしました。萱ヶ崎山への直登コースです。里山の常で、登山口やコース途中に標識などはいっさいありません。

 9時前には山頂到着。さっそく無線の準備を始めました。今日もモクソンアンテナです。軽くコンパクトなのでつい使ってみようという気持ちになります。アンテナアナライザーAA-200でSWRを測定したところ、前回の岩岳で使った状態のままでバンド内1.2以下と良好でした。製作当初のとおり、ロッドエレメント4本の長さがすべて33.5センチで落着いています。






 リグDJ-S17(145MHz)に接続。まずワッチしてみると、近郊のローカル局、モービル局の他、福島県移ヶ岳移動局と西郷村固定局との交信が聞こえてきました。移ヶ岳移動局はハンディ機に15センチくらいの付属ホイップとのことでした。移ヶ岳まではここから約120Km、西郷村も栃木県境で約150Km程ありますが、どちらも52の安定した信号です。交信終了を待って呼んでみようかと思ったのですが、長話モードに入ってしまいました。VFOを回すと、今度は同じく福島県飯野町移動局のCQが強力に入感。天井山(標高532m)から50W、12エレとのこと、どうりで強いはずです。互いに59、距離約70Km。




 次に、アンテナを南に向けたまま、CQを出してみました。すぐにバック方向の東松島市モービル局からQSBを伴う応答があり、アンテナを回して59-59。続いて大崎市松山町と塩釜市固定局からも59のレポート。塩釜局に5Wにパワーを落としていただいて、指向性の実験をしてみました。当局からみて塩釜は北東ですが、山頂の反射板の影響なのか、それとも奥羽山脈の反射なのか、西(奥羽山脈方向)に向けると強くなります。バックからというのでもなさそうです。以前ここで2エレ八木を使った時も、同じような感じを受けたことがあり、どうも、この山頂特有の反射をしているようです。

 再度、南に向けてみたところ、伊達市、福島市各局と59で交信、今度は素直にビーム通りQSOができました。ハンディ機とコンパクトなモクソンアンテナでも、福島市周辺まではラグチューできる程度の交信が可能です。タイミング次第では、さらに遠方との交信の可能性もあるかと思います。この日は仙台市内、柴田町、山元町各局にも応答いただき、11局と交信。里山ですと、QSOものんびりモードになりますね。ファイナル送った後も、なかなか終りにならなかったり・・・。暖かな山頂を後に、昼前に下山。誰一人会うことのない、静かな山行でした。




山頂

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岩岳 伊具郡丸森町

2009年11月11日 | 里山 移動運用
 阿武隈山地の北部に位置する丸森町には、魅力的な里山が多くあります。その中で岩岳周辺は、山麓の清流や大小の滝、山のいたるところから突き出す花崗岩と、なかなかの景勝地です。標高430m。

 この秋、一番の寒気との予報でしたが、里の紅葉を求めて登ってみました。丸森町内から筆甫集落に向い、不動尊公園を過ぎて左折、標識に沿って進むと、まず第2登山口、さらに進むと第1登山口となります。第1登山口には十数台分の駐車スペースとトイレがあり、案内板も設置されています。登山そのものを楽しむのであれば、断然、第2登山口から登って第1登山口に下山する周遊コースがお勧めですが、今回はXが同行し、無線の目的もあるので、第1登山口から登りました。山頂までは約30分。登りはじめは杉林ですが、まもなく雑木林となり、岩場が出てきたら、あっけなく山頂です。


狭い岩場の山頂

 花崗岩の山頂からの眺めは、すばらしいの一言。正面に蔵王連峰が一望・・・のはずですが、この日は雪雲にすっぽりと覆われていました。はるか遠くには、仙台市街地のビル群も見えます。南は霊山など阿武隈の山また山。なので、見通しはあまりありません。西は断崖絶壁で、標高が低いにも関わらず、高度感にも優れる山頂です。予想していたとおり、時折、冷たい風が吹きつけてきます。同行者Xは早々に少し下った陽だまりで休憩。一人山頂で無線の準備を始めました。

 今回も、作ったばかりのモクソンアンテナです。このアンテナは、水平エレメントを長めに持ち合わせており、どちらかと言えば、反射の多い里山に向いているのでは?と推察しているのですが・・・。




 設営を終わって、AA-200でSWRのグラフ測定をしてみると、バンド内1.2以下でしたので、そのままの状態で、リグDJ-S17(145MHz)に接続。まず、南の福島方面に向けてCQを出してみました。はじめに、近くの丸森町内と角田市モービルのローカル局に応答いただきました。いつも交信いただいている局です。方角はサイド方向になりますが、59-59。続いて、バック方向、仙台市若林区のローカル局より応答があり、方角を合わせて59-59。0.8Wにパワーを落としても59変わらずとのこと。仙台市街地が見えていますので、まったく障害物なし。北にはFBなロケーションです。


自作モクソンアンテナ

 さらに福島県伊達市固定局と55-57。近場が続いたので、南は厳しいのかなと思ったのですが、その後、二本松市固定局から応答があり、59-59。2段GPに強力に届いているとのレポートをいただきました。バックからも応答があり、松島町モービルとのこと。アンテナを北に向けるとSが上がり、59-59。北に向けたまま、メインをワッチしていると、一関市花泉クラブ局のCQが聞こえてきました。先日も泉ヶ岳で花泉の固定局とお会いしましたが、なぜかご縁があるようです。さっそく応答、51-52でレポート交換しました。Sは弱いですが安定した信号です。約140Km。その間、突風で何度か三脚が倒れそうになり、手も冷たくかじかんできたことから、ここでQRTとしました。40分程で8局と交信できました。


 この手作りモクソン、安定した性能を発揮してくれる小型で扱いやすい指向性アンテナであることは、今回も実感できました。2エレですと、三脚の足がじゃまになることがあるのですが、ホント、取り回しが楽で、当局の身の丈に合っているという感じです。ロッドエレメントの太い部分のみを使っていることや水平エレメントによりキュービカル構造となっていることなどから、そこそこ耐久性があり、風にも強いです。反射に優れるかどうかはまだわかりません。当局、これからの季節は低山歩きがメインとなります。小さな山頂にて、また使ってみます。

 
 帰途、移動運用で有名な四方山の峠を越え、亘理町の味覚「はらこめし」をいただいて、遅い昼食としました。この「はらこめし」、阿武隈川に遡上するサケの身を炊き込んだものに、たっぷりとイクラをのせた郷土料理で、11月いっぱいが旬。年に一度の楽しみです。




















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カメラ三脚へのアンテナ取付け法 L型パイプ式

2009年11月09日 | 移動運用装備
 当局の自作アンテナには、加工のしやすさや風の抵抗を受けにくい理由から、ブーム兼マストに塩ビパイプ(直径1.8センチ)を多用しています。近くのホームセンターで、あらかじめ50センチの長さに切られたものが売られており、いつも重宝しています。先日、売場を見て回っていたら、あることをひらめいて、このパイプに合う「継ぎ手」というものを買い求めました(1個28円 税込)。直線で2本をつなぐI型継ぎ手と直角につなぐL型継ぎ手、3本連結のT型継ぎ手があります。もともと水道用ですから、水漏れなどしないように、密着して接続できるようになっています。



 まずI 型継ぎ手ですが、これはマストの連結用として使えそうです。いつもは、カメラ三脚に目玉クリップでアンテナを留めるだけなので、地上高は三脚の高さしかありません。1.2m程です。この継ぎ手を使って、1~2本パイプを増設すれば、50センチ~1メートルほど高くできます。その分、不安定さも増すので、実際のところ、どの程度まで増設できるかはケースバイケース。また、1メートル程度高くしたところで効果の程は「?」ですが、そのうち、実験してみたいと思います。(T型も何かに活用できそうです)

 もう一つのL型継ぎ手。こちらが本題です。この継ぎ手をカメラ三脚に固定できれば、マストを差し込んで、そのままアンテナを取付けられるのでは? しかも、これまでのどの方法よりも簡単、軽量な方法となるのでは? ひらめいたのは、エツミの「セットスクリュー(メスメス)」を使う方法です。(セットスクリューの詳細は過去記事「モービルホイップのカメラ三脚取り付け方法」参照)

 製作は簡単です。
 まず、L型継ぎ手パイプを縦にして、端から1センチのところに、直径6ミリの穴をあけ、裏側まで貫通させます。そこに、W 1/4ボルト(長さは30ミリがベスト)を差込み、そのまま、セットスクリューにねじ込むだけです。そしてセットスクリューの反対側のネジ穴でカメラ三脚の雲台ネジに取り付けます。着脱自由で、アンテナを使う時だけ取付け、普段は本来のカメラ用三脚として使えます。ホームセンターでW 1/4ボルトの長さ30ミリが見あたらず、38ミリを使ったため、写真のようにナットを2個挟み調整しました。セットスクリューは安定感がよく、雲台ネジでしっかり固定できます。(※三脚は上下左右仰角が自在なので、この方法は、I型継ぎ手でも可能です。その場合、ボルトを中心にしてアンテナの重みで傾く可能性があります。L型の場合、その心配はありません。逆に八木など三脚に対し水平設置するアンテナの場合はI型がFBかと思います)




セットスクリューに装着

 実際、J型アンテナや2/3λヘンテナを取り付けてみましたが、特に垂直設置の場合はなかなかFBです。パイプの差込寸法は3センチで、揺すると少し遊びがありますが、強度的には問題なし。ワンタッチです。八木系のように三脚に対し水平マストで設置するアンテナの場合は、前方が重めになりますので、強度不足の心配があります。2エレ程度の軽いものなら、50センチ塩ビパイプを1本追加し、上部にもう一つL型継ぎ手を加えて水平接続が可能です。これだと、三脚の足がじゃまになることもありません。




J型アンテナ取付け例  差し込むだけです

垂直設置の場合はしっかり固定できます

パイプを組み合わせて2エレ用に

 移動運用でよく見かける釣り竿ポールも、L型パイプをうまく加工すれば、この方法で取付け可能なのでは・・・・?。

 いづれにしても、自作アンテナに限定されますので、モービルホイップでは使えません。先日紹介した、クリップ着脱式とL型パイプ式をアンテナに応じて使い分けします。クリップ式は、一つで様々なアンテナに対応できる点がFBです。

 当局の移動設備は、山頂で使うことを前提に考えています。山頂と言っても様々で、広い・狭い、草地・岩場などの地形に、多くの場合、強風や雨、寒さなどが加わります。さらに登山の疲労もプラス。なので、形状はコンパクトで軽量、設営・撤収は短時間、ワンタッチで確実なのが第一条件です。強度は、手元での数時間の運用ですから、風に耐えられる程度であれば良しとします。アンテナ作りも同じ考えです。



 もっと良い方法もあるかと思いますが、アイディアにたどり着くには時間というものを要するようで・・・。アマチュア無線は「工夫を楽しむ遊び」と言われます。自分がたどっている試行錯誤を考えるにつけ、つくづくそう思います。


《追伸》
 先日、I型パイプ継ぎ手をマスト延長用に使ってみました。J型アンテナに50センチの塩ビパイプ1本を継ぎ足しただけですが、耐久性は問題ありませんでした。2本(1メートル)位までは何とかなりそうな感触です。高くしたことによる信号強度の違いまでは実験できませんでした。


たった50センチですがけっこう高くなったように感じます
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モクソンアンテナ使用記

2009年11月04日 | モクソンアンテナ
 作ったばかりのモクソンアンテナ(Moxon Antenna 145MHz)を使ってみました。運用地は、仙台近郊の泉ヶ岳(標高1170m)です。この日、予報では午後から雨、不安定な天気となっていました。もともとグループ登山を予定しており、私だけ早朝始発のバスに乗って一足先に登り、山頂で合流することにしました。その間、約1時間の運用です。



 山頂到着が9時30分。設営はロッドアンテナを伸ばして、モクソンエレメントをみの虫クリップで挟むだけですから、2~3分で完了。今回は、アンテナアナライザーAA-200を持参しました。あらかじめ部屋の中で測定してベストの状態のまま設置したのですが、念のため計ってみるとSWR1.5弱に上がっていました。問題な程のレベルではないのですが、ハンディ機なので、少しでも効率的に電波を出したいところです。スキャン幅を広くとって計測してみると、共振点が上にありましたので、ロッドエレメント4本を約1センチずつ長くしてみたところ、145MHzを中心にベタ落ちとなってくれました。アンテナを回してもさほど変化なく、良好な状態です。


AA-200のおかげで短時間かつ的確に調整できました


 実は下山途中の別の場所でもQRVしたのですが、そこでもSWRグラフに変化がみられ、再調整しました。ロケーションによって、思いのほか、アンテナ特性は変化しているようです。これまでは、知らずに使っていたということだと思います。やはり移動運用の際のアンテナは、現地で再調整するのがベストですね。



 さて、調整が終わって、さっそくリグDJ-S17に接続。ワッチしてみると、仙台市近辺のローカルの信号が入る程度で、遠くの信号は特に聞こえてきません。あまり時間がないので、南方向に向けてCQを出してみました。さっそく福島県国見町モービル局から59の応答。こちらかも59。高速道路の国見サービスエリア近くからでロケーションも良く、強力な信号でした。続いて、丸森町からハンディ機同士で59-59。阿武隈川沿いを歩行中とのことで、QSBはありましたが、問題なく交信できました。柴田町モービル局からも59-59。今度は、バック方向、色麻町からかすかに応答がありました。アンテナを向けるとSがぐんぐん上がり59-59。

 次に、アンテナを北方向にしてワッチしていると、一関市(花泉町)固定局がCQを出していました。実は、この周波数は、仙台のローカル局が使用中だったのですが、花泉町までは届いていないようです。当局には、どちらも良く入感しており、アンテナの方向によって、信号の強弱が明確に表れます。アンテナを北に向けるとローカルの信号はほとんど入らなくなりました。花泉局に応答してみたところ、すぐにピックアップいただき、とりあえず、コールサインを確認してQSYをお願いしました。無指向性のアンテナだと、こういう運用は難しいところですが、このモクソンアンテナ、FB比に優れるという評価どおりの性能でした。その後、方向を北に向けたまま、こちらからCQ。岩手県藤沢町と59-59、一関市厳美町と59-57で交信できました。両局とも固定局でFBなアンテナを向けていただいたようですが、ラグチューできる程度の安定した信号でした。

 約1時間で8局と交信。天候不順の予報で山岳移動局も少なかったようです。特別遠方との交信はありませんでしたが、ヘンテナに比べて指向性が明快でわかりやすく、混信の多い山移動では有効なアンテナと思いました。また、給電部前方に比重がかかるわけですが、風で倒れることはありませんでした。コンパクトで、取り回しが楽です。今度は里山で使ってみようかと思います。


山頂付近より

予報がはずれ、午後まで天気に恵まれました


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