コイルと名のつくものには何にでも興味が湧いてしまう困った性分です。コイル趣味。テスラコイルと言えば、雷のような電光が飛び交う部屋で平然と読書に勤しむニコラ・テスラの白黒写真が印象にあります。そのような巨大な装置とは比べようもありませんが、同じ原理で小さな放電現象を発生させるキットがaitendoやアマゾンで何種類か市販されています。試しに作ってみました。
テスラコイルはモジュール部、多巻きの2次コイル、数回巻きの1次コイルで構成され、1次コイルに通電することで、2次コイルに磁界誘導が起こり、高電圧を発生させる仕組み。本来は基板上にコイルを取り付けるようになっているのですが、いろいろと実験もしてみたいと考え、コイル交換式の実験ボードにしました。といっても、アルミプレートに基板(モジュール部)とターミナル端子を取り付けただけのものです。
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キット付属の回路図
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モジュール部
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実験ボード(裏面に配線)
とりあえずキット付属のコイルをつないでみました。2次コイルの直径2cm、長さ6cm弱。インダクタンス470μH。1次コイルは2次コイルの下部に空間を開けて1回巻きとしました。2次コイルと巻き方向を同じにします。逆にすると誘導が起こりません。
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1次コイル接続
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さっそく、モバイル電源を12Vに設定(仕様では15V2A以上必要)し入力してみたところ、無事2つのLEDランプが点灯し、2次コイル先端から青白いアーク放電が現れました。長さ5mm程のかわいらいしいロウソク状。二つの電極間に発生するわけではなく、何もない空間に揺らぎながら放出される高電圧の炎。それも一瞬ではなく、そのまま放電を保ち続ける・・・。不思議な感覚を覚え、しばし見とれてしまいました。ドライバーを近づけると、尺取り虫みたいにアークが吸い付いてきます。
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ドライバーを2次コイル上部に近づけると、今度はコイル本体から放電。上部ならどこでもよく、近づけた箇所に放電が起ってしまいます。小さな雷現象。電圧設定を16V、19V、21Vと上げていき、放電の様子を観察しました。19Vでアークの長さが1.5倍くらいに大きくなり、21Vに上げてもさほどの変化はありませんでした。モジュール部の発熱は半端ではありません。触ったらヤケドしてしまいそうです。また、不用意にモジュールに触ると思わぬ箇所で感電し、チクリと痛みが走ります。作動中はオゾン臭も。取扱い要注意、危険な代物ではあります。
ワイヤレス給電の原理にもなっているということで、ネオンランプの実験もしてみました。10cmくらい近づけると明るく点灯します。アマチュア無線的に言えば、いわばインターフェア発生器と言えます。高周波なので制御が難しく、電子器機に誤作動を起こしたりもするようです。実際、ラジオには盛大なノイズが入ります。
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放電アークを大きくする条件とかコイルの直径、巻き数、巻き方とか、いろいろ試して、工夫のしどころを考えてみたいと思います。このコイルを作ったから何ができるというものでもありませんが、非日常的なアークの炎を見ているだけで、なにか惹き付けられるものがあります。